タイガー魔法瓶の「GRISIA(グリシア)」は、両面焼きのグリルと煮込みを1台でこなす、新しいタイプの調理家電です。タイガーは「マルチグリルクッカー」と呼んでいて、この記事で取り上げる「CLX-N400」は、付属の蒸し台で蒸し料理もできるモデルです。
見た目や「自動調理」という言葉から電気圧力鍋のように思われがちですが、CLX-N400は圧力鍋とは別の調理器です。取扱説明書と製品ページによると、加熱は本体底部のIHと上部のカーボンヒーターで行います。圧力をかける機能や圧力の設定はどちらにも載っておらず、ふたを開けたまま使う「炒め」メニューがあることや、レバーを押すとふたが自然に開く構造からも、圧力鍋とは仕組みが違うことがわかります。
この記事では、タイガーの取扱説明書(CLX-A型/CLX-N型 共通)と、取扱説明書が共通のCLX-A400の製品ページをもとに、CLX-N400の仕様、できること、できないこと、向いている人をまとめます。まだ発売前で購入者の口コミはないため、使用感ではなくメーカーの資料の内容を紹介します。

自動で煮込めるなら、圧力鍋の代わりにもなるのかな?

そこが一番大事なポイントなんだ。CLX-N400は上下のヒーターで焼いたり煮込んだりする調理器で、圧力鍋のように短い時間で骨までやわらかくする使い方を期待して選ぶものじゃないよ。そのかわり、上からも焼けるのが特徴なんだ。
CLX-N400の特徴と仕様
底面IHと上部カーボンヒーターで包む加熱
CLX-N400は、本体の底部にIH、上部にカーボンヒーターを備えています。タイガーのCLX-A400の製品ページでは、底部のIHによる高火力と細かな温度コントロールに、上部のカーボンヒーターの加熱を組み合わせ、容器全体を包むように加熱すると説明されています。同じページでは、自動メニュー「グリルチキン」で鶏もも肉(約300g)を2枚調理したとき、ふた内側のガラス表面の温度が最高で約400度になるとされています。
上下から熱を加えられるので、肉や魚の両面に焼き目をつけたり、煮込みながら表面を焼いたりできます。焼き魚やグラタン、トーストのように、上からの熱が必要な料理に強いのが、ふつうの電気調理鍋との大きな違いです。
仕様
取扱説明書の「仕様」のページにある数字を表にまとめます。CLX-N400とCLX-A400で違うのは、本体質量だけです。
| 項目 | CLX-N400 |
|---|---|
| 電源 | 100V 50-60Hz |
| 定格消費電力 | 1,300W |
| 調理容量/満水容量 | 2.5L/4.0L |
| 外形寸法 | 幅34.1×奥行37.2×高さ20.2cm |
| ふた開き時の高さ | 44.7cm |
| 本体質量 | 9.1kg(CLX-A400は8.7kg) |
| コードの長さ | 1.0m |
| 加熱方式 | 底部IH+上部カーボンヒーター |
| 付属品(N型のみ) | 蒸し台 |
ふたを開けると高さが44.7cmになるので、吊り戸棚の下に置く場合は、上の空間に余裕があるかを測っておきましょう。本体質量は約9.1kgと重めです。出し入れするより、置きっぱなしにして使う前提の調理家電と考えておくと選びやすくなります。
できる料理とメニュー
自動で作れるのは焼き・煮込み・トーストまで
取扱説明書の自動メニュー一覧には、お手入れの「クリーニング」を含めて51のメニューが載っています。グリルチキン、ハンバーグ、さばの塩焼き、餃子、焼き芋といったグリルのメニューから、キーマ&タンドリーチキンやチーズタッカルビなどの「こんがり煮込み」、グラタン、トーストやピザ、肉じゃがや魚の煮付け、おでん、ローストビーフ、鶏のから揚げ、ホットケーキ、パエリアまで、幅広くそろっています。
自動メニューでは、食材(冷蔵・冷凍)や枚数、人数、焼き色を選ぶと、調理時間が変わります。たとえばグリルチキンは20〜28分、さばの塩焼きは13〜23分、肉じゃがは40〜50分が目安です。自動メニューのレシピは付属のクックブックと、タイガーのホームページに載っています。
手動で温度や時間を決める
自分で時間と火かげんを決める手動メニューもあります。取扱説明書の手動メニュー一覧には、グリル、こんがり煮込み、煮込み、トースト、リベイク、無水、スロー、炒め、ベイク、こんがり上火、ノンフライ、温度設定、温め直し、蒸し(CLX-N型のみ)、保温が並んでいます。
「温度設定」は30〜90度の間を1度単位で選べて、発酵や低温調理に使います。「スロー」は沸とうしない温度で時間をかけて煮込むメニューで、最長6時間まで設定できます。「炒め」はふたを開けた状態で使うメニューです。
予約調理と保温
一部のメニューは予約調理に対応しています。取扱説明書によると、材料が傷むのを防ぐため、予約の設定が終わった直後から加熱が始まり、その後は保温して、できあがりの10分前に温め直す仕組みです。夜に仕込んで朝に温かい煮込みを食べる、という使い方ができます。メニューによって保温の時間は違い、煮込み系のメニューは最大12時間保温できます。
使いはじめと操作の流れ
はじめて使うときは、インナーポットと蒸し台(CLX-N型のみ)を洗ってから使います。付属品は、蒸し台のほかにクックブックと使いかたガイドです。
メニューは、自動メニューか手動メニューの一覧から選ぶほか、操作パネルの[煮込み][トースト][グリル]ボタンからも選べます。自動メニューは、食材・レシピ番号・レシピサイトから探す「メニュー検索」と、使った回数が多い順に並ぶ「履歴」からも呼び出せます。
一部の自動メニューは「おいしあげ」メニューといって、調理の途中で「一時停止中」の画面になります。ふたを開けて作業をしたあと、[スタート|決定]を押して再開します。手動メニューで作るときは、材料の量がインナーポットの「調理Max」線を超えないようにします。
ふたを開けて調理している間は、本体から離れないよう注意書きがあります。ふたを開けるときはレバーを押して、ふたが自然に開くのを待ちます。調理中は、ファンが動く「ブーン」という音や、IHが動く「ジーッ」「チリリリ…」という音がすることがあります。

