USBハブを使っていて、「モニターが映らない」「充電が遅い気がする」というとき、原因がハブなのかケーブルなのかパソコンなのか、見分けるのは意外と大変です。
Ankerが2026年10月6日に発売した「Anker Nano USB-C ハブ(10-in-1, 240Hz, Display)」は、本体の前面に小さな画面を付け、各ポートの電力やデータ転送速度、本体の温度を表示できるようにしたUSB-Cハブです。Ankerにとって初めての、画面付きのUSB-Cハブです。
この記事では、Ankerのプレスリリースと、Amazonの商品ページ(販売元はAnkerDirect)、購入者の口コミをもとに、このハブでできることと、買う前に知っておきたい条件を整理します。

ハブに画面が付いてると、何がうれしいの?

つないだ機器がどれくらいの速さで動いているか、パソコンに何Wで給電しているかが目で見えるんだ。うまく動かないときに、どこを疑えばいいか見当をつけやすくなるよ。
結論:据え置きで、接続状況を見たい人に向く10-in-1ハブ
先に結論です。このハブが向いているのは、次のような人です。
- デスクに置きっぱなしにして、モニター、有線LAN、USB機器、SDカードをまとめてつなぎたい人
- 接続がうまくいかないとき、原因を画面で切り分けたい人
- 高いリフレッシュレートのモニターを、ハブ経由で使いたい人
一方で、重さは約370gあり、持ち歩き用の小さなハブではありません。また、240Hzでの出力や2画面への出力には、パソコン側の条件があります。MacではDisplayPortとHDMIに別々の画面を出せない点にも注意が必要です。
価格は、Ankerの発表では16,990円(税込)です。Amazonではこれより安い価格で販売されていることもあるので、購入時に確かめましょう。
10ポートの内訳とおもな仕様
Ankerのプレスリリースと、Anker Japan公式オンラインストアの製品仕様、Ankerサポートページの対応表にある仕様を表にまとめます。前面に3つ、背面に7つのポートがあり、ノートパソコンとは背面から出ているUSB-Cケーブルでつなぎます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年10月6日 |
| 価格(税込) | 16,990円(Ankerの発表) |
| サイズ | 約130×56×50mm |
| 重さ | 約370g |
| 色 | ダークグレー、シルバー |
| 前面のポート | SDカードスロット×1、microSDカードスロット×1、USB-Cポート(10Gbps、データ転送)×1 |
| 背面のポート | USB-Cポート(最大100W入力・最大80W出力)×1、USB-Aポート(5Gbps)×2、USB-Aポート(10Gbps)×1、イーサネットポート(1Gbps)×1、HDMIポート(最大4K@144Hz/2K@240Hz)×1、DisplayPort(最大4K@144Hz/2K@240Hz)×1 |
| パソコンへの給電 | 最大80W(本体から出ているUSB-Cケーブル経由) |
| 付属品 | 吸着シート付きマグネット式スタンド、取扱説明書 |
| 対応OS(Amazon) | Windows 10/11、macOS |
Amazonの商品ページでは、映像出力に使えるのはHDMIポートとDisplayPortだけで、USB-Aポートと前面のUSB-Cポートはデータ転送専用と説明されています。前面のUSB-Cにモニターをつないでも映らないので、気をつけましょう。
設置からつなぐまでの流れ
付属のマグネット式スタンドは、底の吸着シートでデスクに貼り付けて使います。ハブ本体はマグネットでスタンドに載る仕組みで、口コミでは、周辺機器を抜き差しするときにスタンドから持ち上げられるとも書かれています。Amazonの商品ページでは、吸着シートの粘着力は設置場所の素材や表面の状態で変わるとされています。
- スタンドをデスクの奥など、ケーブルが届く場所に貼る
- 背面のUSB-Cポートに、100W以上の充電器をつなぐ
- モニター、LANケーブル、USB機器を背面のポートにつなぐ
- 背面から出ているUSB-Cケーブルをノートパソコンにつなぎ、画面で給電や接続の状態を見る
