テレビの音をスピーカーから出すだけなら、PM6007でもできます。
光デジタルケーブルでテレビとつなげるからです。それでもMODEL 70へ予算を上げる理由は、音を出せるかどうかではありません。
テレビをつけるたびに、アンプの電源・入力・音量を別々に操作しなくて済む。 HDMI ARCによる連動こそ、新型へ乗り換えるいちばん身近なメリットです。
結論からいうと、テレビ、動画配信、ゲーム、スマホ、レコードを同じスピーカーで毎日楽しむならMODEL 70がおすすめです。
CDとレコードを座って聴く時間が中心なら、価格を抑えやすいPM6007で十分です。
両機は出力差が5Wしかありません。約6万円の価格差はパワー代ではなく、テレビとBluetoothをオーディオの入り口へ加えるための費用と考えましょう。
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テレビを「つなげる」より、毎日「使う」ならMODEL 70
MODEL 70は、テレビのARC対応HDMI端子とHDMIケーブル1本で接続できます。対応テレビとの組み合わせでは、テレビの電源操作に連動してアンプを動かし、テレビのリモコンで音量を変えられます。
映画を見る日だけアンプを使うなら、リモコンが1本増えても我慢できます。朝のニュース、夕方の地上波、夜のドラマまで毎日スピーカーから流す場合、操作が増えると次第にテレビ本体の音へ戻りがちです。
新型が変えるのは音質だけではありません。
- テレビの電源を入れる
- 入力をテレビへ切り替える
- アンプの音量を調整する
- 見終わったらアンプも切る
HDMI連動を使えば、毎回繰り返していた操作を減らせます。高価なスピーカーを特別な音楽鑑賞だけに使わず、普段のテレビでも鳴らしたい人にはMODEL 70がおすすめです。
PM6007も光デジタルならテレビ接続できる
PM6007には、光デジタル入力が2系統、同軸デジタル入力が1系統あります。光デジタル出力を備えたテレビなら、アンプ内蔵DACを使って音を再生できます。
テレビ接続だけを理由に旧型を候補から外す必要はありません。ただし、テレビとアンプの電源・音量操作は基本的に別です。テレビ側の光デジタル出力をPCMへ変更するなど、初期設定が必要になる場合もあります。
「映画を見る週末だけアンプを入れる」なら旧型でも困りにくく、「テレビを見るたびに必ずスピーカーを鳴らす」なら新型の連動が効きます。
MODEL 70とPM6007の違いを比較表で確認
接続性だけでなく、入力数、スピーカー端子、プリアウトにも違いがあります。
| 比較項目 | MODEL 70 | PM6007 |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2026年8月下旬 | 2020年9月 |
| 定格出力(8Ω) | 50W+50W | 45W+45W |
| 定格出力(4Ω) | 65W+65W | 60W+60W |
| HDMI ARC | 1系統 | 非対応 |
| Bluetooth | 送受信対応 | 非対応 |
| Bluetoothコーデック | aptX Adaptive、aptX HD、AAC、SBC | ― |
| 光デジタル入力 | 1系統 | 2系統 |
| 同軸デジタル入力 | 1系統 | 1系統 |
| アナログライン入力 | 3系統 | 5系統 |
| フォノ入力 | MM対応 | MM対応 |
| DAC | ESS Sabre DAC | 32bitステレオDAC |
| デジタルフィルター | 2種類 | 2種類 |
| プリアウト | 2.1ch | サブウーファー出力 |
| スピーカーA/B切り替え | 非対応 | 対応 |
| ネットワーク再生 | 非対応 | 非対応 |
| Wi-Fi・AirPlay 2・HEOS | 非対応 | 非対応 |
| 最大外形寸法 | 幅442×高さ109×奥行375mm | 幅440×高さ105×奥行370mm |
| 重さ | 7.9kg | 7.6kg |
| 消費電力 | 150W | 155W |
新型は接続機能を増やした一方、光デジタルとアナログライン入力は旧型より少なくなりました。古いCDプレーヤー、カセットデッキ、チューナーなどを何台も残したい人は、端子数を数えてから選ぶ必要があります。
