モニターを見ながら撮りたいならニコンZ5IIC、ファインダーを覗いて構えたいならZ5IIが候補です。まずは、普段どんな場所で、どんな姿勢で写真を撮りたいかを考えてみましょう。
この記事では、本体とレンズを付けたときの重さを分け、操作性や動画撮影の条件まで比較します。筆者自身が使い比べた感想ではなく、ニコンの報道資料、製品ページの主な仕様、ニコンダイレクトの商品ページをもとに、購入前の確認点をまとめました。
対象は国内向けのボディー単体同士です。Z5IICは2026年10月23日発売予定で、Z5IIは2025年4月25日に発売されています。ニコンの報道資料は、Z5IICを「「ニコンZ5II」(2025年4月発売)と同等の性能を持ちながら、カメラが初めての方でも簡単にこだわりの表現を楽しめるモデル」と紹介しています。Z5IIを一律に置き換える後継機とは捉えず、自分の撮り方に合わせて選ぶもうひとつの選択肢として比べます。
まずは大きさ・画面・記録方法の違いを確認
購入判断に関わる基本仕様をまとめました。数値はどちらもニコンの製品ページ「主な仕様」の公称値です。
| 比較項目 | Z5IIC | Z5II |
|---|---|---|
| 寸法(幅×高さ×奥行き) | 約134.0×80.5×72.0mm | 約134×100.5×72mm |
| 質量(バッテリー・メモリーカード含む) | 約620g | 約700g |
| 質量(本体のみ) | 約538g | 約620g |
| 画像モニター | 3.2型バリアングル・約104万ドット | 3.2型バリアングル・約210万ドット |
| ファインダー | 背面モニターで構図を確認 | 電子ビューファインダー・約369万ドット |
| 記録媒体 | SDメモリーカード(UHS-II対応) | SDメモリーカード・ダブルスロット(バックアップ記録など) |
| 動画の最長記録時間 | 125分 | 125分 |
| ニコンダイレクト販売価格(ボディー) | 238,700円 | 235,000円(258,500円からの値下げ表示) |
Z5IICの主な仕様には、ファインダーの欄がありません。記録媒体の欄も「SDメモリーカード」で、Z5IIの欄にある「ダブルスロット」の項目はありません。製品ページは、Z5IICの特長として「フラットトップデザイン」と大きく見やすい画像モニターを挙げています。
モニターのドット数は画面表示の細かさを示すもので、保存される写真の画素数とは別です。どちらも有効画素数は2450万画素のフルサイズ/FXフォーマットです。写真の解像度や、日差しの下での見やすさまで、モニターの数値だけで判断しないようにしましょう。
Z5IIと共通する基本性能
報道資料によると、Z5IICは裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載し、最大7.5段のボディー内手ブレ補正(画面中央。周辺6.0段。CIPA2024規格準拠、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 望遠端使用時)を備えます。最大約14コマ/秒の高速連続撮影や、最大30コマ/秒の「ハイスピードフレームキャプチャー+」使用時に最大1秒前まで遡って記録できる「プリキャプチャー」にも対応します。
「ニコン Zf」に追加されたフィルムグレイン機能、「N-Log」撮影、H.265 10-bit(MOV)、N-RAWのSDカード記録、「Nikon Imaging Cloud」への対応も挙げられています。防塵・防滴に配慮した設計で、ボディーの一部にマグネシウム合金を採用しています。
つまり、画質や手ブレ補正、連写といった撮影の土台は大きく変わらず、違いは主に構え方(ファインダーの有無)、記録スロット、高さと重さ、初心者向けの機能に表れています。どちらが上位かではなく、どの違いが自分に関係するかで比べましょう。
重さはレンズを付けた状態で考えよう
Z5IICは高さが20mm低く、幅と奥行きは同じです。収納したい向きも考えて比べましょう。報道資料は、上面の凹凸が少ないデザインで、カバンからの取り出しがスムーズになるとしています。外形寸法だけでは、グリップの握り心地までは判断できません。
電池・カード込みの重さに、仮のレンズ重量200gを足すと、820gと900gになります。これは単純計算で、実在レンズの推奨や実測ではありません。ストラップ、フィルター、予備電池、バッグ自体の重さも含めていない目安です。

購入前には、カメラを軽くしたい理由を具体的に考えてみてください。毎日通勤鞄に入れたいのか、旅行中に首から下げて歩きたいのか、手持ちで長く撮りたいのか。困っている場面によって、店頭で試すべきことが変わります。
収納が気になるなら、今使っているバッグの区画を測り、レンズを付けたままどの向きで入れるかを考えます。仕切りを移す余地があるか、財布や飲み物など普段の荷物も収まるかまで見ると、カメラだけを入れた状態より実際の使い方に近づきます。
持ち続ける負担が気になるなら、予定するレンズを付けて両手で構え、ダイヤルやズームを操作してみましょう。本体を片手で持ったときの軽さだけでなく、構え直す頻度や指の届き方も確認したいところです。

少しでも軽くなれば、それだけ持ち歩きやすくなるのかな?

