興和オプトロニクスから、双眼鏡の新しいシリーズ「BDⅢシリーズ」が2026年8月21日に発売されました。この記事では、BDⅡシリーズとの違いを、興和オプトロニクスの発表とスペック一覧をもとに比べます。
比較の中心は、BDⅢ32-6.5XDとBDⅢ42-8XDの2機種です。BDⅢシリーズの全7機種とBDⅡシリーズの5機種の仕様は、後半の表にまとめています。
興和オプトロニクスは、BDⅢシリーズについて「BDⅢシリーズは、BDシリーズの特長であるXDレンズ搭載による高い光学性能と広視界設計を継承した最新モデルです。」と発表しています。

BDⅢとBDⅡで、見え方の数値は同じなの?

倍率、実視界、ひとみ径、明るさは、同じ口径と倍率どうしで同じ値なんだ。違うのは重さと大きさだよ。50mmのモデルはBDⅢで新しく加わったんだ。
結論:光学の値は同じで、BDⅢは15~35g軽い。50mmが追加。32-10XDの最短合焦距離はBDⅢが1.8m
先に結論を書きます。BDⅢとBDⅡを、同じ口径と倍率どうしで比べると、倍率、実視界、1,000m先の視野、ひとみ径、明るさの値は同じです。
BDⅢとBDⅡで値が違うのは、重さとサイズです。重量は、32-6.5XDがBDⅢ 520g、BDⅡ 535g、42-8XDがBDⅢ 605g、BDⅡ 640gです。同じ口径と倍率どうしでは、BDⅢのほうが15gから35g軽い値です。
BDⅢシリーズには、50mm口径の50-10XDと50-12XDが新しく加わりました。全7機種です。
32-10XDの最短合焦距離は、BDⅢ32-10XDが1.8m、BDⅡ32-10XDが1.3mです。


同じ見え方で軽いなら、BDⅢのほうがいいってこと?

重さのほかにも、モデルごとに違う数字があるんだ。順に見ていこう。
BDⅢの特長と、BDⅡから引き継いだところ
BDⅢの発表にある特長
興和オプトロニクスの発表では、BDⅢシリーズの特長を次のように説明しています。
見口について、発表では「ツイストアップ部は耐久性を高め、見口部分はシリコン製を採用。目元のフィット感を改善し、使用時の快適性を向上」と説明しています。
50mmモデルについては、「新たに50mm口径モデルをラインアップ。特に早朝や夕方、森林内など光量の少ない環境でも明るく鮮明な視界を実現」としています。
BDⅢでも引き継いだところ
光学の基本的なつくりは、BDシリーズから引き継いでいます。発表に書かれている共通の特長は次のとおりです。
- 対物レンズにXDレンズ(eXtra low Dispersion)を搭載
- 広視界設計
- ボディ素材にマグネシウム合金
- レンズとプリズムにフルマルチコーティング
- ダハプリズム面にフェーズコーティング
- プリズムの反射率を高める「C 3 コーティング」
- 対物レンズと接眼レンズの外面にKRコーティング
- 窒素ガス充填による完全防水構造(水中での使用は不可)
XDレンズについて、発表では「対物レンズに特殊低分散性を持つXDレンズ(eXtra low Dispersion )を搭載し、見え味を左右させる色収差を極限まで除去」と説明しています。
KRコーティングについて、製品ページは「水や油をはじき汚れにくいコーティングのため、メンテナンス性も大変優れております。」と紹介しています。
コーティングとプリズム
C 3 コーティングについて、製品ページは「ダハ型双眼鏡で唯一全反射が得られないぺシャンプリズムの一面に、誘電体多層膜の高反射率コーティング(C 3 コーティング)を施すことで、従来のアルミ増反射コーティングや銀メッキと比べて非常に高い反射率を可能とし、可視光線の全域(400~700nm)で99%以上の反射率を実現。」と説明しています。
プリズムの硝材については、「Bak4を採用することにより最周辺まで明るく・クリアーな像をご提供します。」とあります。
広視界設計とマグネシウム合金
視界について、製品ページは「クラストップレベルの広視界設計。」と紹介しています。ボディについては、「持ち運びしやすく様々な環境下にも耐えられる設計です。」と説明しています。
近くを見るときの説明
