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夕方の公園で撮った写真を家で開くと、背景まで揺れている。別の写真は背景がくっきりしているのに、走る子どもの顔だけが流れている。同じ「ぶれた写真」でも、原因は違います。
新しいEOS R8 Mark IIにはボディー内手ブレ補正が入りました。手に持ったカメラの揺れを抑えられる一方、走る子どもや跳びはねるペットの動きは止められません。暗い場所での手持ち撮影や、IS非搭載レンズを使った動画が多いなら新型。昼間の家族写真と旅行が中心で、軽さを優先するならEOS R8がおすすめです。
もう一つ、購入前に正しておきたい点があります。新型の「最高約40コマ/秒」は魅力的ですが、旧型も電子シャッターで最高約40コマ/秒です。連写速度だけを理由に差額を払う必要はありません。手ぶれ、被写体ぶれ、ピント外れを切り分けて、どの失敗を減らしたいかで選びましょう。
先に写真の失敗を分ける|手ぶれ補正で救える場面は?
| 撮影後に気づく失敗 | 主な原因 | 新型を選ぶ理由になる? |
|---|---|---|
| 風景や建物まで写真全体が揺れている | シャッターを切る間のカメラの揺れ | ボディー内手ブレ補正が役立つ場面 |
| 背景は鮮明なのに、子どもの手足だけ流れる | 被写体の動きに対してシャッター速度が遅い | 手ぶれ補正だけでは直らない |
| 人混みで狙った家族ではなく、手前の人にピントが合う | AFの被写体選択 | 登録人物優先など新型のAFが候補 |
| シャッターを押した瞬間には表情が変わっていた | タイミング | 両機とも高速連写が可能。新型だけの強みではない |
手ぶれ補正の「最大7.5段」を、動く被写体を7.5段ぶん止める性能と読まないでください。キヤノンの説明では、中央最大7.5段は所定の対応レンズと測定条件における静止画撮影時の値です。レンズや焦点距離、持ち方、撮影条件で実際の効き方は変わります。
夕暮れの街並みや室内の静物を手持ちで撮るなら、新型の補正は出番があります。走る子どもを止めたいなら、まずシャッター速度を上げる必要があります。暗い室内でシャッター速度を上げるには、明るいレンズ、照明、ISO感度も合わせて考えましょう。カメラ本体を新しくしても、被写体ぶれの対策は残ります。
EOS R8 Mark IIとEOS R8の違いを一覧で比較
| 項目 | EOS R8 Mark II | EOS R8 |
|---|---|---|
| センサー | フルサイズ、最大約2420万画素 | フルサイズ、最大約2420万画素 |
| ボディー内手ブレ補正 | 5軸。対応条件で静止画の中央最大7.5段 | 非搭載 |
| レンズのIS、動画電子IS | 組み合わせ可能 | レンズのIS、動画電子ISを利用可能 |
| 電子シャッターの最高連写 | 約40コマ/秒 | 約40コマ/秒 |
| 人物の登録・優先追従 | 対応 | 非対応 |
| マルチコントローラー | あり | なし |
| 重さ(電池・カード込み) | 約546g | 約461g |
| バッテリー | LP-E17 | LP-E17 |
| ファインダー撮影枚数の目安(省電力優先) | 約220枚 | 約220枚 |
| モニター撮影枚数の目安(省電力優先) | 約340枚 | 約370枚 |
| 動画 | 6Kオーバーサンプリング4K/60p | 6Kオーバーサンプリング4K/60p |
| キヤノン直販のボディー通常価格 | 275,000円 | 242,000円 |
仕様はキヤノンの新型・旧型の公式ページを基にしています。価格は2026年9月17日確認時の直販表示で、販売店の価格やキャンペーン、在庫状況は変わります。撮影枚数もメーカーの測定条件による目安です。
「軽いフルサイズ」の軽さは旧型が勝つ
手ぶれ補正が入った新型は、バッテリーとカード込みで約546g。旧型の約461gより85g重くなりました。カタログを眺めると小差に見えますが、旅行中に首から下げて歩く、子どもを抱きながら片手で構えるときには、本体とレンズを合わせた重さを感じます。
レンズを付ければどちらもさらに重くなります。購入前に使うレンズを決め、店頭ではレンズを装着した状態で持ってください。手ぶれ補正のために新型を選んでも、重くて持ち出す回数が減るなら、本末転倒です。昼間の撮影が中心で持ち歩きやすさを重視する人には、旧型の461gが今も強みになります。
電池の型番は同じでも、新型の撮影枚数は増えていない
両機ともバッテリーはLP-E17です。省電力優先でファインダー撮影時はともに約220枚。モニター撮影時は新型約340枚、旧型約370枚という公表値です。「新型なら旅行中の電池交換が減る」とは言えません。
予備電池を持っているEOS R8ユーザーにとって、型番が同じなのは買い替えやすい点。ただし長年使った電池の持ちを新品の公称値と比べないようにしましょう。撮影枚数は連写の仕方、動画撮影、気温、画面の使い方で変わります。旅行や運動会で一日撮るなら、どちらを選ぶ場合も予備電池を用意しておくと安心です。
