ガーミンのウルトラエンデュランスGPSウォッチに、Enduro 4が加わりました。Enduro 3を使っている人も、これから初めてEnduroを選ぶ人も、まず気になるのは「電池はどれだけ伸びたのか」ではないでしょうか。
結論から言うと、電池の公称値は新旧で同じです。発表記事で見かける「約54日」と、製品ページの「約90日」は、同じ数字を別の書き方で表したものです。この記事では、ガーミン公式の製品ページとプレスリリースをもとに、何が変わって何が変わらないのかを整理し、Enduro 3からの買い替えと新規購入のどちらにも使える判断材料をまとめます。筆者による実機の使用や測定はしていません。

新しいモデルなら、電池もさらに長持ちになったのかと思ってたよ。

数字の書き方が違うだけで、公称値は同じなんだ。変わったのは中身の処理まわりと地図、それからバンドだよ。
Enduro 4とEnduro 3の違いを一覧で比較
まずは公式仕様の主な項目を並べます。国内の商品番号は、Enduro 4が010-04799-03、Enduro 3が010-02751-21です。
| 項目 | Enduro 4 | Enduro 3 |
|---|---|---|
| ケースサイズ | 51×51×15.7mm | 51×51×15.7mm |
| 重量 | 66g(本体のみ57g) | 63g(本体のみ57g) |
| 画面 | 1.4型 半透過MIP 280×280 | 1.4型 半透過MIP 280×280 |
| レンズ/ベゼル | Power Sapphire/チタン | Power Sapphire/チタン |
| 標準バンド | ComfortFit ファブリックバンド(26mm) | UltraFit ナイロンバンド |
| 手首周り(標準バンド) | 145~220mm | 127~225mm |
| 防水 | 10ATM | 10ATM |
| 内蔵メモリ | 64GB | 32GB |
| RAM | 前モデル比50%増 | — |
| スマートウォッチモード(通常/ソーラー時合計) | 約36日/約90日 | 約36日/約90日 |
ケースの大きさ、画面、素材、防水性能は同じです。違いが出るのは、内蔵メモリとRAM、地図の操作、新しいソフトウェア機能、標準バンドと重さです。Enduro 4のサイズ展開は51mmの1種類です。
電池は新旧で同じ|「約54日」と「約90日」の読み方
ガーミンのプレスリリースは、製品仕様の稼働時間を「(通常+ソーラー充電)」という見出しで載せていて、スマートウォッチモードは「スマートウォッチモード:約36日間+約54日*」と書かれています。一方、同じリリースの特徴説明では「スマートウォッチモードで約90日間※のロングバッテリーを実現」とあります。
つまり「約54日」は、ソーラー充電で上乗せされる日数です。通常の約36日に約54日を足すと約90日になり、製品ページの「約90日」はこの合計を示しています。数字が食い違っているのではなく、上乗せ分を書くか、合計を書くかの違いです。

Enduro 3の製品ページも「通常+ソーラー加算」の形で書かれていて、合計するとすべてのモードでEnduro 4と同じ数字になります。主なモードを、合計の形にそろえて並べました。
| モード(Enduro 4の名称) | 通常 | ソーラー充電時の合計 |
|---|---|---|
| スマートウォッチ | 約36日 | 約90日 |
| 低電力ウォッチ | 約92日 | 無制限 |
| アクティビティ 標準 | 約80時間 | 約144時間 |
| アクティビティ 高精度 | 約60時間 | 約90時間 |
| アクティビティ バッテリー延長 | 約120時間 | 約320時間 |
| バッテリー最長 | 約210時間 | 無制限 |
| Expedition | 約77日 | 無制限 |
数字は新旧で共通です。違うのはモードの呼び方で、Enduro 3の「GPS」「マルチGNSS」「マルチGNSSマルチバンド」は、Enduro 4では「パワーモード」の「バッテリー延長」「標準」「高精度」になりました。アクティビティ+音楽は通常約22時間で同じですが、Enduro 4の製品ページにはソーラー時25時間の値も載っています。
ソーラーの値には条件があります。日数のモードは、「50,000ルクスの条件下の屋外にて1日あたり3時間の着用を含む終日着用を想定」したものです。320時間などの数字は、晴れた屋外で長く過ごす前提の値として読みましょう。
パワーモードは、用途に合わせて電池の持ちと記録の精度を切り替える仕組みです。プレスリリースは、短時間のアクティビティで高精度な記録を行う「Max Accuracy」と、ソーラー充電を併用して約320時間の長時間記録ができるモードを紹介しています。レースの長さや日照を考えて、どのモードを使うかを先に決めておくと、数字を自分の使い方に置き換えやすくなります。
GNSSについては、バッテリーの持ちを大きく落とさずに測位精度を上げる、ガーミン独自のSatIQ(衛星自動選択モード)を両機とも備えています。プレスリリースには、選び方によっては稼働時間に影響する旨の注記があります。

じゃあ、電池が理由で買い替える必要はないってこと?