最短合焦距離の説明のあとに、製品ページは「特に自然観察において、足元の草花や昆虫などを細部まで鮮明に観察することが可能です。」と書いています。
口径・倍率ごとの比較
32-6.5XDの比較:BDⅢ32-6.5XDとBDⅡ32-6.5XD
倍率6.5倍、対物レンズ有効径32mmのモデルです。2機種の仕様を比べます。
| 項目 | BDⅢ32-6.5XD | BDⅡ32-6.5XD |
|---|---|---|
| 倍率 | 6.5倍 | 6.5倍 |
| 対物レンズ有効径 | 32mm | 32mm |
| 実視界 | 10.0° | 10.0° |
| 1,000m先の視野 | 175m | 175m |
| ひとみ径 | 4.9mm | 4.9mm |
| 明るさ | 24.0 | 24.0 |
| アイレリーフ | 17.0mm | 17mm |
| 最短合焦距離 | 1.3m | 1.3m |
| 目幅調整範囲 | 57~76mm | 57~76mm |
| サイズ(全長×全幅×全高) | 114×124×50mm | 116×124×51mm |
| 重量 | 520g | 535g |
光学の値はすべて同じです。サイズと重さは、BDⅢ32-6.5XDが114×124×50mmで520g、BDⅡ32-6.5XDが116×124×51mmで535gです。
32-6.5XDは、シリーズでいちばん実視界が広い10.0°のモデルです。1,000m先の視野は175mです。最短合焦距離は、BDⅢもBDⅡも1.3mです。
42-8XDの比較:BDⅢ42-8XDとBDⅡ42-8XD
倍率8倍、対物レンズ有効径42mmのモデルです。
| 項目 | BDⅢ42-8XD | BDⅡ42-8XD |
|---|---|---|
| 倍率 | 8倍 | 8倍 |
| 対物レンズ有効径 | 42mm | 42mm |
| 実視界 | 8.2° | 8.2° |
| 1,000m先の視野 | 143m | 143m |
| ひとみ径 | 5.3mm | 5.3mm |
| 明るさ | 28.1 | 28.1 |
| アイレリーフ | 17.0mm | 17mm |
| 最短合焦距離 | 1.8m | 1.8m |
| 目幅調整範囲 | 57~76mm | 57~76mm |
| サイズ(全長×全幅×全高) | 137×129×51mm | 139×128×52.5mm |
| 重量 | 605g | 640g |
こちらも、光学の値は同じです。サイズと重さは、BDⅢ42-8XDが137×129×51mmで605g、BDⅡ42-8XDが139×128×52.5mmで640gです。重さの差は35gで、32-6.5XDの15gより大きい差です。
42-8XDのひとみ径5.3mm、明るさ28.1は、BDⅢの7機種の中でいちばん大きい値です。
32-10XDの最短合焦距離:BDⅢは1.8m、BDⅡは1.3m
BDⅢ32-10XDとBDⅡ32-10XDでは、最短合焦距離の値が違います。
| 項目 | BDⅢ32-10XD | BDⅡ32-10XD |
|---|---|---|
| 最短合焦距離 | 1.8m | 1.3m |
| アイレリーフ | 15.5mm | 15mm |
| 重量 | 505g | 525g |
| サイズ(全長×全幅×全高) | 114×124×50mm | 116×124×51mm |

製品ページでは、「BDIII32-6.5XD、BDIII32-8XDは1.3mから、BDIII42シリーズ/BD25シリーズ/BDIII32-10XDは1.8mから、BDIII50シリーズは3.0mからピントが合います。」と説明しています。
最短合焦距離は、BDⅢ32-10XDが1.8m、BDⅡ32-10XDが1.3mです。差は0.5mです。同じ32mmのBDⅢ32-6.5XDとBDⅢ32-8XDは、BDⅡと同じ1.3mです。
アイレリーフは、BDⅢ32-10XDが15.5mm、BDⅡ32-10XDが15mmです。
32-8XDと42-10XDの比較
中心の2機種以外も、文章で比べておきます。