出力差5Wより、スピーカーを何組つなぐかで選ぶ
MODEL 70は8Ωで50W+50W、PM6007は45W+45Wです。数字は新型が上ですが、5W差だけで音量や鳴らしやすさが劇的に変わるわけではありません。
一般的なリビングで、能率の低すぎないブックシェルフ型や小型トールボーイを鳴らすなら、どちらも候補になります。スピーカーの推奨アンプ出力やインピーダンスも確認してください。
MODEL 70は1組のスピーカーを中心に組む
MODEL 70のスピーカー端子は1組です。代わりに2.1chプリアウトを備え、アクティブサブウーファーの追加や外部パワーアンプへの発展を考えられます。
テレビ横のスピーカー1組を中心に、低音が足りなくなったらサブウーファーを足す。現代のリビングには合いやすい構成です。
PM6007はスピーカーA/Bを切り替えられる
PM6007はA/Bの2系統を備えます。2組を切り替える、または対応範囲内で同時に鳴らす使い方ができます。
リビングと隣室へ配線済みの家庭や、音の違うスピーカーを使い分けたい人には旧型が便利です。新型だから端子まで上位互換ではありません。
Bluetoothはスマホ再生だけでなく、夜のヘッドホンにも使える
MODEL 70のBluetoothは受信と送信の両方に対応します。
受信では、スマホやタブレットから音楽を飛ばしてスピーカーで再生できます。家族が遊びに来たとき、Wi-Fi設定やアプリ連携をせずに曲を流しやすいのが利点です。
送信では、アンプの音をBluetoothヘッドホンへ飛ばせます。家族が寝たあと、テレビやレコードの音をワイヤレスヘッドホンで聴きたい場面に役立ちます。
Bluetooth対応でもネットワークアンプではない
見落としやすいのは、MODEL 70がWi-Fi、AirPlay 2、HEOSを搭載していない点です。Spotify Connectなどへアンプ単体で接続する機種ではありません。
スマホを再生機として使うか、別売りのネットワークプレーヤーをつなぎます。Bluetoothは手軽ですが、スマホとの距離や通知、バッテリーの影響も受けます。
「スマホを操作せず、アンプだけで音楽配信を再生したい」なら、MODEL 70ではなくHEOS搭載機も比較しましょう。
HDMI端子があってもAVアンプの代わりにはならない
MODEL 70は2チャンネルのプリメインアンプです。HDMI ARCはテレビから音を戻すための1系統で、ゲーム機やレコーダーを何台も挿して映像を切り替えるHDMIセレクターではありません。
ゲーム機やFire TV Stick、レコーダーはテレビへ接続し、音だけをARCでアンプへ送ります。テレビのARC対応端子を1つ使うため、テレビ側の空き端子も確認してください。
5.1chやDolby Atmosのサラウンド再生にも対応しません。映画を左右2本のスピーカーで丁寧に聴きたい人向けで、後方や天井へ音を広げたい人はAVアンプが必要です。
セリフを聞きやすくすることが主目的で、オーディオ用スピーカーやレコードプレーヤーを持っていないなら、プリメインアンプよりサウンドバーのほうが設置しやすい場合もあります。HT-B500とHT-S400の違いも参考にしてください。
音質は「新型だから上」だけでは決められない
MODEL 70は信号経路や電源回路を見直し、大型トロイダルトランス、電子ボリューム、ESS Sabre DACを採用しています。S/N比もCD・LINE入力で110dBとなり、旧型の102dBから向上しました。
PM6007もトロイダルトランス、HDAM-SA2/SA3、192kHz・24bit対応DACを備えた定番機です。長年販売され、音楽中心のシンプルな構成で評価が積み上がっています。
音の好みは、アンプ単体よりスピーカー、部屋、設置、音量にも左右されます。新型は透明感や細部の再現を訴求していますが、価格差だけ音が良くなるとは限りません。
比較するときは、普段使うスピーカーと近い条件で試聴するのが理想です。試聴できない場合は、接続したい機器と操作頻度を先に決めたほうが失敗を避けられます。
約6万円の価格差は「リモコンを減らす回数」で考える