焼くのも煮るのもできて、予約までできるなら便利そう。

ただし、予約は「時間になったら加熱を始める」のではなく、すぐに加熱して保温しておく方式なんだ。取扱説明書の説明どおり、食材を傷ませないための仕組みだよ。
CLX-A400との違い
蒸し台と「蒸し」はN型だけ
CLX-N400とCLX-A400は、取扱説明書が共通です。その中で「CLX-N型のみ」と書かれているのが、付属の蒸し台と、手動メニューの「蒸し」です。CLX-N400は、インナーポットに水を入れ、蒸し台に材料をのせて蒸し料理を作れます。
取扱説明書の目安では、インナーポットに入れる水は300〜500mLです。手動メニュー「蒸し」・火かげん「強」の場合、チルドの肉まん4個は18〜22分(水300mL)、冷凍の肉まん4個は32〜36分(水500mL)、チルドのシュウマイ8個は14〜18分、鶏むね肉1枚は35〜40分、輪切りのさつまいも500gは35〜45分が目安です。
2機種を表で比べる
| 項目 | CLX-N400 | CLX-A400 |
|---|---|---|
| 蒸し台 | 付属 | なし |
| 手動メニュー「蒸し」 | あり | なし |
| 本体質量 | 9.1kg | 8.7kg |
| 定格消費電力 | 1,300W | 1,300W |
| 調理容量/満水容量 | 2.5L/4.0L | 2.5L/4.0L |
| 外形寸法 | 幅34.1×奥行37.2×高さ20.2cm | 同じ |
| 取扱説明書 | 共通(CLX-A型/CLX-N型) | 共通(CLX-A型/CLX-N型) |
加熱の仕組み、容量、寸法は同じで、違いは蒸し台と「蒸し」メニュー、それに蒸し台の分の重さです。肉まんやシュウマイ、蒸し野菜をよく作るならCLX-N400、蒸し料理は使わないならCLX-A400も候補になります。
お手入れと置き場所
洗うのはインナーポットと蒸し台
使うたびに洗うのは、インナーポットと蒸し台(CLX-N型のみ)です。取扱説明書では、洗剤をうすめた水かぬるま湯でスポンジを使って洗い、水ですすいでから乾いた布でふき取るよう案内されています。インナーポットはフッ素加工なので、食器洗い乾燥機は使えません。蒸し台は、食器洗い乾燥機・食器乾燥器が使えます。
油はねを抑える油キャッチフィルター
焼き調理では、スチームカバーの内側に市販のキッチンペーパーを1枚折りたたんでセットし、油キャッチフィルターとして使えます。取扱説明書では、油を使う焼き調理のときの使用を勧めていて、キッチンペーパーは使うたびに交換します。CLX-A400の製品ページでは、周りの油汚れを減らし、掃除の手間を省けると紹介されています。
設置スペースの目安
外形寸法は幅34.1×奥行37.2×高さ20.2cmで、ふたを開けると高さ44.7cmになります。コードの長さは1.0mなので、コンセントの近くに置ける場所を選びましょう。調理中は天面の窓から中の様子を見られます。
周りにあけるすき間
