マザーボードやグラフィックボードで知られるASRockから、フラッグシップブランド「Taichi」のOLEDゲーミングモニターが日本でも発売されます。国内で販売されるのは、27型4K/240Hzの「TCO27USA」と、27型WQHD/500Hzの「TCO27QXA」の2機種です。発売日はどちらも2026年10月30日で、価格はTCO27USAが169,800円、TCO27QXAが147,800円とされています。
2機種は、画面の大きさ、端子、スタンド、外形寸法がほぼ同じで、大きく違うのは解像度とリフレッシュレート、そして採用しているQD-OLEDパネルの世代です。見た目が似ているぶん、どちらを選ぶべきか迷いやすい組み合わせといえます。
この記事では、国内代理店アスクの製品ページと、ASCII.jp、PC Watchなどの発表記事をもとに、TCO27USAとTCO27QXAの違いを整理します。実際に使った感想ではなく、公開されている仕様をまとめた内容です。

同じ27型で、4Kと500Hzのどっちかを選ぶってことなんだね。

そうなんだ。何のゲームをどんなPCで遊ぶかで答えが変わるから、違いを順番に見ていこう。
TCO27USAとTCO27QXAの違いを一覧で比較
まず、2機種の主な仕様を表にまとめます。数値はアスクの製品ページ、ASCII.jp、PC Watchの記事の内容です。
| 項目 | TCO27USA | TCO27QXA |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年10月30日 | 2026年10月30日 |
| 価格 | 169,800円 | 147,800円 |
| 画面サイズ | 27インチ | 27インチ |
| パネル | QD-OLED(低反射光沢) | QD-OLED(低反射光沢) |
| パネルの世代 | Gen 4 Penta Tandem | Gen 3 |
| 解像度 | 3840×2160(4K) | 2560×1440(WQHD) |
| 最大リフレッシュレート | 240Hz | 500Hz |
| 応答速度 | 0.03ms(GtoG)、1ms(MPRT) | 0.03ms(GtoG)、1ms(MPRT) |
| 輝度(SDR時標準) | 250cd/m² | 300cd/m² |
| HDRピーク輝度 | 1000cd/m²(APL3%時) | 1000cd/m²(APL3%時) |
| HDR認証 | DisplayHDR True Black 400 | DisplayHDR True Black 500 |
| 色域 | DCI-P3 99% | DCI-P3 99% |
| 重量(スタンド含む) | 5.4kg | 5.3kg |
| アスクコード | MN1490 | MN1491 |
表のとおり、端子やスタンドなどの使い勝手にかかわる部分はほとんど共通です。違いは、画面のきめ細かさを取るか、動きのなめらかさを取るかという一点にまとまります。価格の差は22,000円です。
いちばんの違いは解像度とリフレッシュレート
TCO27USAは4Kの細かさと240Hzを両立
TCO27USAは、3840×2160の4K解像度で最大240Hzに対応します。27インチで4Kの画面は、文字や写真の輪郭がとても細かく表示されるので、ゲームだけでなく、写真の編集や表計算、プログラミングなど、たくさんの情報を一度に表示する作業にも向いています。
4Kで240Hzを出すには、映像を送る側の性能も必要です。TCO27USAは、DisplayPort 2.1(UHBR 20)とHDMI 2.1(48G)の端子を備えているので、対応するグラフィックボードやゲーム機と組み合わせることで、高い解像度と高いリフレッシュレートを生かせる構成になっています。
TCO27QXAはWQHDで500Hzに対応
TCO27QXAは、2560×1440のWQHD解像度で最大500Hzに対応します。リフレッシュレートは1秒間に画面を書き換える回数のことで、数値が高いほど動きがなめらかに見えます。500Hzは、一般的な60Hzのモニターの8倍以上の回数です。
動きの速いFPSや格闘ゲームなど、相手の動きを少しでも早く、はっきり見たい競技性の高いゲームでは、高いリフレッシュレートが役立ちます。ASCII.jpの記事でも、TCO27QXAは競技性の高いゲーム用途を意識した構成と紹介されています。

500Hzって、そんなに数字が高いと違いがわかるのかな?

