オーツェイドのイヤホンブランドMaestraudio(マエストローディオ)から、有線イヤホン「MAPro2000」が2026年10月17日に発売されました。販売元はアユートで、価格は27,500円です。カラーはIris BlueとShallow Clearの2色です。
AV Watchによると、MAProシリーズの小型軽量で耳に固定しやすい形というコンセプトを受け継ぎつつ、より広い空間表現のためにフルモデルチェンジしたモデルです。新開発の「磁性流体」ダンパーを使った10mmダイナミックドライバーと、新素材の振動板を使ったパッシブ型ツイーター「RST」を組み合わせています。
この記事では、アユートの発表を伝えたAV Watchの記事とAmazonの商品ページをもとに、MAPro2000のしくみと特徴、向いている人、買う前に知っておきたい点を整理します。

磁性流体って、何がいいの?

ドライバーの中で、音が止まったあとに残る余計な揺れを抑える役目なんだ。低音を締めるだけじゃなくて、音の出だしと止まりをはっきりさせて、その間のボーカルや楽器を見通しやすくするのが狙いだよ。
MAPro2000がおすすめな人
先に結論です。MAPro2000は、次のような人に向いています。
- 3万円以下で、日本製の有線イヤホンを探している人
- 長時間つけても疲れにくい、耳に固定する形のイヤホンが好きな人
- 3.5mmと4.4mmのどちらのプレーヤーでも使いたい人
- 低音の量感だけでなく、ボーカルや楽器の分離感を重視する人
一方で、コネクターは今回からMMCXではなくPentaconn earになりました。手持ちのMMCXケーブルにリケーブルしたい人は、Pentaconn ear対応のケーブルを選び直す必要があります。
価格は2万円台後半で、ハイブリッド構成の日本製イヤホンとしては手の届きやすい価格帯です。付属のケーブルとイヤーピースが充実しているので、買ってすぐにスマホでもバランス接続のプレーヤーでも使える点も、価格に対する満足度を上げてくれます。
主な仕様
AV WatchとAmazonの商品ページをもとに、おもな仕様をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年10月17日 |
| 価格 | 27,500円 |
| カラー | Iris Blue、Shallow Clear |
| ドライバー構成 | ハイブリッド(10mmダイナミック+5.8mm RST、片側2ドライバー) |
| ダイナミックドライバー | 新開発の磁性流体ダンパー採用 |
| RSTの振動板 | オーバートーン・ベリリウムアロイ |
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜40kHz |
| 入力感度 | 112dB SPL/mW |
| インピーダンス | 22Ω |
| コネクター | Pentaconn ear |
| ケーブル | 4芯銀コートOFCとOFCのハイブリッド、約120cm |
| プラグ | 3.5mmアンバランス/4.4mmバランス切り替えの2in1マルチプラグ |
| イヤーピース | iKeep01(S/M/L)、iSep02 |
| 生産 | 日本国内で組み立て |
入力感度とインピーダンス
インピーダンス22Ω、入力感度112dB SPL/mWという数値は、スマホにつないだUSB-Cの変換アダプターや、ポータブルプレーヤーでも音量をとりやすい部類です。大きなアンプがなくても鳴らしやすいイヤホンといえます。
従来のMAProシリーズからの変更点
AV Watchの記事で「従来」と比べて説明されている部分を、表にまとめます。
| 部分 | 従来のMAProシリーズ | MAPro2000 |
|---|---|---|
| ダイナミックドライバー | — | 新開発の磁性流体ダンパー採用 |
| RSTの振動板 | OFC基材+セラミックコーティング | オーバートーン・ベリリウムアロイ |
| コネクター | MMCX | Pentaconn ear |
| プラグ | — | 3.5mm/4.4mm切り替えの2in1(ブランド初) |
| イヤーピース | — | 新型iKeep01+iSep02 |
「—」は、記事が従来との比較ではなく、新しい仕様として紹介している部分です。ドライバー、ツイーター、コネクター、ケーブル、イヤーピースと、音の通り道のほぼすべてに手が入っていることがわかります。アユートが「フルモデルチェンジ」と表現しているのも、このためです。
音のしくみ:2つの新技術
残留振動を抑える新ダンパー
ダイナミックドライバーは、電気信号を受けたボイスコイルが振動板を動かして音を出します。ただ、信号が止まっても振動はすぐには止まらず、わずかな揺れが残ることがあります。この残留振動や不要な共振が、次の音と重なって輪郭をあいまいにする原因になります。
MAPro2000では、ボイスコイルが動く磁気回路のすき間に磁性流体を入れました。磁力で保持された流体の粘りが、ボイスコイルに適度な抵抗を与え、不要な揺れを抑えて音が鳴り終わったあとの収束を早めます。ボイスコイルの動きを安定させることで、歪みを抑える効果も狙っています。
アユートは、狙ったのは低音を単に引き締めることではなく、ベースやバスドラムが鳴り始める瞬間と止まる瞬間を明瞭にし、その間のボーカルや楽器の細かな音まで見通せるようにすることだと説明しています。
オーバートーン・ベリリウムアロイの振動板
RST(Reactive Sympathetic Tweeter)は、Maestraudio独自のパッシブ型ツイーターです。ダイナミックドライバーが出した音波を受けて振動板が共振し、高域の響きを生み出します。電気でドライブしない、ユニークなしくみです。
従来のMAProシリーズ用RSTは、OFCを基材にセラミックコーティングを施した振動板でした。ところが、磁性流体ドライバーと組み合わせると、求める高域の伸びや鮮やかさを十分に引き出せなかったといいます。低域から中域の濁りが減ったことで、高域の応答にも新しいバランスが必要になったためです。
そこでRSTの振動板を、剛性とバネ性の高い新素材「オーバートーン・ベリリウムアロイ」に変えました。大きさや厚さ、支え方も含めて調整し、従来とは違う高域の応答で、倍音の鮮やかさと空間の広がりを表現するとしています。

