SHANLINGの真空管搭載Androidプレーヤー「M7T」に、新しいモデル「M7T Master」が加わりました。国内代理店の株式会社MUSINによると、2026年10月2日に予約受付を始め、10月9日に発売されています。通常税込販売価格は197,010円です。
M7T Masterは、AKMのセパレートDAC構成と2基のJAN6418真空管を組み合わせ、4.4mmバランス出力で最大1020mW(32Ω時)を出せるプレーヤーです。オープンAndroid 13を採用しているので、ストリーミングアプリを入れて使うこともできます。
この記事では、MUSINの発表と仕様表をもとに、M7T Masterで何が変わったのか、真空管とトランジスタの2つのモードをどう使い分けるのか、20万円近い価格に見合うのはどんな人かを整理します。

真空管のプレーヤーって、普通のプレーヤーと何が違うの?

M7T Masterは、真空管を通す「Tube Mode」と、通さない「Transistor Mode」を切り替えられるんだ。1台で2種類の音の表情を選べるのが、いちばんの特徴だよ。
M7T Masterがおすすめな人
先に結論です。M7T Masterは、次のような人に向いています。
- 真空管の音とトランジスタの音を、1台で聴き比べながら楽しみたい人
- 4.4mmバランス接続で、イヤホンだけでなく鳴らしにくいヘッドホンも使いたい人
- ストリーミングアプリとローカルの音源を、同じプレーヤーでまとめて聴きたい人
- M7Tのサウンドが好きで、より磨き込まれたモデルを検討している人
一方で、重さは319.8gあり、ポケットに入れて気軽に持ち歩くタイプではありません。価格も197,010円と高く、スマホとワイヤレスイヤホンで満足している人が最初に選ぶプレーヤーではないでしょう。
かでくらの見立てでは、M7T Masterは「据え置きに近い出力と、真空管ならではの音の変化を、手のひらサイズで楽しみたい人」のためのプレーヤーです。出力の数字だけを比べるより、真空管とトランジスタを切り替えて楽しめるかどうかで選ぶと、満足しやすくなります。
主な仕様
MUSINの発表と、MUSIN楽天市場店の商品ページに載っている仕様をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年10月9日(予約受付は10月2日から) |
| 通常税込販売価格 | 197,010円 |
| DAC | AKM AK4191+AK4498EX×2 |
| 真空管 | JAN6418×2(Tube ModeとTransistor Modeを切り替え) |
| OS | オープンAndroid 13 |
| CPU | Snapdragon 665 |
| メモリー/ストレージ | 6GB LPDDR4X/128GB UFS 2.1+microSDカードスロット |
| ディスプレイ | Sharp製5.0インチ、1080×1920 |
| 対応サンプリングレート | PCM 768kHz/32bit、DSD1024(USB DACはPCM 384kHz/32bit、DSD256) |
| Bluetooth | Ver.5.0、送信LDAC/aptX HD/aptX/SBC/AAC、受信LDAC/SBC |
| Wi-Fi | 2.4GHz/5GHz |
| バッテリー | 7000mAh |
| 連続再生 | シングルエンド14.5時間、バランス12.5時間、Bluetooth送信66時間 |
| 本体サイズ・重さ | 129×77.5×21mm、319.8g |
| 付属品 | USB-A to Cケーブル、スクリーンプロテクター(1枚貼付済み)、クイックスタートガイド |
M7Tから何が変わったのか
MUSINは、M7T Masterを「M7Tが築いたポータブルプレーヤーとしての完成度を土台に、音の厚み、空間の広がり、細部の見通しをさらに磨き上げたリファインモデル」と説明しています。見た目の部品を入れ替えただけのモデルではない、という位置づけです。
電源制御と使用部品の見直し
発表によると、M7T Masterは基本設計を受け継ぎながら、電源制御と使用部品を再検討しています。DACはAK4498EXを2基とAK4191を組み合わせたセパレート構成で、デジタル処理とアナログ変換を分ける考え方はM7Tと共通です。
単結晶銅の内部配線と3段階ゲイン
新たに採用されたのが、単結晶銅の内部配線と、Low・Mid・Highの3段階ゲインです。ゲインを3段階で選べると、感度の高いイヤホンではLowで小さな音量を細かく調整し、鳴らしにくいヘッドホンではHighで余裕を持たせる、といった使い分けがしやすくなります。
保護ケースの互換性
MUSIN楽天市場店の商品ページでは、保護ケースはM7T用の保護ケースと互換性があると案内されています。M7Tからの買い替えでケースを持っている人は、そのまま使える可能性が高いでしょう。

M7Tを持っている人は、買い替えたほうがいいの?