500fps近くまでフレームレートが出るゲームとPCがそろって、はじめて生きる数字だよ。軽めの対戦ゲームを本気で遊ぶ人向けだね。
同じ27インチで比べると、1インチあたりの画素の数は、4KのTCO27USAが約163、WQHDのTCO27QXAが約109です。画面に近づいて文字を読む場面や、写真の細かい部分を見る場面では、この差が表示のきめ細かさとして表れます。反対に、WQHDは1画面に描く画素の数が4Kの半分以下なので、同じPCでも高いフレームレートを出しやすくなります。
PCの性能とのバランスも大切
モニターの性能を生かせるかどうかは、PC側のフレームレートで決まります。4Kで240fpsを出すにはかなり高い性能のグラフィックボードが必要で、WQHDで500fps近くを出すには、軽めのゲームと高い性能のCPUやグラフィックボードの組み合わせが必要です。
今のPCでどのくらいのフレームレートが出ているかを一度見ておくと、どちらの機種が合うのか判断しやすくなります。重いゲームを高画質で遊ぶことが多いならTCO27USA、軽いゲームで高いフレームレートが出ているならTCO27QXAが候補になります。
パネルの世代と明るさの違い
TCO27USAはGen 4 Penta Tandem
PC Watchの記事によると、TCO27USAはGen 4 Penta Tandem採用のQD-OLEDパネル、TCO27QXAはGen 3のQD-OLEDパネルを使っています。ASRockは、2機種とも高輝度化や電力効率の向上、長寿命化を図った次世代のOLEDテクノロジーを採用したと説明しています。
QD-OLEDは、量子ドット(QD)と有機EL(OLED)を組み合わせたパネルです。バックライトを使わず、画素そのものが光るため、黒をしっかり沈めた高いコントラストと広い色域、速い応答速度を出しやすいのが特長です。2機種とも、コントラスト比は1500000:1、色域はDCI-P3 99%とされています。
SDRの輝度とHDR認証はTCO27QXAが上
SDR表示時の標準の輝度は、TCO27USAが250cd/m²、TCO27QXAが300cd/m²です。HDR表示時の最大輝度はどちらも1000cd/m²(APL3%時)で同じです。APL3%は、画面のごく一部だけが明るく光る場面での数値です。
HDRの認証は、TCO27USAがDisplayHDR True Black 400、TCO27QXAがDisplayHDR True Black 500です。True Blackは、有機ELのように黒をしっかり表現できるモニター向けの認証で、数字が大きいほうが明るさの条件が高くなります。数値の上ではTCO27QXAのほうが明るい表示を得意としています。
認証を定めるVESAの基準では、画面の一部を明るく光らせる試験での最低輝度が、True Black 400は400cd/m²、True Black 500は500cd/m²と決められています。画面全体を光らせる試験の最低輝度も、400は250cd/m²、500は300cd/m²です。2機種のSDR時の標準輝度(250cd/m²と300cd/m²)は、この全画面の値とそれぞれ同じ数字になっています。

