完全ワイヤレスイヤホンは、音に飽きるより先に電池がへたることがあります。
毎日使っているうちに再生時間が短くなり、まだ音は気に入っているのに本体ごと買い替える。5万円クラスでは、笑って済ませにくい出費です。
ゼンハイザーの新型「MOMENTUM True Wireless 5」は、イヤホン本体だけでなく充電ケースの電池まで自分で交換できるようになりました。最大40時間再生、Dolby Atmos、新しいANC、AIを使った通話ノイズ低減も加わっています。
ただし、値下がりした「MOMENTUM True Wireless 4」は3万円前後。新型との実売差は約2万円に広がるため、誰にでも新型がおすすめとはいえません。
先に結論をまとめると、次のとおりです。
- 3年以上使いたい、出張が多い、屋外通話や映画視聴も重視するならMOMENTUM True Wireless 5がおすすめ
- 音楽鑑賞が中心で、2~3年ごとに買い替えるならMOMENTUM True Wireless 4で十分
- 実売価格差が1万円以内ならMOMENTUM True Wireless 5、1万5,000円を超えるなら使う年数と通話頻度で決める
見逃せないのが、最大40時間という数字です。ANCをオンにしたイヤホン単体の再生時間は、新型が最大6時間、旧型が最大7時間。通勤中にANCを使う人は、「新型なら1回の充電で10時間長く聴ける」と受け取らないようにしましょう。
本記事では、MOMENTUM True Wireless 5とMOMENTUM True Wireless 4の違いを、電池寿命、通勤、通話、映画、音質の順に比べます。
なお、本文中の製品リンクには広告リンクを含みます。価格や在庫は変わるため、購入前に販売ページで最新情報をご確認ください。
最大40時間より先に知りたい「電池交換」の価値
MOMENTUM True Wireless 5のいちばん大きな進化は、音質でもBluetooth 6.0でもありません。イヤホン左右と充電ケース、合計3個の電池をユーザーが交換できる点です。
完全ワイヤレスイヤホンの電池は消耗品です。充放電を繰り返せば容量が減り、購入時と同じ再生時間を保てなくなります。従来は電池交換を頼みにくく、本体ごとの買い替えにつながりがちでした。
MOMENTUM True Wireless 5にはバッテリー交換用ツールが付属し、一般的な工具を使って自宅で交換できる設計です。音や装着感を気に入ったイヤホンを、電池の劣化だけで手放さずに済みます。
「交換できる=必ず安上がり」とはまだ言い切れない
交換式バッテリーは魅力的ですが、購入費を回収できる時期はまだ計算できません。交換用電池の国内価格と供給期間が公表されていないためです。
仮にMOMENTUM True Wireless 4が約2万円安く買えるなら、2年ほどで次世代へ買い替える人は旧型のほうが出費を抑えられます。反対に、3~5年使い続けたい人なら、電池だけ交換できる新型が本体買い替えを一度防ぐ可能性があります。
購入前には、交換用電池について次の点を確かめておきましょう。
- 左右イヤホン用とケース用の販売価格
- 公式ストアでの購入方法と在庫
- 交換手順、保証への影響、使用済み電池の回収方法
公式の交換手順に従うことも欠かせません。MOMENTUM True Wireless 5はイヤホンのみIP54の防塵・防滴に対応しますが、組み直しが不十分では本来の保護性能を期待できないおそれがあります。
MOMENTUM True Wireless 5と4の違いを一覧で比較
| 比較項目 | MOMENTUM True Wireless 5 | MOMENTUM True Wireless 4 |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年9月3日 | 2024年3月1日 |
| 価格の目安 | 直販49,940円 | 実売約29,200円から |
| ドライバー | 7mm TrueResponseダイナミック | 7mm TrueResponseダイナミック |
| Bluetooth | 6.0 | 5.4 |
| 対応コーデック | SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive/Lossless | SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive/Lossless、LC3 |
| ANC | 新しいハイブリッドアダプティブANC | ハイブリッドANC |
| マイク | 片耳4基、骨伝導マイク、AIノイズ低減 | 片耳3基、ビームフォーミング |