MODEL 70は11万円台、PM6007は5万円台の販売例があり、価格差は約6万円です。実売価格は変動するため、購入時に両方の販売ページを確認してください。
約6万円を出力5Wのために上乗せするなら割高です。毎日のテレビ連動、スマホ再生、Bluetoothヘッドホン送信、外部パワーアンプへの拡張まで使うなら、話は変わります。
1日3回、テレビとアンプを別々に操作すると、1年で1,000回を超えます。10年使えば、HDMI連動が減らす操作は数千回規模です。
新型の価値はスペック表の一度きりの差ではなく、ソファへ座るたびに出ます。
反対に、週末にCDを1枚聴くためだけに電源を入れるなら、HDMIとBluetoothを使う回数は増えません。使わない便利機能へ6万円を足すより、PM6007を選び、差額をスピーカーやカートリッジへ回すのがおすすめです。
アンプ本体以外に必要なものまで含めて予算を比べる
本体価格だけを見ると、PM6007の安さが際立ちます。ただし、欲しい使い方を旧型で補うために周辺機器を増やすと、差額は縮まります。
スマホの音をワイヤレスで流すには、Bluetoothレシーバーやネットワークプレーヤーが必要です。テレビとの操作をまとめたい場合も、光デジタル接続ではHDMI ARCのような連動になりません。
反対に、MODEL 70へネットワーク再生機能まで期待すると、購入後に「Spotify Connectが使えない」と気づきます。Wi-Fiで音楽配信を直接受けたいなら、外部ストリーマーの費用は新型にも必要です。
| 実現したい使い方 | MODEL 70 | PM6007 |
|---|---|---|
| テレビ音声を出す | HDMIケーブル | 光デジタルケーブル |
| テレビと電源・音量を連動 | 対応機器なら可能 | 基本的に不可 |
| スマホからBluetooth再生 | 追加機器なし | Bluetoothレシーバーが必要 |
| Wi-Fiで音楽配信を直接再生 | 外部機器が必要 | 外部機器が必要 |
| Bluetoothヘッドホンへ送信 | 追加機器なし | 送信機が必要 |
「安い旧型へ何を足すか」を書き出すと、本当の価格差が見えます。Bluetooth機器を複数買い足し、入力切り替えや充電管理まで増えるなら、最初からMODEL 70へまとめるほうがすっきりします。
3つの家庭で考えると、おすすめが変わる
テレビ中心のリビングならMODEL 70
平日は地上波や動画配信、休日はレコードを聴く家庭では、テレビがオーディオの中心です。家族も使うため、音質より先に「テレビのリモコンだけで鳴るか」が利用頻度を左右します。
家族がアンプの入力名を覚えなくても使える環境なら、高価なスピーカーが置物になりません。MODEL 70の価格差は、家族全員がオーディオを使えるようにする費用でもあります。
CD・レコード専用室ならPM6007
音楽を聴くときだけ部屋へ入り、プレーヤーとアンプを順番に操作する。そんな聴き方では、HDMI連動の出番がありません。
アナログ入力の多さ、スピーカーA/B、購入価格を重視できるPM6007がおすすめです。余った予算をスピーカースタンド、カートリッジ、設置の調整へ使うと、アンプの世代差より音が変わる場合があります。
夜間の集合住宅ならBluetooth送信の遅れも確認
MODEL 70からBluetoothヘッドホンへ送信できるのは便利ですが、映像と音声の遅れはヘッドホンやコーデック、テレビ側の処理にも左右されます。
音楽を静かに聴く用途なら便利です。人の口元とのずれへ敏感な人や、音の遅れが勝敗へ影響するゲームでは、有線ヘッドホンやテレビ側の低遅延接続も検討しましょう。
買い替え前に確認したい「今の不満」
PM6007をすでに使っている人は、発売年だけで買い替えを決めないでください。次の不満が重なっているならMODEL 70へ替える効果を感じやすくなります。
- テレビを見るたびにアンプの操作が面倒
- Bluetooth受信機や送信機がラック内で増えている
- サブウーファーだけでなく外部パワーアンプも試したい
- 1組のスピーカーへ機器を集約したい
- デジタル入力時の音やノイズ感を見直したい
現在の不満が「スピーカーから低音が出ない」「部屋で音がこもる」なら、アンプ交換だけでは解決しない場合があります。スピーカーの位置、壁との距離、リスニング位置を先に調整しましょう。