背面にポートを集めた設計なので、モニターやLANなど、つなぎっぱなしにする機器は背面に、ときどき使うSDカードやUSBメモリーは前面に、と分けると使いやすくなります。口コミでは、背面から出ているUSB-Cケーブルの長さは約70cmと書かれていたので、パソコンからあまり離れた場所には置けない点も覚えておきましょう。
給電の考え方:充電器は別に用意する
背面のUSB-Cポートに充電器をつなぐと、ハブを使いながら、ノートパソコンに最大80Wで給電できます。充電器(ACアダプター)とケーブルは付属していません。
Ankerは、ノートパソコンに80Wで給電したい場合は、100W以上の出力に対応した充電器とケーブルを使うよう案内しています。ハブ自身やつないだ機器も電力を使うため、パソコンに届くのは充電器の出力より少なくなる、と考えておくとよいでしょう。
前面の画面と、映像出力で押さえたい条件
画面に表示される内容
前面の画面には、各ポートの電力の出力状況、データ転送速度、本体の温度などがリアルタイムで表示されます。接続がうまくいかないときは、エラーの文言も表示されます。
専用アプリや、ハブをつなぐと開ける専用のブラウザサイトからも接続状況を見られます。ブラウザサイトでは、本体の画面で使えるポモドーロタイマー(作業と休憩の時間を区切るタイマー)のオン・オフなど、細かい設定ができるとされています。

タイマーまで付いてるんだ。ハブなのに多機能だね。

Amazonの説明でも、休憩時間を知らせるタイマー機能が紹介されているよ。画面はあくまで「状況を見る」ためのもので、タッチ操作ではなく本体のボタンで切り替える、という口コミもあるね。
240Hzで映すための条件
Ankerは、HDMIポートとDisplayPortの最大240Hz出力を、USB-Cハブとしては業界最高レベル(2026年9月、Anker調べ)とうたっています。ただし、240Hzが出るのは2K以下の解像度のときです。Ankerサポートページの対応表では、Windowsで1画面に出す場合の最大値は4K@144Hz、2K@240Hz、1080p@240Hzです。
Anker Japan公式オンラインストアの製品仕様でも、ディスプレイポートとHDMIポートはそれぞれ「最大4K@144Hz」です。Amazonの商品ページのポート説明も「Max 4K@144Hz」です。4Kで出す場合は144Hzまでで、240Hzは2Kで出すときの値です。
2台の画面に映すための条件
HDMIとDisplayPortを使えば、最大2画面に同時出力できます。画面の拡張にもミラーリングにも対応しています。
Anker Japan公式オンラインストアの注意書きでは、2K/240Hzでの2画面出力には、DSC 3:1に対応したDisplayPort 2.1をサポートするUSB-Cポートを持つノートパソコンが必要とされています。Ankerサポートページの対応表(Windows)では、パソコンのUSB-CがDisplayPort 1.4でDSCに対応している場合、2画面は2K@144Hzまでです。DisplayPort 1.4でDSCを使わない場合は、2画面とも2K@60Hzまでになります。
高いリフレッシュレートのモニターを2枚つなぐ予定の人は、自分のパソコンのUSB-Cポートの仕様を先に調べておきましょう。
USB-Cハブとは種類が違いますが、ドッキングステーションも比べたい人は、Thunderbolt 5世代のMaxidok 17-in-1を取り上げたMaxidok 17-in-1とRevodok Max 213の違いの記事も参考になります。
Macにつなぐ場合
Amazonの商品ページには、「macOSでは複数のディスプレイにそれぞれ異なる画面を表示することはできません」とあります。Macにつないだ場合、2台のモニターに別々の画面を出す使い方はできず、どちらか一方への出力か、同じ画面を映すミラーリングになります。
Macで2台のモニターを拡張表示したい人には、このハブは合いません。Windowsのノートパソコンで使う人向けの機能が多い、と考えておくと選びやすいでしょう。
Anker Nano USB-C ハブの口コミ・評判
Amazonでは、星5つ中4.4(17件)の評価が付いています。ここからは購入者や、Amazon Vine(メーカーから商品の無料提供を受けたレビュー)の口コミの内容です。メーカーの仕様とは分けて紹介します。
評価されている点
- 画面で接続状況や通信速度が見えるので、うまく動かないときにハブ以外を疑えるようになった(Vine)