| Dolby Atmos | 対応、ヘッドトラッキングあり | 非対応 |
| イヤホン単体 | 最大12時間(ANCオフ)/最大6時間(ANCオン) | 最大7.5時間(ANCオフ)/最大7時間(ANCオン) |
| ケース込み | 最大40時間 | 最大30時間 |
| 電池交換 | イヤホン左右・ケースともユーザー交換可能 | ユーザー交換非対応 |
| 充電 | USB-C、Qi 2.1 | USB-C、Qi |
| 片耳重量 | 7g | 6.2g |
| ケース込み重量 | 62g | 72.4g |
| 装着補助 | イヤーチップ4サイズ | イヤーチップ4サイズ、イヤーフィン3サイズ |
| 防塵・防滴 | IP54(イヤホンのみ) | IP54(イヤホンのみ) |
表の製品名から販売ページを確認できます。
- MOMENTUM True Wireless 5の価格・在庫を見る
- MOMENTUM True Wireless 4の価格・在庫を見る
通勤で使うなら「40時間」の内訳を見て選ぶ
バッテリーは新型の圧勝に見えますが、使い方で評価が変わります。
MOMENTUM True Wireless 5の最大12時間は、ANCをオフにした条件です。ANCをオンにすると最大6時間。MOMENTUM True Wireless 4はANCオフで最大7.5時間、ANCオンで最大7時間です。
電車や飛行機でANCを常用する場合、1回の連続再生では旧型が1時間長い計算になります。東京から博多まで新幹線で移動する程度なら両方とも足りますが、乗り継ぎを含む長距離フライトでは途中充電を考えたいところです。
新型の利点は、ケース込みで最大40時間使える点にあります。充電ケースをコンセントにつなぐ回数を減らせるため、2~3日の出張や旅行では新型のほうが安心です。
充電の面倒を減らしたい人ほどケース込み時間が効く
毎日2時間使うと仮定すると、カタログ上の合計時間は新型が約20日分、旧型が約15日分です。実際の再生時間は音量、コーデック、ANC、通話によって短くなりますが、週末に充電を忘れやすい人には10時間差が効いてきます。
急速充電はどちらも8分の充電で約1時間再生できます。朝に電池切れへ気づいた場面では、新旧で大差ありません。
新型に約2万円多く出すなら、通話と映画まで使いたい
音楽を聴くだけでは、約2万円差を納得しにくい人もいるでしょう。新型を選ぶメリットが増すのは、イヤホンを仕事と映像視聴にも使う場合です。
屋外通話は4マイクと骨伝導センサーが効く
MOMENTUM True Wireless 5は片耳のマイクを3基から4基へ増やし、声の振動を拾う骨伝導マイクも搭載しました。AIとビームフォーミングを組み合わせ、周囲の音から話し声を分けます。マイクの周波数帯域も最大16kHzへ広がっています。
駅のホームから予定変更を伝える、カフェでオンライン会議に入る、風のある歩道で電話を受ける。雑音の多い場所で話す回数が多い人ほど、新型の進化を使えます。
MOMENTUM True Wireless 4も片耳3基のマイクとビームフォーミングを備え、静かな室内での会議なら十分です。通話が月に数回しかないなら、マイクのためだけに新型を選ばなくても困りません。
Dolby Atmosは映画の「画面の向こう側」を作る
MOMENTUM True Wireless 5はDolby Atmosとヘッドトラッキングに対応します。頭を動かしたときに音の方向を画面側へ保つため、タブレットやスマートフォンで映画を見ると、セリフや効果音が映像の位置に残るような感覚を得やすくなります。
対応作品と対応機器なら、作品に収録されたマルチチャンネル情報を使った再生が可能です。通常のステレオ音源に立体感を加えるモードもありますが、元からDolby Atmosで制作された作品と同じ情報量になるわけではありません。
音楽中心で立体音響を使わないなら、MOMENTUM True Wireless 4でも不足はありません。映画やライブ映像を移動中によく見る人ほど、新型を選ぶメリットが増します。
音質は「Bluetooth 6.0だから上」とは決められない
両モデルとも、ゼンハイザー独自の7mm TrueResponseダイナミックドライバーを採用し、再生周波数帯域も5Hz~21kHzです。新型はドライバー径を大きくした製品ではありません。
MOMENTUM True Wireless 5では音響設計とチューニングが見直され、ボーカルの明瞭さや細かな余韻を狙っています。発売前のため購入者レビューはまだありません。先行試聴では、旧型より声が前へ出て、全体の見通しが良くなったとの評価が見られますが、音の好みは実機で確かめたい部分です。