買い替え理由がHDMI ARCとBluetoothへ集中しているなら新型、音質への漠然とした期待だけなら店頭試聴を挟むのがおすすめです。
MODEL 70がおすすめな人
アンプをテレビ台へ収める場合は、寸法だけでなく放熱スペースも確認してください。MODEL 70は高さ109mm、PM6007は105mmですが、本体の上面を棚板へ密着させてよいわけではありません。
ゲーム機、レコーダー、アンプを狭い棚へ重ねると、夏場に熱がこもります。機器を直接積み重ねず、取扱説明書で指定された周囲の空間を確保しましょう。HDMI ARCで毎日使うMODEL 70ほど通電時間が長くなりやすいため、扉付きラックでは背面の通気も見ておきたいところです。
テレビ台の内寸は、幅と奥行きに加えて、背面から出るHDMIケーブルやスピーカーケーブルの曲げしろまで測ります。本体が収まっても端子へ無理な力がかかるなら、ラックの見直しが必要です。
店頭で本体だけを見ると忘れやすい部分ですが、毎日使うアンプでは操作性と同じくらい、熱を逃がせる置き場所が長期使用へ影響します。
MODEL 70がおすすめなのは、次のような人です。
- テレビの電源や音量とアンプを連動させたい
- 地デジ、動画配信、ゲームの音も同じスピーカーで聴く
- スマホから手軽にBluetooth再生したい
- 夜はBluetoothヘッドホンへ音を飛ばしたい
- 将来、サブウーファーや外部パワーアンプを追加したい
- CD、レコード、テレビを1台へまとめたい
テレビ横のオーディオを毎日使うなら、MODEL 70がおすすめです。
PM6007がおすすめな人
PM6007がおすすめなのは、次のような人です。
- CDとレコードの再生が中心
- テレビとは光デジタルでつながればよい
- アンプとテレビのリモコンが分かれても困らない
- アナログ機器を4台以上つなぎたい
- 2組のスピーカーをA/Bで使い分けたい
- 本体価格を抑え、スピーカーへ予算を回したい
音楽を聴くときだけアンプへ向き合うなら、PM6007で十分です。
よくある質問
PM6007ではテレビの音を出せませんか?
光デジタルまたは同軸デジタル音声出力を備えたテレビなら接続できます。PM6007は光2系統、同軸1系統のデジタル入力を搭載しています。ただし、HDMI ARCによる電源・音量連動には対応しません。
MODEL 70だけでSpotifyを再生できますか?
MODEL 70はWi-Fi、HEOS、Spotify Connectを搭載していません。スマホからBluetoothで再生するか、外部ネットワークプレーヤーなどを接続します。
HDMI ARCとeARCは同じですか?
同じではありません。MODEL 70はARC対応です。テレビ側もARC対応端子へつなぎ、音が出ない場合はテレビの音声出力をPCMへ設定してください。
レコードプレーヤーはそのまま接続できますか?
両機ともMMカートリッジ対応のフォノ入力を備えます。MCカートリッジを使う場合は、対応するフォノイコライザーや昇圧機器が別途必要です。
4Ωのスピーカーも使えますか?
両機とも4Ω時の定格出力が記載されています。複数のスピーカーを同時に鳴らす場合は条件が変わるため、取扱説明書とスピーカー側の仕様を確認してください。
まとめ|テレビを毎日鳴らすならMODEL 70、音楽だけならPM6007
MODEL 70とPM6007の違いは、出力より接続後の暮らしに表れます。
新型はHDMI ARCと双方向Bluetoothを備え、テレビ、スマホ、レコード、CDを1組のスピーカーへまとめやすくなりました。テレビの電源・音量操作まで日常的に連動させたいなら、MODEL 70がおすすめです。
旧型もテレビの光デジタル接続、MMフォノ入力、192kHz・24bit対応DACを備えています。CDやレコードを中心に聴き、HDMI連動とBluetoothを使わないなら、PM6007で十分です。
約6万円の差を「新しいアンプ代」と考えると迷います。テレビを見るたびにアンプを自然に使える環境代と考え、その環境を毎日使うかで決めましょう。
購入前に両方の価格と在庫を比べ、所有しているプレーヤーの台数、テレビのARC端子、スピーカーの仕様まで確認してください。