- 本体はマグネットでスタンドに固定され、ケーブルを抜き差ししても動きにくい(Vine)
- イーサネットのチップはRTL8153Bで、ドライバーを入れるとThinkPadでMACアドレスパススルーが使えた(購入者)
- 背面にポートがまとまっていて、デスクのケーブルがすっきりした(Vine)
不満として挙がっている点
- 画面はタッチパネルではなく、本体上部のボタンで切り替える。画面にタップを促す表示が出ることがあり、わかりにくい(Vine)
- 管理アプリ「AnkerDockManager」はMac版がIntel向けで、一部のメッセージが中国語のままだった(Vine、評価時のバージョン1.1.6)
- Macではミラーリングにしか対応せず、拡張表示にならない(Vine)
- 重さが370gあり、据え置き前提の大きなハブ(Vine)
- USB-Aポートが3つもいらないので、USB-Cがもっと欲しかった(Vine)
- DP Alt Mode非対応のWindowsデスクトップPCとサブPCでは、データ通信はできたが、画面の「データポート状況表示」で各ポートの接続状態が表示されなかった(Vine)
口コミは17件と少数です。その中に、画面で状況が見えるのが便利だという声があります。一方で、アプリの完成度やMacでの制限、Windows環境でポートの接続状態が表示されなかったことを指摘する声もあります。Vineのレビューは無料提供を受けた人の感想である点も、あわせて考えておきましょう。
Anker Nano USB-C ハブがおすすめな人
- Windowsのノートパソコンをデスクで使い、モニター、有線LAN、USB機器をケーブル1本にまとめたい人
- 高いリフレッシュレートのモニターを、ハブ経由で使いたい人
- 接続トラブルのとき、画面で原因を切り分けたい人
- 100W以上の充電器を持っていて、ハブ経由でノートパソコンを充電したい人
反対に、出張や外出先に持ち歩く小さなハブが欲しい人、Macで2台のモニターに別々の画面を出したい人には向きません。持ち運びも考えるなら、ドッキングステーションと持ち運び用ハブを比べた記事も参考になります。
Ankerのほかのハブ・ドッキングステーションは、Anker Nano ドッキングステーションの比較の記事で取り上げています。
オンライン会議で使う機能もまとめたい人は、HiDock H1 LiteとH1/H1Eの違いの記事も参考になります。
よくある質問
充電器は付いていますか?
付いていません。Ankerは、ノートパソコンに80Wで給電する場合は、100W以上の出力に対応した充電器とケーブルを使うよう案内しています。
4Kモニターを240Hzで使えますか?
使えません。Anker Japan公式オンラインストアの製品仕様では、ディスプレイポートとHDMIポートはそれぞれ最大4K@144Hzです。240Hzが出るのは2K以下の解像度のときで、2画面とも2K@240Hzにするには、DSC 3:1に対応したDisplayPort 2.1のUSB-Cポートがパソコンに必要です。
前面のUSB-Cポートにモニターをつなげますか?
つなげません。前面のUSB-CポートとUSB-Aポートはデータ転送専用で、映像出力に使えるのはHDMIポートとDisplayPortだけです。
Macでも使えますか?
対応OSにはmacOSも含まれています。ただし、Macでは2台のモニターに別々の画面を出せず、どちらか一方への出力か、同じ画面を映すミラーリングになります。
アプリを入れないと使えませんか?
ハブとしてはアプリなしで使えます。口コミでも、管理アプリを起動していなくてもハブ自体は動作すると書かれています。細かい設定をしたいときに、アプリやブラウザサイトを使う形です。
Anker Nano USB-C ハブのまとめ|画面で状況が見える据え置き向けハブ
Anker Nano USB-C ハブ(10-in-1, 240Hz, Display)は、10のポートに加えて、接続状況を表示する画面を備えたUSB-Cハブです。モニター、有線LAN、USB機器をまとめてつなぎ、うまく動かないときに原因を見つけやすくしてくれます。
ただし、240Hz出力や2画面出力にはパソコン側の条件があり、Macでは別々の画面を出せません。Windowsのノートパソコンをデスクで使い、100W以上の充電器を用意できる人なら、選ぶ価値のある1台です。