MOMENTUM True Wireless 4は、タイトで量感のある低音と、極端なクセをつけないバランスの良さが評価されてきました。価格が下がった今は、音質だけを目的に選ぶなら魅力が増しています。
iPhoneではaptX Losslessを使えない
Bluetooth 6.0は通信規格であり、数字が大きいだけで音が良くなるわけではありません。両モデルが対応するaptX Losslessを使うには、スマートフォン側も同じコーデックへ対応している必要があります。
iPhoneはaptX Losslessに対応していないため、Bluetooth再生はAACになります。iPhoneユーザーが新型を選ぶ理由は、Bluetooth 6.0ではなく、交換式バッテリー、ANC、通話、Dolby Atmosに置くのが妥当です。
対応AndroidスマートフォンやDAPでaptX Losslessを使う人は、通信環境や音源の条件をそろえると高音質再生を狙えます。なお、同じ価格帯の選択肢も見ておきたい人は、かでくらのWF-1000XM6とWF-1000XM5の比較も参考になります。通勤時のANCや通話を優先する場合に比べやすい2機種です。
装着感は小型化ではなく「支え方」が変わった
MOMENTUM True Wireless 5は耳の内側をスキャンして形状を作り直し、ケース込み重量を72.4gから62gへ軽くしました。ケースの厚みも抑えられ、ポケットへ入れたときの膨らみを減らせます。
ただし、イヤホン片側は旧型の6.2gから新型の7gへ増えています。新型は「耳に入れる部分まで軽くなった」わけではありません。
旧型には3サイズのイヤーフィンが付属し、耳のくぼみに引っかけて固定できます。新型の付属品にはイヤーフィンの記載がなく、4サイズのイヤーチップで密閉感を合わせる設計です。
耳の形は人によって違います。旧型のフィンで安定している人が新型へ買い替える場合は、軽いケースだけを理由に決めず、試着できる店舗で圧迫感と歩行時のずれを確かめるのがおすすめです。
口コミ・評判から見える期待と注意点
MOMENTUM True Wireless 5は発売前のため、長期間使った購入者の口コミはまだ集まっていません。現段階で「バッテリー交換が簡単」「ANCが他社より強い」と断定するのは早計です。
発表後は、電池交換への期待、40時間再生、Dolby Atmos、通話用マイクの強化に注目が集まっています。発売後に確かめたいのは、次の部分です。
- 電車内で人の話し声までどの程度抑えられるか
- 風のある屋外で自分の声が相手へ自然に届くか
- イヤーフィンなしでも長時間ずれにくいか
- 交換用電池の価格と、実際の作業時間
- Dolby Atmosをオンにしたときの電池持ち
MOMENTUM True Wireless 4は、低音の厚みと全体のまとまり、装着を細かく調整できる点が好評です。ANCも日常の電車移動で困りにくい水準にあります。新型の初期評価を待ちたい人が、実績のある旧型を安く買う判断にも筋が通っています。
MOMENTUM True Wireless 5がおすすめな人
MOMENTUM True Wireless 5がおすすめなのは、次のような人です。
- ひとつのイヤホンを3年以上使いたい
- 電池が劣化しても本体ごと買い替えたくない
- 出張や旅行が多く、ケースの充電回数を減らしたい
- 駅、街中、カフェで通話する機会が多い
- 映画やライブ映像をDolby Atmosで楽しみたい
- ケースをポケットへ入れて持ち歩く
新型は「音質のためだけに2万円足すモデル」ではありません。買い替え周期を延ばし、音楽・通話・映像を1台へまとめたい人に向いています。
MOMENTUM True Wireless 5の価格と在庫を確認する
MOMENTUM True Wireless 4がおすすめな人
MOMENTUM True Wireless 4がおすすめなのは、次のような人です。
- 予算を3万円前後に抑えたい
- 用途の大半が音楽鑑賞
- Dolby Atmosや屋外通話をほとんど使わない
- ANCをオンにした1回の連続再生時間を重視する
- イヤーフィンで装着を安定させたい
- 2~3年後には新しいイヤホンへ買い替える予定
7mm TrueResponseドライバー、aptX Lossless、マルチポイント、ワイヤレス充電、IP54は旧型にもそろっています。値下がり幅が大きければ、「型落ちだから妥協」ではなく、高音質モデルを割安で手に入れる選択になります。
MOMENTUM True Wireless 4の価格と在庫を確認する
よくある質問
MOMENTUM True Wireless 5のバッテリーは自分で交換できますか?