重さと一緒に、バッグから出して撮るまでを試そう。収まっていても、取り出すたびにほかの荷物を動かすなら、その手間も気になるからね。
ほかのメーカーのフルサイズと比べたいなら、EOS R8 Mark IIとEOS R8の違いも参考になります。
ファインダーの有無は、普段の撮影場所に合わせて選ぶ
Z5IIの電子ビューファインダーは、約369万ドット、倍率約0.8倍で、アイセンサーによってファインダー表示と画像モニター表示が自動で切り換わります。Z5IICは、バリアングル式モニターで、見上げる構図から自撮りまで自由なアングルで撮れることや、再生画面でダブルタップやピンチ操作ができることを特長にしています。
店頭では、画面に景色が映ることを確かめるだけで終わらせないようにしましょう。普段メガネをかけているなら、そのまま文字やピント位置の表示を読めるか、画面の四隅まで見渡せるかを確認します。縦に構えたときの操作や、撮影後に画像を拡大する手順も試してみてください。
屋外の散歩や旅行が中心なら、照明の一定した店内だけで決めるのは慎重になりたいところです。店内で見やすくても、晴れた屋外で同じように見えるとは考えないほうが安心です。
構え方の好みも人それぞれです。画面から少し目を離して周囲の様子も見たいのか、目元に寄せて構図に集中したいのか。年齢や経験だけで向き不向きを決める必要はありません。家族と交代で使うなら、一緒に使う人にも触ってもらいましょう。
シーンモードと魚検出は、撮りたいものに合わせて選ぶ
Z5IICは、ニコンのフルサイズミラーレスカメラとして初めて、モードダイヤルに「シーンモード」を搭載しました。撮りたいシーンを選ぶと、ホワイトバランスやピクチャーコントロールなど6種類以上の項目をカメラが設定するモードで、「ポートレート」「ペット」「料理」から「夜景」「トワイライト」まで15種類のシーンに対応します。
ニコンやクリエイターが作った画作りプリセット「イメージングレシピ」を、専用ボタンからすぐ呼び出せるのもZ5IICの特長です。被写体検出には、ニコンで初めて「魚」が加わりました。魚は、被写体検出で「魚」を選んだときだけ検出されます。
撮った写真を見て「もう少し明るくしたい」「背景の写り方を変えたい」と感じたら、その部分をひとつずつ試してみましょう。最初から専門用語を全部覚える必要はありません。スマートフォン用アプリ「SnapBridge」には、撮影設定を体験的に学べるカメラシミュレーション機能と、テーマ別の学習コンテンツ機能も加わります。
水族館に行く場合も、泳ぐ魚を大きく写したいのか、水槽を背景に同行者を撮りたいのかで、注目する点は違います。前者ならどの魚を追って撮りたいか、後者なら人と背景をどんな大きさで入れたいかを思い浮かべてみてください。新機能の名前だけでなく、自分が残したい写真と結び付けて考えましょう。
簡単なモードがあることと、自分で操作する余地がないことは別です。撮影モード「AUTO」ではカメラが被写体やシーンを解析して露出やAFを最適化しますが、慣れてきたら自分で設定を変えて撮ることもできます。
動画は4Kの表記だけでなく、画角と撮影時間で選ぶ
Z5IICは、最大4Kで60p、フルHDで120pの動画撮影に対応します。ただし、[3840×2160 60p]または[3840×2160 50p]に設定した場合、撮像範囲は[DX]に固定されます。机に置いたカメラで顔と手元を一緒に映したいなら、まず必要なものが画面に収まるかを確認しましょう。
録画中はRECランプが点灯し、画面の周囲が赤く縁取られます。見せたいものをカメラの前に近づけるとピントが切り替わる「商品レビューモード」や、4倍・5倍スローモーションにも対応しています。
長時間撮影では、止まる原因を分けて考える
SDカードに入る合計時間、バッテリーの持ち、熱で停止するまでの時間は、それぞれ別に考えましょう。両機を同じ室温・記録設定・給電条件で比べたメーカーの資料はありません。小さいから早く止まる、給電すれば無制限に撮れる、といった判断は避けたいところです。