公称値で比べる限りはそうだね。電池以外に欲しい変化があるかどうかで考えよう。
Enduro 4で変わった点|メモリ・地図・新機能
内蔵メモリが64GBに、地図操作も速く
いちばん大きな変化は処理まわりです。プレスリリースは「内蔵ストレージは前モデルの32GBから64GBへ倍増」と説明しています。地図データや音楽をより多く保存できるので、ウォッチ単体で使う場面が広がります。
地図については、「MAPエンジンの強化と前モデルと比較して50%増量したRAMにより、地図のパン操作は最大30%高速化しました」とあります。日本詳細地形図や世界2,200以上のスキーマップに加えて、アジア地域の地図データも新たに内蔵されました。
地図を見ながら走る時間が長い人、海外のレースや旅でも使いたい人には、この変化が効いてきます。逆に、ナビをほとんど使わず、記録が中心の人には差を感じにくい部分です。
なお、海外のレビューでは、ルート計算にかかる時間がEnduro 3より短くなったという試験結果も紹介されています。ただし1回の試験の値なので、メーカーの公称値ではありません。地図の操作感を重視する人は、店頭で実機に触れて、スクロールやズームの反応を自分の手で比べてみるのがいちばん確かです。
Garmin Epicとスタミナ関連の機能
新機能として、「複数日にわたるアクティビティをひとつの記録として管理・共有できる新機能「Garmin Epic」を搭載」しています。健康データやパフォーマンスデータ、写真もまとめて表示でき、旅やレース全体を振り返るのに役立つとされています。
ほかに、プレスリリースでは、スタミナカーブやスタミナゾーンによるスタミナ関連機能のアップデートと、勾配を考慮したペース表示のアップデートが紹介されています。製品ページには、Enduro 3の製品ページにはない機能として、ローリングペース、携行する装備の重量を考慮してパフォーマンスを分析できるパック重量、コースプランナーが新しく載っています。アドベンチャーレース向けのアクティビティは、両機の製品ページに載っています。長いレースや山行の準備から当日の記録まで、ウォッチの中で完結させたい人に向けた強化です。Enduro 3にこれらがソフトウェア更新で届くかどうかは、ガーミンの今後の案内を待つことになります。
標準バンドと重さ
Enduro 4は、標準バンドに「新採用のComfortFit ファブリックバンドを搭載」しました。柔らかくしなやかな装着感と、通気性・吸湿性をうたっています。重さは66gで、Enduro 3の63gより3g重くなっていますが、本体のみの重さはどちらも57gです。
手首の細い人は、標準バンドの対応範囲を見ておきましょう。Enduro 4のComfortFitは145~220mm、Enduro 3のUltraFitは127~225mmで、下限はEnduro 3のほうが小さい数字です。
ナビゲーションと安全まわりの機能
ナビゲーション機能は、Enduro 4のプレスリリースでも詳しく紹介されています。フルカラーマップ上のコースナビゲーションに加え、コースの勾配や距離、標高を残りの距離・上昇高度とあわせて表示する「ClimbPro」、次の分岐地点までの距離やトレイル名を示す「NextFork」、コース逸脱アラートを備えています。
Garminデバイスを持つ仲間同士で、スマートフォンを介さずにルートや位置情報、ワークアウトを共有できる「Garminシェア」や、ウォッチから双方向のメッセージをやり取りできる「Garmin Messenger アプリ」にも対応します。LEDフラッシュライトは、光の強さや赤色光への切り替え、SOSの発信などができます。
トレーニング面では、トレイルランVO2 Max、PacePro、トレーニングレディネス、トレーニングステータスなどの指標と、100種類以上のスポーツアプリを内蔵しています。これらの多くはEnduro 3の製品ページにも載っている機能で、新旧の差というより、Enduroシリーズとしての土台にあたる部分です。
体調管理の面では、Enduro 4のプレスリリースが、心拍数、Body Battery、ストレスレベル、睡眠スコアと睡眠コーチ、高度順応の指標にもなる血中酸素トラッキングなどの計測を挙げています。血中酸素トラッキングは医療目的ではなく、一般的なフィットネスとウェルネスの範囲で使う機能だと注記されています。
変わらない点|本体・画面・センサー
本体まわりは共通点が多く、ケースサイズ51×51×15.7mm、1.4型の半透過MIPディスプレイ、Power Sapphireレンズ、チタンベゼル、繊維強化ポリマーのケース、10ATM防水は同じです。
センサーも、マルチバンドGNSSとSatIQ、第5世代の光学式心拍計、ABCセンサー(高度・気圧・コンパス)、ジャイロ、温度計など、主要な構成は共通です。Garmin PayとSuica、音楽、LEDフラッシュライトも両機にあります。