はい。イヤホン左右と充電ケースの電池を、ユーザー自身で交換できます。バッテリー交換用ツールは付属しますが、ドライバーと交換用電池は別途必要です。
交換用電池の価格や購入方法は、発売後に公式ストアで確認してください。防塵・防滴性能や保証へ影響させないためにも、公式手順に沿って作業しましょう。
MOMENTUM True Wireless 4から買い替える価値はありますか?
電池が劣化している、屋外通話が多い、Dolby Atmosを使いたい、充電ケースを軽くしたい人にはMOMENTUM True Wireless 5がおすすめです。
MOMENTUM True Wireless 4の電池や接続に不満がなく、音楽鑑賞が中心なら急いで買い替える必要はありません。ドライバー径と再生周波数帯域は共通です。
最大40時間なら、ANCオンでも40時間使えますか?
最大40時間は、充電ケースを含む総再生時間です。イヤホン単体でANCをオンにした場合は最大6時間と案内されています。音量、通話、コーデック、Dolby Atmosなどの設定でも再生時間は変わります。
MOMENTUM True Wireless 5はiPhoneでも高音質ですか?
iPhoneでもAACで再生でき、ANCやDolby Atmos、アプリの音質調整を利用できます。ただし、aptX AdaptiveやaptX Losslessは使えません。iPhoneで新型を選ぶなら、コーデックより交換式バッテリーや通話性能を重視しましょう。
MOMENTUM True Wireless 5と4の価格差はいくらですか?
新型の直販価格は49,940円、旧型の最安価格は約29,200円で、差は約20,740円です。旧型の価格や在庫は色によって変わります。
価格差が1万円以内なら、長く使える設計と新機能を含めてMOMENTUM True Wireless 5がおすすめです。1万5,000円以上なら、通話やDolby Atmosを使わない人はMOMENTUM True Wireless 4で十分です。
まとめ:2万円差は音質ではなく「何年使うか」で決める
MOMENTUM True Wireless 5とMOMENTUM True Wireless 4の違いは、交換式バッテリー、ケース込み再生時間、ANC、通話、Dolby Atmos、形状と重量です。
長く使うつもりならMOMENTUM True Wireless 5がおすすめです。イヤホンとケースの電池を交換できるため、電池劣化だけを理由に5万円近い本体を捨てずに済む可能性があります。屋外通話や映画視聴まで使う人なら、約2万円差を新機能でも回収できます。
音楽鑑賞が中心で、実売差が1万5,000円を超えるならMOMENTUM True Wireless 4がおすすめです。基本のドライバー、aptX Lossless、マルチポイント、IP54は旧型にもあり、ANCオンの単体再生時間はむしろ1時間長くなっています。
最後は最大40時間という見出しではなく、使う年数で決めましょう。3年以上付き合うなら新型、数年で買い替えるなら安い旧型。電池の寿命まで含めて選べば、購入後の後悔を減らせます。