32-8XDは、倍率8倍、対物レンズ有効径32mmのモデルです。実視界8.8°、1,000m先の視野154m、ひとみ径4.0mm、明るさ16.0、アイレリーフ16.5mm、最短合焦距離1.3mは、BDⅢとBDⅡで同じです。重さとサイズは、BDⅢが525gで114×124×50mm、BDⅡが540gで116×124×51mmです。
42-10XDは、倍率10倍、対物レンズ有効径42mmのモデルです。実視界7.2°、1,000m先の視野126m、ひとみ径4.2mm、明るさ17.6、アイレリーフ16.5mm、最短合焦距離1.8mは、BDⅢとBDⅡで同じです。重さとサイズは、BDⅢが610gで137×129×51mm、BDⅡが645gで139×128×52.5mmです。
32mmの3機種は、BDⅢとBDⅡのそれぞれで同じ大きさのボディで、42mmの2機種も同じ大きさのボディです。BDⅢでは、32mmのボディが114×124×50mm、42mmのボディが137×129×51mmです。
全機種の仕様と、50mmの2機種
全7機種の仕様(BDⅢシリーズ)
興和オプトロニクスの発表にある、BDⅢシリーズの全7機種の仕様です。
| モデル | 倍率 | 有効径 | 実視界 | 1,000m先の視野 | ひとみ径 | 明るさ | アイレリーフ | 最短合焦距離 | サイズ | 重量 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BDⅢ32-6.5XD | 6.5倍 | 32mm | 10.0° | 175m | 4.9mm | 24.0 | 17.0mm | 1.3m | 114×124×50mm | 520g |
| BDⅢ32-8XD | 8倍 | 32mm | 8.8° | 154m | 4.0mm | 16.0 | 16.5mm | 1.3m | 114×124×50mm | 525g |
| BDⅢ32-10XD | 10倍 | 32mm | 6.7° | 117m | 3.2mm | 10.2 | 15.5mm | 1.8m | 114×124×50mm | 505g |
| BDⅢ42-8XD | 8倍 | 42mm | 8.2° | 143m | 5.3mm | 28.1 | 17.0mm | 1.8m | 137×129×51mm | 605g |
| BDⅢ42-10XD | 10倍 | 42mm | 7.2° | 126m | 4.2mm | 17.6 | 16.5mm | 1.8m | 137×129×51mm | 610g |
| BDⅢ50-10XD | 10倍 | 50mm | 6.6° | 115m | 5.0mm | 25.0 | 17.0mm | 3.0m | 160×134×57mm | 725g |
| BDⅢ50-12XD | 12倍 | 50mm | 5.8° | 101m | 4.2mm | 17.6 | 17.5mm | 3.0m | 160×134×57mm | 730g |
BDⅡシリーズの5機種
BDⅡシリーズの仕様は、興和オプトロニクスの双眼鏡スペック一覧に掲載されていた値です。
| モデル | 倍率 | 有効径 | 実視界 | ひとみ径 | 明るさ | アイレリーフ | 最短合焦距離 | サイズ | 重量 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BDⅡ32-6.5XD | 6.5倍 | 32mm | 10.0° | 4.9mm | 24.0 | 17mm | 1.3m | 116×124×51mm | 535g |
| BDⅡ32-8XD | 8倍 | 32mm | 8.8° | 4.0mm | 16.0 | 16.5mm | 1.3m | 116×124×51mm | 540g |
| BDⅡ32-10XD | 10倍 | 32mm | 6.7° | 3.2mm | 10.2 | 15mm | 1.3m | 116×124×51mm | 525g |
| BDⅡ42-8XD | 8倍 | 42mm | 8.2° | 5.3mm | 28.1 | 17mm | 1.8m | 139×128×52.5mm | 640g |