ゲインを細かく選びたい人や、音の厚みが増したと言われる部分に惹かれる人なら検討の価値があるね。M7Tに不満がないなら、急いで替える理由は少ないと思うよ。
真空管モードとトランジスタモードの出力
M7T Masterは、真空管を通すTube Modeと、通さないTransistor Modeを切り替えられます。MUSINの仕様表では、出力の数字もモードごとに分けて載っています。
| 出力(32Ω時) | Low Gain | Mid Gain | High Gain |
|---|---|---|---|
| 4.4mmバランス/トランジスタ | 108mW | 710mW | 1020mW |
| 4.4mmバランス/真空管 | 88mW | 690mW | 990mW |
| 3.5mmシングルエンド/トランジスタ | 27mW | 180mW | 260mW |
| 3.5mmシングルエンド/真空管 | 22mW | 160mW | 220mW |
数字を見ると、真空管モードでも4.4mmのHigh Gainで990mWあり、トランジスタモードとの差は大きくありません。どちらのモードでも、鳴らしにくいヘッドホンを使えるだけの出力が用意されていると考えてよいでしょう。
ノイズや歪みの数字
THD+Nは、4.4mmバランスのトランジスタで0.0005%、真空管で0.003%です。S/N比はトランジスタが127dB、真空管が122dBとされています。真空管モードは数字の上ではわずかに不利ですが、その分、温かみや滑らかな輪郭といった音の表情を楽しむモードという位置づけです。
マイクロフォニックノイズ対策
真空管は、本体の振動を音として拾ってしまう「マイクロフォニックノイズ」が出やすい部品です。MUSINによると、M7T Masterは専用設計の制振構造を採用し、クリーンさを保つ工夫をしています。
Androidプレーヤーとしての使い勝手
アプリの自由度と音の出し方
M7T MasterはオープンAndroid 13を採用しているため、さまざまな音楽再生アプリやストリーミングアプリをインストールできます。SHANLING独自のAGLO(Android Global Lossless Output)は、Android側で一律に行われるサンプリングレート変換を避け、対応アプリの音声を本来のレートでオーディオ回路へ渡す仕組みです。
ストリーミングサービスで聴くことが多い人にとっては、アプリを選べる自由と、音源の情報をできるだけそのまま届ける仕組みの両方がある点が大きな利点です。
ワイヤレスとUSB DAC
Bluetoothは送信と受信の両方に対応しています。送信はLDAC、aptX HD、aptX、SBC、AACで、ワイヤレスヘッドホンにも高音質のコーデックでつなげます。受信はLDACとSBCなので、スマホの音をM7T Masterで受けて、有線のイヤホンで聴く使い方もできます。
Wi-Fiは2.4GHzと5GHzのデュアルバンドです。パソコンとUSBでつなげば、PCM 384kHz/32bit、DSD256までのUSB DACとしても使えます。自宅ではパソコンの音をM7T Master経由でヘッドホンに送り、外ではプレーヤーとして使う、という2通りの使い方ができます。
処理性能の目安
CPUはSnapdragon 665、メモリーは6GBです。音楽アプリを動かすには十分な構成ですが、最新のスマホと比べると処理性能は控えめです。動画やゲームを快適に楽しむ機械ではなく、音楽を聴くための操作に絞って使うと考えておくと、期待とのずれが少なくなります。
使い方別のおすすめ設定
M7T Masterの出力やモードを、よくある使い方に当てはめた例です。仕様はメーカーの情報、組み合わせはかでくらの提案です。
| 使い方 | モード | ゲイン | ポイント |
|---|---|---|---|
| 感度の高いイヤホン(IEM) | 好みで切り替え | Low | 音量を細かく合わせやすく、ノイズも目立ちにくい |
| 一般的なヘッドホン | 好みで切り替え | Mid | 4.4mmで690〜710mWの余裕がある |
| 鳴らしにくいヘッドホン | トランジスタから試す | High | 4.4mmで最大1020mW |
| ワイヤレスヘッドホン | — | — | Bluetooth送信はLDAC対応、連続66時間 |
真空管モードを楽しむコツ
真空管とトランジスタの違いを感じたいなら、同じ曲を同じ音量で切り替えて聴き比べるのがいちばんです。ボーカルやアコースティック楽器の曲から試すと、音の厚みや輪郭の変化に気づきやすいでしょう。
電池の持ちを考える
連続再生はシングルエンドで14.5時間、バランスで12.5時間です。通勤や出張で1日使うなら足りる時間ですが、Highゲインや真空管モードを長く使うと、条件によって持ち時間は変わります。長時間の移動では、モバイルバッテリーを用意しておくと安心です。
充電はUSB Type-Cで行います。付属品はUSB-A to Cケーブルなので、USB-Aの充電器やパソコンのUSB-Aポートとつなぐ形が基本です。USB-Cの充電器しか持っていない場合は、USB-C to Cケーブルを別に用意しておくと困りません。