値段が高いTCO27USAのほうが、明るさの数値は少し低いんだね。

うん。TCO27USAは4Kの細かさにお金がかかっている、と考えるとわかりやすいよ。
映り込みを抑える表面処理
2機種とも、パネルの表面は低反射光沢です。光沢のある表面は、黒の締まりや色の鮮やかさを感じやすい一方で、部屋の照明や窓の光が映り込みやすい面もあります。低反射の処理で映り込みを抑えているとはいえ、窓を背にして座る部屋などでは、置き場所や照明の向きを工夫すると見やすくなります。
共通する機能と端子
映像入力は4系統とUSB Type-C
映像入力端子は、2機種ともDisplayPort 2.1(UHBR 20)×2、HDMI 2.1(48G)×2、USB 3.2 Gen 1 Type-C×1です。USB Type-CはDPオルタネートモードに対応し、最大65WのUSB PD給電ができます。対応するノートPCなら、ケーブル1本で映像の表示と充電をまとめて行えます。
そのほか、PC接続用のUSB 3.2 Gen 1 Type-B×1、USB 3.2 Gen 1 Type-A×2、ファームウェア更新用のUSB Type-A、ヘッドフォン出力×1を備えています。スピーカーは3W×2です。
KVMスイッチでPCを切り替えられる
2機種とも、KVMスイッチ機能を搭載しています。KVMスイッチは、モニターにつないだキーボードやマウスを、接続先のPCに合わせて切り替えて使える機能です。デスクトップPCと仕事用のノートPCを1台のモニターで使い分けたい人には便利です。
Game AssistとOLED Care
ゲームプレイを助ける「Game Assist」機能では、クロスヘアやリフレッシュレートの表示、画面中央を拡大するスナイパースコープなどが使えます。暗い場所を見やすくする「ダークブースト」機能や、AMD FreeSync Premium Proにも対応しています。PC Watchの記事では、OLEDの焼き付きを防ぐための機能「OLED Care」も搭載すると紹介されています。
ASRockの公式サイトによると、OLED Careは4つの機能で構成されています。ピクセルを定期的に調整し直す「ピクセルリフレッシュ」、表示位置を数ピクセルずつずらす「ピクセルシフト」、動かないロゴを見つけて明るさを下げる「ロゴの減光」、静止した画面が続いたときに画面全体の明るさを下げる「静止画の減光」です。
工場出荷時にキャリブレーションを行い、Delta E 2未満の色の再現性をうたっている点も共通です。ゲーム用のモニターでありながら、色の正確さを重視する作業にも使いやすい作りになっています。

ゲームのためのモニターなのに、仕事にも使いやすそう。

KVMスイッチとUSB Type-Cの給電があるから、ノートPCと並べて使う人にも合うね。
スタンドと本体の大きさ
スタンドは、チルト、スイーベル、高さ調整、ピボットに対応しています。PC Watchの記事によると、チルトは-5〜20度、スイベルは左右45度、高さ調整は130mm、ピボットは-90〜90度です。VESAマウントは100×100mmなので、モニターアームにも取り付けられます。
外形寸法は2機種とも611×582×239mm(スタンド含む)で、重量はTCO27USAが5.4kg、TCO27QXAが5.3kgです。机の上に置いたときの大きさはほぼ同じと考えてよいでしょう。ASRockの公式仕様では、スタンドを外した本体だけの寸法は611×354×54mm、重量は2機種とも3.4kgです。VESAマウントのネジはM4×12mmとされています。背面には、Taichiシリーズを象徴する「Signature TAICHI」ライティングを備えています。
付属品と消費電力
ASRockの公式仕様によると、付属品は2機種とも同じです。HDMI 2.1ケーブル(1.8m)、DisplayPort 2.1ケーブル(1.5m)、USB Type-Cケーブル(1m)、USB Type-A to Type-Bケーブル(1.8m)、240WのACアダプター(1.5m)、電源コード(1.5m)、クイックスタートガイドが入っています。HDMI 2.1とDisplayPort 2.1のケーブルが付属するので、まずは付属のケーブルでつなぐとよいでしょう。
消費電力は、最大で223W以下、省電力モードで0.5W以下、電源オフ時で0.3W以下です。電源はACアダプター方式で、スタンドを外した本体の奥行きは54mmに収まっています。
3年保証とゼロブライトドット保証
ASCII.jpの記事によると、国内正規流通品には3年間の保証と、購入から30日以内に輝点が見つかった場合に交換するゼロブライトドット保証が付きます。高価なモニターなので、正規流通品かどうかは購入前に見ておきたいポイントです。
価格差と購入前に見ておきたいポイント
22,000円の差をどう考えるか
TCO27USAは169,800円、TCO27QXAは147,800円で、差は22,000円です。端子やスタンドは共通なので、この差額は「4Kの細かさ」と「Gen 4 Penta Tandemのパネル」に払うものと考えると整理しやすくなります。
一方で、TCO27QXAは価格が安いうえに、500Hzのリフレッシュレート、SDR時の明るさ、True Black 500の認証という点では上回っています。どちらが上位というより、得意な分野が違う2機種です。売り場の価格は時期によって変わるので、購入前に見比べてください。
ほかの4K QD-OLEDモニターと比べたい人は、PRO MAX 271UPXW12Gの記事も参考にしてください。ウルトラワイドのQD-OLEDが気になる人には、MAG 341CQP QD-OLED X28とMAG 341CQP QD-OLEDの比較もあります。
机の幅と奥行き
2機種とも、スタンドを含めた大きさは幅611mm、奥行き239mmです。27インチとしては一般的な大きさですが、高さ調整やスイーベルを使うと、まわりに少し余裕が必要になります。モニターアームに付ける場合は、VESAマウント100×100mmに対応し、5kg前後の重さを支えられるアームを選びましょう。
つなぐ機器の端子とケーブル
高い解像度やリフレッシュレートを出すには、PCやゲーム機の端子とケーブルも対応している必要があります。2機種はDisplayPort 2.1とHDMI 2.1の端子を備えていますが、つなぐ側の端子や使うケーブルの規格が古いと、本来の性能を出せない場合があります。購入前に、手持ちのグラフィックボードの端子と、付属品や手持ちのケーブルの規格を見ておくと安心です。
有機ELならではの使い方の注意
有機ELのモニターは、同じ画像を長い時間表示し続けると焼き付きが起こることがあります。2機種は焼き付きを防ぐ機能「OLED Care」を搭載していますが、タスクバーや同じ画面を長時間出しっぱなしにしない、使わないときは画面を消すといった使い方の工夫も合わせて行うと、長く使いやすくなります。