撮り直せない発表会などを残すなら、必要な連続時間と、途中で録画を区切れる場所を先に書き出しておきます。試し撮りでは、録画ボタンを押すところだけでなく、撮影後にファイルを再生するところまで行い、必要な音が入っているかも確かめましょう。
動画の撮影と再生には、UHSスピードクラス3以上のSDカードがすすめられています。画像サイズが大きい動画やフレームレートが高い動画には、最大250MB/s以上の転送速度を持つカードがすすめられ、N-RAWの記録にはビデオスピードクラス90(V90)のカードが推奨されています。
パソコンでの配信と、本体への記録を分けて準備する
Z5IICは、PCとつなぐだけでWebカメラとして使えるUVC/UACに対応しています。配信で使う予定があるなら、次の項目をまとめて販売店やメーカーに相談すると、確認が具体的になります。
- 接続するパソコンの機種とOS
- 使用する会議ツールや配信ソフト
- 音声をカメラから拾うか、別の機材から入れるか
- 配信と同時に、手元にも録画を残したいか
ケーブルを接続できることと、希望する配信ができることは分けて考えましょう。必要な組み合わせが使えると分かってから、ケーブルや電源などを揃える順番にすると、購入するものを絞れます。
長時間の動画撮影を重視するなら、EOS R6 VとEOS R6 Mark IIIの違いもあわせて読んでみてください。
本体の価格差だけで決めず、撮影に必要な総額を考える
ニコンダイレクトのボディー単体の販売価格は、Z5IICが238,700円、Z5IIが235,000円です。ニコンダイレクトの表示では、Z5IIは258,500円からの値下げ表示になっていて、値下げの期間や条件がZ5IICと同じではないため、この2つの差額を出して比べることはしていません。報道資料での価格はどちらもオープンプライスです。
付属品は、どちらもLi-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15c、ストラップ AN-DC26、アクセサリーシューカバー BS-1、ボディーキャップ BF-N1、USBケーブル(両端がType-C)です。Z5IIには接眼目当てDK-29も付きます。記録媒体はどちらも別売りです。
買い物のメモは、次の4つに分けると整理しやすくなります。
- 今回購入する本体と、撮りたいものに合うレンズ
- 撮影設定に合うSDカードと、充電・給電に必要なもの
- すでに持っていて、そのまま使えると確かめたもの
- 購入直後には必要なく、慣れてから考えられるもの
すでにZ5IIを持っている人は、売価差と、買い替えのための追加支出を分けて考えます。使い続けるなら新しい本体の購入費は発生しません。下取りを使う場合は、広告の最高買取価格ではなく、実際の状態や付属品を査定した金額で計算しましょう。

新しいモデルが出ると、買い替えたほうが得なのかなって迷うね。

今の一台で困っていることが解決するかを先に考えよう。気に入っている撮り方まで手放すことにならないかも、買う前に確かめたいね。
Z5IICがおすすめな人
背面モニターを見ながら撮るスタイルが、自分に合っている人に向いています。
- シーンモードやイメージングレシピで、設定に迷わず撮り始めたい人
- バッグからの出し入れを重視し、高さを抑えたボディーを選びたい人
- Webカメラや商品レビュー動画など、動画にも使いたい人
Amazonで探すなら、ボディーのブラックの商品ページ(Z5IIC)があります。カラーはブラックとシルバーの2色です。
楽天市場では「Z5IIC ボディ」での検索結果(Z5IIC)から、ボディーとレンズキットの違いを確かめて選んでください。
発売予定日と、予約した商品が届く日は同じとは限りません。旅行や行事に間に合わせたい場合は、販売店の配送予定と、受け取った後に試し撮りする時間も確認しましょう。
Z5IIがおすすめな人
- ファインダーを覗いて構図に集中したい人
- SDカード2枚へのバックアップ記録を使いたい人
- すでに使っていて、今の撮影スタイルに満足している人
これから購入する場合も、先に発売されたモデルという理由だけで候補から外す必要はありません。必要な機能が揃い、購入総額にも納得できるかを基準にしましょう。
楽天市場では、Z5IIボディーのJANコード(4960759917157)での検索結果(Z5II)から探せます。新品か中古か、ボディー単体かレンズキットかを出品ごとに確かめてください。
写真の保管は、シャッターを切った後も続きます。撮影日にカードからどこへ移すか、別の場所へ複製を残すか、後で必要な写真を探せるか。Z5IICはSnapBridgeでスマートフォンへの自動転送ができ、Z5IIはカード2枚へのバックアップ記録ができます。記録方法を選ぶときは、帰宅後の管理まで決めておくと、買った後に行う作業が見えてきます。
まとめ:ニコンのフルサイズは、構え方と持ち出す予定から選ぼう
迷ったときは「次に撮りに行く場所」「一緒に持つレンズ」「購入後に試す日」を決めてみてください。使い方が具体的になれば、店頭で確かめることも、予算に含めるものも絞れます。ファインダーとダブルスロットを重視するならZ5II、軽さと簡単な設定、動画の手軽さを重視するならZ5IICが候補になります。
高画素機まで視野に入れるならILCE-7RM6とILCE-7RM5の違いもどうぞ。