海外のレビューでも、画面やソーラーの部品、電池の公称値はEnduro 3と同じで、変わったのは処理まわりやソフトウェア、バンドだという見方が出ています。
そもそもEnduroシリーズは、「トレイルランニングやウルトラランなど極限に挑むアスリートや冒険家に向けたウルトラエンデュランスGPSウォッチです」とガーミンは説明しています。Enduro 4も、アメリカ国防総省のミルスペック(MIL-STD-810)に準拠した堅牢さはそのままとされています。毎日のランニングや街なかでの使用が中心なら、もっと小さく軽いモデルが合う場合もあるので、用途の重なりも考えておきましょう。
充電は両機とも独自のケーブルを使います。Enduro 4の付属品は、USB-Cのチャージングケーブル(Type B)です。旅先やレース会場へ持っていく場合は、ケーブルを忘れないようにしましょう。
価格の見方|種類の違う値段は差額にしない
Enduro 4の価格は、ガーミンの発表で138,000円(税込)です。国内では10月15日に予約が始まり、10月22日に発売されます。
Enduro 3は、2024年8月29日に148,000円(税込)で発売されたと報じられています。いまは販売店ごとに値段が下がっている例もあり、価格.comでは125,000円の最安値表示がありました。
ただし、Enduro 4の発表価格と、Enduro 3の発売時価格や実売価格は種類が違う値段です。この記事では差額は出しません。比べるときは、同じ売り場で、送料やポイントの条件をそろえて見てください。

Enduro 3が安く買えるなら、そっちでもいい気がしてきた。

電池と本体が同じだから、その考え方はありだよ。地図の速さやメモリが要るかどうかで決めよう。
Enduro 3から買い替えるべき?判断のポイント
Enduro 3を持っていて電池の持ちに満足しているなら、電池を理由に買い替える意味はありません。公称値はまったく同じだからです。
買い替えを考えてよいのは、次のような不満がはっきりある場合です。
- 地図のスクロールやルート確認がもたつくと感じている
- 32GBでは地図や音楽が入りきらない
- アジアの地図をウォッチに入れて使いたい
- Garmin Epicで複数日の記録をまとめたい
海外のレビューでも、Enduro 3からの買い替えは急がなくてよい、という意見が目立ちます。逆に、Enduro 1やEnduro 2から乗り換える人には、変化を感じやすい組み合わせと言えそうです。
新しく買うならEnduro 4とEnduro 3のどちら?
これから初めてEnduroを買うなら、どちらも電池と本体は同じなので、地図とメモリにいくら出せるかで決めるのがわかりやすい方法です。
地図をよく使う、長く使う予定でメモリに余裕がほしい、新しい機能を早く使いたい、という人はEnduro 4が向いています。記録と電池の持ちが中心で、値段を抑えたい人は、販売店でEnduro 3の条件を見てみる価値があります。
ほかの選択肢と比べたい人は、同じガーミンのfēnix 9とfēnix 8の比較やForerunner 970と965の比較も参考になります。他社のロングバッテリー機なら、COROS PACE 4 ProとPACE 4の比較やSuunto Run 2とSuunto Runの比較もあわせて読んでみてください。
買う前のチェックリスト
- ナビをどれくらい使うか(地図のスクロールやルート確認の頻度)
- 地図や音楽をどれだけウォッチに入れたいか(32GBで足りているか)
- 海外、とくにアジアで使う予定があるか
- 手首周りが標準バンドの範囲(Enduro 4は145~220mm)に収まるか
- 同じ売り場・同じ条件で、支払総額を見比べたか
このうち最初の3つに当てはまらないなら、Enduro 3でも使い勝手は大きく変わらないはずです。反対に、地図とメモリに関する項目が多く当てはまるなら、Enduro 4を選ぶ理由がはっきりします。
まとめ:Enduro 4とEnduro 3は「電池以外」で選ぶ
- 電池の公称値は新旧で同じ。「約54日」はソーラーの上乗せ分、「約90日」は合計
- Enduro 4は内蔵メモリ64GB、RAM50%増、地図のパン操作が最大30%高速
- Garmin Epic、スタミナ関連機能、アジア地図などのソフトウェア面も強化
- 本体サイズ、画面、防水、主要センサーは共通
Enduro 3を持っている人は、地図とメモリへの不満があるかどうかで判断しましょう。新しく買う人は、地図をどれだけ使うかと、予算のバランスで選ぶと迷いにくくなります。どちらを選んでも、長い時間を外で過ごす相棒になる一台です。
楽天市場では、商品番号での検索結果からEnduro 4(010-04799-03)とEnduro 3(010-02751-21)を探せます。