仕事で同じ画面を出しっぱなしにすることが多いから、気をつけたいな。

スクリーンセーバーや自動で画面を消す設定を使うだけでも違うよ。保証の内容もあわせて見ておこう。
TCO27USAがおすすめな人
- 重いゲームを高い画質で遊べる、高い性能のPCを持っている人
- ゲームのほかに、写真の編集や資料作りなど細かい表示が必要な作業もする人
- 4Kの細かさと240Hzのなめらかさを1台で両立したい人
- 新しい世代のQD-OLEDパネルを選びたい人
TCO27USAは、27インチで4Kの細かい表示を楽しみたい人に向いたモデルです。ゲームも仕事も1台のモニターで済ませたい人に合っています。
TCO27QXAがおすすめな人
- FPSや格闘ゲームなど、動きの速い対戦ゲームを本気で遊ぶ人
- WQHDで高いフレームレートが出せるPCを持っている人
- TCO27USAより価格を抑えて、QD-OLEDのモニターを選びたい人
- SDR表示の明るさを重視する人
TCO27QXAは、500Hzのなめらかさを生かしたい人に向いたモデルです。WQHDは4Kよりグラフィックボードの負担が軽いので、高いフレームレートを出しやすいのも利点です。
まとめ|TCO27USAは4Kの細かさ、TCO27QXAは500Hzのなめらかさで選ぶ
ASRockのTCO27USAとTCO27QXAは、2026年10月30日に同時に発売される27型のQD-OLEDゲーミングモニターです。端子、KVMスイッチ、65W給電のUSB Type-C、スタンド、大きさはほぼ共通で、違いは解像度とリフレッシュレート、パネルの世代、明るさ、価格にあります。4Kの細かい表示とGen 4 Penta Tandemのパネルを選びたい人はTCO27USA、500Hzのなめらかさと価格の安さ、SDR時の明るさを重視する人はTCO27QXAを選ぶのがおすすめです。

自分のPCでどのくらいのフレームレートが出ているか、まず見てみるね。

それがいちばん確かな選び方だよ。遊ぶゲームと使い道を決めてから、どちらにするか考えよう。