取扱説明書では、消防法の基準に合わせた周囲のすき間が示されています。ふたを閉めた状態では、天面10cm以上、側面4.5cm以上、後面4.5cm以上です。ふたを開けたときは、天面26cm以上、後面5.5cm以上が必要です。前面と、側面のどちらか片方は開けておくよう書かれています。
ビニールクロスや樹脂製など熱に弱い壁や家具が周りにある場合は、この目安よりさらに離すよう案内されています。壁や家具、蒸気や水気に弱い家電製品の近く、カーテンなど燃えやすいものの近くでは使わないでください。カップボードの棚に置くときは、ふたを開けたときの高さ(44.7cm)に、上の26cmを足した空間があるかを測っておくと安心です。
CLX-N400の価格とよくある質問
価格
Amazon.co.jpでは、CLX-N400(CLX-N400KC)は予約受付中で、Amazon.co.jpの販売で54,800円でした。本体質量と付属品以外は同じCLX-A400と比べるときは、蒸し台が付く分の違いと考えるとわかりやすくなります。
圧力鍋の代わりになる?
代わりにはなりません。取扱説明書と製品ページでは、加熱は底部のIHと上部のカーボンヒーターで行うと説明されていて、圧力をかける機能や圧力の設定は載っていません。短い時間で豆や肉をやわらかくする圧力調理が目的なら、電気圧力鍋を選びましょう。CLX-N400で時間をかけて煮込みたいときは、「スロー」や「煮込み」のメニューを使います。
ごはんは炊ける?
自動メニューには「さけときのこの炊込み」「パエリア」「カオマンガイ」といった炊込みのメニューがあります。取扱説明書では、これらのメニューの保温は、ごはんのおいしさが損なわれたり表面がこげたりするおそれがあるので早めに食べるよう案内されています。
揚げ物はできる?
油で揚げるのではなく、油を使わずに揚げ物のように仕上げる「ノンフライ」の手動メニューがあります。自動メニューには「鶏のから揚げ」「フライドポテト」もあります。
CLX-N400がおすすめな人
向いている人
- 焼き魚やグリルチキンを、コンロを使わずに両面こんがり焼きたい人
- 焼きと煮込みを1台にまとめて、予約や保温も使いたい人
- 肉まん・シュウマイ・蒸し野菜など、蒸し料理もよく作る人
- 置きっぱなしにできる場所がキッチンにある人
向いていない人
- 圧力調理で短時間に煮込みたい人(電気圧力鍋のほうが合う)
- 使うたびに棚から出し入れしたい人(約9.1kgと重い)
- 蒸し料理は作らず、少しでも安く軽いモデルがいい人(CLX-A400も候補)
CLX-N400のまとめ|蒸しも使える圧力なしのグリル調理器
タイガーのGRISIA CLX-N400は、底部のIHと上部のカーボンヒーターで上下から加熱し、焼き・煮込み・トースト・蒸しを1台でこなすマルチグリルクッカーです。圧力をかけて調理する仕組みではないので、電気圧力鍋の代わりにはなりません。CLX-A400との違いは蒸し台と「蒸し」メニューで、両面焼きのグリル料理に加えて蒸し料理も作りたい人に向いています。

圧力鍋じゃなくて、上からも焼ける調理器なんだね。

そうだね。焼き目がつく料理と蒸し料理が好きなら、CLX-N400は選ぶ価値がある1台だよ。