手持ちの夜景・室内・動画では新型の手ぶれ補正が効く
EOS R8 Mark IIはボディー内5軸手ブレ補正を搭載し、対応レンズではレンズ側の光学式手ブレ補正との協調制御もできます。キヤノンの説明によると、レンズ内ISのないRF/EFレンズでも、条件に応じてボディー側で補正します。
旅行先の夕景、室内の静かな展示物、誕生日のテーブルを手持ちで撮るなら、手ぶれで撮り直す機会を減らせる可能性があります。三脚を使えない場所や、軽い単焦点レンズを持って歩く人には、補正機構の追加が実用的です。ただし人物が動けば被写体ぶれは残り、補正段数もすべてのレンズで7.5段になるわけではありません。
旧型でもIS付きレンズなら、補正がゼロではない
EOS R8にボディー内補正はありません。それでも、IS付きレンズを使えばレンズ側の光学式手ブレ補正を利用できます。動画には動画電子ISもあります。旧型を「手持ちでは撮れないカメラ」と考える必要はありません。
すでに持っているレンズがIS付きで、日中の写真に不満がないなら、新型への買い替えで得るものは限られます。反対にISのない単焦点レンズをよく使い、夕方の静止物が手ぶれしているなら、ボディー側で補正できる新型が合います。レンズの型番と「IS」の有無を確認してから差額を判断しましょう。
歩き撮り動画は新型でも万能ではない
両機とも6Kオーバーサンプリングの4K/60p動画を撮れます。新型の公式動画ページは、ボディー内補正に加え、動画電子ISとの併用を案内しています。ISのないレンズで短い手持ち動画を撮る人には、旧型より選びやすい構成です。
ただし、補正を強くかけた動画では画角や映り方が変わる場合があります。子どもを追いかけて歩く映像を、ジンバルで撮ったように必ず滑らかにできるわけではありません。旅行で風景や家族の短い動画を手持ち撮影するなら新型。固定して話す動画が中心で、すでに旧型の映像に満足しているなら、ボディーを替える優先度は下がります。
運動会で差が出るのは40コマ/秒より「誰を追うか」
EOS R8 Mark IIはAFアルゴリズムの一部が改善され、被写体を粘り強く追従するとキヤノンは説明しています。さらに「登録人物優先」で家族の顔を事前に登録でき、複数の人が画面に入っても登録した人物を優先して検出します。運動会や発表会で、別の子へピントが移るのを避けたい人には分かりやすい追加です。
ただし、顔が小さい、横を向く、ほかの人に隠れるなどの条件では精度が落ちます。キヤノンの説明では、実際に検出できるのはカメラ内に登録した最大10人です。家族を登録すれば絶対に撮り逃さない、と期待する機能ではありません。
新型には、ファインダーをのぞいたまま親指でAF位置を動かすマルチコントローラーもあります。自動追従が迷う場面で狙う位置を動かしたい人には、操作の違いが効きます。店頭では自分の指が自然に届くか、レンズを付けて試してみてください。
40コマ/秒は新旧共通。シャッター方式も確認
EOS R8もEOS R8 Mark IIも、電子シャッターで最高約40コマ/秒、電子先幕で最高約6コマ/秒です。旧型の公式仕様にも明記されています。新型の発売告知で40コマ/秒を初搭載のように受け取らないようにしましょう。
電子シャッターでは、被写体の動きや照明条件によって歪みが生じる場合があります。40コマ/秒を押し続ければ写真の選別も増えます。運動会では、連写速度を上げる前にシャッター速度、AFの追従先、望遠レンズの届く範囲を整えるほうが、失敗の原因へ直接対処できます。
価格差は「新品同士」と「中古を含む比較」を分ける
2026年9月17日時点のキヤノン直販の通常価格は、新型ボディー275,000円、旧型ボディー242,000円。表示価格同士の差は33,000円です。ただし新型は10月29日発売予定で、キヤノン直販の予約開始予定は9月18日10時。販売店ごとの価格は発売に向けて変わります。
新型の発売記念キャンペーンでは、対象の新品ボディーに20,000円のキャッシュバックが案内されています。対象購入期間と応募手続きがあり、購入時に無条件で20,000円引かれるわけではありません。旧型にも別のキャンペーンがあるため、「新型だけ実質255,000円」として旧型の定価と比べるのは不公平です。購入日に使える条件を、両方確認してください。
ご案内しているEOS R8の販売ページでは、中古品が中心になる場合があります。中古なら価格だけでなく、シャッターや端子の状態、付属バッテリーの劣化、販売店保証、返品条件を確認しましょう。新品の新型と中古の旧型を単純に差額だけで比べると、保証や消耗の違いを見落とします。
子どもの撮影が主目的なら、差額をボディーではなく望遠レンズや明るいレンズに回す選択もあります。被写体が遠すぎる、室内でシャッター速度が上げられない、といった悩みはボディー内補正だけでは解決しません。ボディーとレンズを一組として予算を組むほうが、撮りたい場面に近づきます。
中古のEOS R6 Mark IIも候補になる?