高音を強くしただけ、ってわけじゃないんだね。

アユート自身も「高音を単純に強くするための変更ではない」と言っているよ。ドライバーで余計な響きを抑えて、RSTで必要な響きを足す。この2つを一体で設計したのがMAPro2000の音づくりの核なんだ。
ケーブルと付属品
MMCXからPentaconn earへ
イヤホン側のコネクターは、従来モデルのMMCXからPentaconn earに変わりました。Pentaconn earは、抜き差しのときの機械的な信頼性が安定しているうえ、一般的なMMCXに比べて接点抵抗を1/10以下に抑えられるとされています。コネクターカバーは、右が赤、左が青で、左右を見分けやすい新しいタイプです。
3.5mmと4.4mmを切り替えられるプラグ
ケーブルは、4芯の銀コートOFCとOFCを組み合わせたハイブリッド構成で、長さは約120cmです。プラグにはブランド初の2in1マルチプラグを採用し、3.5mmアンバランスと4.4mmバランスを切り替えられます。スマホ用の変換アダプターと、バランス接続のポータブルプレーヤーの両方で、ケーブルを替えずに使えます。
LSR素材のiKeep01
付属のイヤーピースには、新型の「iKeep01」を採用しました。柔らかい液体シリコン(LSR)で耳の形に沿ってフィットし、イヤホンと耳のすき間から逃げやすい低域をしっかり保ちます。Maestraudioらしいクリアな中高域を損なわず、低域に量感と存在感を与えるイヤーピースです。サイズはS/M/Lです。
モニター用途向けに、標準シリコンの「iSep02」も付属します。低音をしっかり聴きたいときはiKeep01、バランスを重視したいときはiSep02と、2種類を使い分けられます。
装着感と日本製へのこだわり
筐体で耳に固定する形
筐体は、MAProシリーズの装着性を受け継ぎつつ、快適性を高めています。小型軽量のハウジング、耳の穴に沿うノズルの角度、重心バランスを意識した形で、長時間つけても快適さを保つ設計です。
イヤーピースだけで支えるのではなく、筐体の形で耳に固定するので、耳の穴への負担を減らしながらフィットさせられます。遮音性と通気のバランスもよく、聴いているときの疲れを減らすとしています。ケーブルの取り回しや、タッチノイズへの対策にも配慮しています。
すべて日本国内で組み立て
Maestraudioは全製品の日本製にこだわっています。群馬の職人による成形技術を取り入れ、扱いの難しい銀入りハンダを熟練の職人が1点ずつ実装し、組み立てはすべて日本国内で行っています。
使い方別のつなぎ方
付属ケーブルの2in1プラグを生かした、使い方別の例です。接続の組み合わせは、かでくらの提案です。
スマホで聴く
イヤホン端子のないスマホでは、USB-CやLightningの変換アダプター(DAC内蔵のもの)を使い、プラグを3.5mmにしてつなぎます。インピーダンスが22Ωと低めなので、小型の変換アダプターでも音量はとりやすいはずです。通勤や通学で使うなら、筐体で耳に固定する形が、歩いているときのずれにくさにもつながります。
スマホやパソコンにつなぐUSB DACを探している人は、3.5mmと4.4mmの端子を備えたFIIO QX11の口コミ・評判の記事も参考になります。
ポータブルプレーヤーやDACでバランス接続
4.4mmのバランス端子を持つポータブルプレーヤーやUSB DACなら、プラグを4.4mmに切り替えてバランス接続できます。左右の信号を分けて伝える方式で、音の広がりや定位の表現を楽しみたい人に向いています。1本のケーブルで両方に対応できるので、別売りのバランスケーブルを買い足す必要がありません。