かでくんなら、最初はどのモードで聴く?

まずはトランジスタモードで、普段のイヤホンの音を確かめるかな。そのあと真空管モードに切り替えると、違いがわかりやすいと思うよ。
買う前に知っておきたい注意点
重さとサイズ
本体は129×77.5×21mm、重さは319.8gです。スマホより重く、厚みもあります。ポケットに入れて持ち歩くより、バッグに入れて移動先で使う、自宅や職場の机で使う、といったスタイルに向いています。
価格と買い替えキャンペーン
通常税込販売価格は197,010円です。MUSINは発売を記念して、2026年10月2日から11月8日まで、e☆イヤホンとフジヤエービックで買取を成約した人を対象に、20,000円OFFの「M7T Master買い替えキャンペーン」を実施しています。手持ちのプレーヤーを手放す予定がある人は、期間と適用条件を各店舗で確かめてから購入を決めるとよいでしょう。
ほかのSHANLING製品との違い
真空管の音を楽しめるSHANLING製品は、ポータブルプレーヤー以外にもあります。かでくらでは、JAN6418真空管を使うCDプレーヤーの比較記事EC Zero T MAXとEC Zero Tの違いや、小型プレーヤーの比較記事SHANLING M0 PuraとM0 Proの比較も公開しています。持ち歩きやすさを優先するなら小型プレーヤー、音の楽しみ方の幅を優先するならM7T Master、という分け方もできます。
口コミはこれから
発売から間もないため、購入者の口コミはまだ少数です。真空管モードの音の印象や、発熱、電池の持ちといった実際の使い心地は、評価が増えてから見直すと安心です。
サウンドバー選びで迷ったら、36製品を公式スペックとコスパで100点満点採点したランキングも参考にしてください。

M7T Masterのまとめ|真空管とトランジスタを切り替えて、音の表情まで楽しむプレーヤー
SHANLING M7T Masterは、AKMのセパレートDAC、2基のJAN6418真空管、最大1020mWのヘッドホンアンプ、オープンAndroid 13を1台にまとめたポータブルプレーヤーです。M7Tの基本設計を受け継ぎながら、電源制御と部品を見直し、単結晶銅の内部配線と3段階ゲインを新たに採用しました。重さと価格は覚悟が必要ですが、イヤホンからヘッドホンまで1台で鳴らし、真空管とトランジスタの音を切り替えて楽しみたい人にとっては、手元に置く価値のあるプレーヤーです。

結局、どんな人なら満足できそう?

ストリーミングもローカル音源も1台で聴きたくて、真空管の音の変化を楽しめる人だね。出力に余裕があるから、ヘッドホンをこれから増やしたい人にも向いているよ。