予算が新型付近まで伸び、手ぶれ補正だけでなく記録の備えも重視するなら、EOS R6 Mark IIを比較対象に入れられます。公式仕様では約670gと重く、SDカードスロットは2基です。旅行で軽く持ち歩く二択とは、目的が変わります。
写真を仕事で納品するなど、カード2枚への記録を重視するならR6系も検討。家族との外出で持ち出しやすさが第一なら、約546gの新型か約461gの旧型から選ぶほうが自然です。中古価格は状態で変わるため、型番だけで「上位機のほうがお得」とは決められません。
EOS R8 Mark IIがおすすめな人
ISのないレンズで夕景や室内の静物を手持ち撮影する人、運動会で自分の子どもを優先して追いたい人にはEOS R8 Mark IIがおすすめです。マルチコントローラーを使ってAF位置を動かす機会が多い人にも合います。旅行中に手持ちの写真と短い動画を両方撮るなら、ボディー内補正の出番が増えます。
約85gの重量増と、LP-E17の撮影枚数が増えていない点は受け入れる必要があります。普段使うレンズでの重さを確かめ、差額とキャンペーンの条件を確認してから選んでください。
EOS R8がおすすめな人
昼間の旅行や家族写真が中心で、軽いフルサイズ機を持ち歩きたいならEOS R8がおすすめです。約461gの本体は新型より85g軽く、フルサイズ約2420万画素と電子シャッター最高約40コマ/秒は共通。IS付きレンズや動画電子ISも使えます。
旧型の中古を選ぶ場合は、安さの理由を販売店の説明で確認してください。使用状況が不明な個体を価格だけで選ばず、保証と返品条件、バッテリーの状態を見てから購入しましょう。レンズへ予算を残したい人にも旧型が合います。
フルサイズでなくてもよく、動画寄りの小型機と写真中心の小型機で迷っているなら、かでくらのEOS R50 VとEOS R50の比較も参考になります。両機はAPS-C機なので、R8系と同じ画角・ボケ方になるわけではありません。
よくある質問
EOS R8 Mark IIの7.5段補正で、走る子どもも止められますか?
いいえ。手ぶれ補正が抑えるのは主に撮影者側の揺れです。走る子どもの被写体ぶれには、十分速いシャッター速度が必要です。暗い場所なら、レンズの明るさや照明も合わせて考えてください。
EOS R8には手ぶれ補正がまったくありませんか?
ボディー内手ブレ補正は非搭載ですが、IS付きレンズの光学式補正と動画電子ISは利用できます。所有するレンズがIS付きかどうかで、新型の利点は変わります。
新型は旧型より連写が速いですか?
公表されている最高速度は、どちらも電子シャッター時で約40コマ/秒です。新型の強みは連写速度そのものより、登録人物優先や操作部の追加、ボディー内補正にあります。
新型を買えば予備バッテリーは不要ですか?
両機ともLP-E17を使い、ファインダー撮影の公称目安は省電力優先で約220枚です。新型になって撮影枚数が大幅に増えたわけではありません。一日撮る予定なら予備を検討してください。
まとめ|手ぶれを減らす新型か、毎日持ち出せる旧型か
EOS R8 Mark IIとEOS R8は、フルサイズ約2420万画素、4K/60p、電子シャッター最高約40コマ/秒を共有します。新型を選ぶ理由は、ボディー内5軸手ブレ補正、登録人物優先、マルチコントローラー。旧型を選ぶ理由は、約85g軽い本体と購入費を抑えられる可能性です。
夕景やISのないレンズでの手持ち撮影、人混みで家族を追う撮影が多いなら新型がおすすめです。昼間の旅行が中心で、IS付きレンズを使い、持ち歩く軽さを優先するなら旧型で十分。購入時は新品・中古の別と保証条件をそろえて価格を比べてください。