有線イヤホンで聴くポータブルプレーヤーを探している人は、SHANLING M0 PuraとM0 Proの違いの記事も参考になります。
楽器の練習やモニター用途
MAProシリーズは、もともと耳に固定するモニターイヤホンの形を持つシリーズです。標準シリコンのiSep02はステレオモニター用として付属しており、自宅での楽器練習や、配信の音声チェックなどにも使えます。ケーブルの取り回しやタッチノイズにも配慮しているので、体を動かしながら使う場面とも相性がよい設計です。
買う前に知っておきたい注意点
リケーブル派はコネクターに注意
MAProシリーズの従来モデルからの買い替えで、MMCXのケーブルを使い回したい人は注意が必要です。MAPro2000はPentaconn earなので、MMCXのケーブルはそのままではつながりません。付属ケーブルは3.5mmと4.4mmを切り替えられるので、まずは付属のまま使ってみるのがおすすめです。
2色の選び方
カラーは、青みのあるIris Blueと、透明感のあるShallow Clearの2色で、価格はどちらも27,500円です。音の違いはなく、見た目の好みで選べます。Amazonでは色ごとに商品ページが分かれていて、Iris Blueの型番はOTA-MAPRO2000-IBです。注文前に、選んだ色の型番になっているかを見ておきましょう。
同じブランドのほかのモデル
Maestraudioには、MAProシリーズとしてMAPro1000 IIや、EDM向けのチューニングを施したMAPro1000 Dropなどのモデルもあります。予算をおさえたい人や、特定のジャンルに寄せた音が欲しい人は、シリーズの中で比べてみるのもよいでしょう。MAPro2000の特徴は、新しいドライバーとRST、Pentaconn earのケーブル、2種類のイヤーピースをまとめて採用した点です。
口コミはこれから
発売日を迎えたばかりで、購入者の口コミはまだほとんどありません。音の好みは人によって大きく違うので、可能なら店頭の試聴機で、iKeep01とiSep02の両方を試してから選ぶと安心です。
ほかの有線イヤホンと比べたい人は、モニター用途で人気のIER-M500のレビューや、OAK NANOとFD7の比較もあわせて読んでみてください。
スマホ選びで迷ったら、公式スペックとコスパで100点満点採点したおすすめスマホランキングも参考にしてください。

MAPro2000のまとめ|装着感はそのままに、音の見通しを上げた日本製イヤホン
Maestraudio MAPro2000は、磁性流体ダンパーを使った10mmダイナミックドライバーと、オーバートーン・ベリリウムアロイのRSTを組み合わせた有線イヤホンです。MAProシリーズの耳に固定する形を受け継ぎ、Pentaconn earのコネクター、3.5mmと4.4mmを切り替えられるプラグ、2種類のイヤーピースまでそろえて27,500円です。MMCXのケーブルを使い回せない点に気をつければ、日本製のハイブリッドイヤホンを手の届く価格で選びたい人に合う1本です。

どんな人なら、試聴せずに選んでも満足しやすい?

MAProシリーズの形が耳に合っていた人だね。装着感のコンセプトは受け継いでいるから、形で失敗しにくい。そのうえで音の見通しをよくしたい人には、ちょうどいい1本だと思うよ。