| BDⅡ42-10XD | 10倍 | 42mm | 7.2° | 4.2mm | 17.6 | 16.5mm | 1.8m | 139×128×52.5mm | 645g |
重さの比較
同じ口径と倍率どうしで、重さを並べます。32-6.5XDはBDⅢ 520g・BDⅡ 535g(差15g)、32-8XDはBDⅢ 525g・BDⅡ 540g(差15g)、32-10XDはBDⅢ 505g・BDⅡ 525g(差20g)、42-8XDはBDⅢ 605g・BDⅡ 640g(差35g)、42-10XDはBDⅢ 610g・BDⅡ 645g(差35g)です。
50mmの2機種はBDⅢで新しく追加
BDⅢ50-10XDとBDⅢ50-12XDは、BDⅡシリーズにはなかった50mm口径のモデルです。
50-10XDは倍率10倍、実視界6.6°、ひとみ径5.0mm、明るさ25.0です。50-12XDは倍率12倍、実視界5.8°、ひとみ径4.2mm、明るさ17.6で、BDⅢシリーズでいちばん高い倍率です。どちらも最短合焦距離は3.0m、重量は725gと730gです。
価格とアクセサリー、見ておきたい数字
価格
BDⅢシリーズの希望小売価格は、7機種ともオープン価格です。
BDⅡシリーズは、興和オプトロニクスの製品ページで「生産終了」と表示されています。製品ページにある希望小売価格(税込)は、BDⅡ32-6.5XDとBDⅡ32-8XDが53,240円、BDⅡ32-10XDが56,320円、BDⅡ42-8XDが60,500円、BDⅡ42-10XDが62,920円です。
アクセサリー
三脚への取り付けについて、製品ページは「三脚に取り付ける事で体への負担を減らし、長時間でも楽に観察できます。」と説明しています。BD25シリーズには取り付けできないと注記しています。
スマートフォンと組み合わせるフォトアダプターも紹介されています。
選ぶときに見ておきたい数字
- 同じ口径と倍率なら、倍率、実視界、ひとみ径、明るさはBDⅢとBDⅡで同じ
- 重さはBDⅢのほうが15~35g軽い
- 32-6.5XDと32-8XDの最短合焦距離は、BDⅢもBDⅡも1.3m
- 50mm口径のモデルはBDⅢだけ
- BDⅡシリーズは生産終了
よくある質問
BDⅢとBDⅡで見え方の数値は違いますか?
同じ口径と倍率どうしでは、倍率、実視界、1,000m先の視野、ひとみ径、明るさは同じ値です。アイレリーフは、32-10XDだけ値が違い、BDⅢが15.5mm、BDⅡが15mmです。
BDⅢ32-6.5XDとBDⅡ32-6.5XDの違いは何ですか?
光学の値は同じで、サイズと重さが違います。BDⅢ32-6.5XDは114×124×50mmで520g、BDⅡ32-6.5XDは116×124×51mmで535gです。
BDⅢ42-8XDとBDⅡ42-8XDの違いは何ですか?
光学の値は同じで、BDⅢ42-8XDは137×129×51mmで605g、BDⅡ42-8XDは139×128×52.5mmで640gです。差は35gです。
最短合焦距離の値が違うモデルはありますか?
32-10XDです。BDⅢ32-10XDは1.8m、BDⅡ32-10XDは1.3mです。
BDⅡはまだ買えますか?
興和オプトロニクスの製品ページでは、BDⅡシリーズは「生産終了」と表示されています。
防水ですか?
窒素ガス充填による完全防水構造です。水中での使用はできません。
目幅はどのくらいまで合わせられますか?
BDⅢの7機種とBDⅡの5機種は、どれも57~76mmです。
BDⅢのラインアップの数は?
全7機種です。32mmが6.5倍、8倍、10倍の3機種、42mmが8倍、10倍の2機種、50mmが10倍、12倍の2機種です。
発売日はいつですか?
BDⅢシリーズの7機種は、2026年8月21日に発売されました。
BDⅢの希望小売価格はいくらですか?
7機種ともオープン価格です。
レンズの汚れは拭き取りやすいですか?
対物レンズと接眼レンズの外面に、撥水・撥油性能のあるKRコーティングを採用しています。製品ページは、付着したレンズの汚れも簡単に拭き取れると説明しています。
BDⅢとBDⅡのまとめ|軽さと50mmで選ぶなら
BDⅢシリーズは、BDⅡシリーズと同じ口径と倍率どうしで、倍率、実視界、ひとみ径、明るさの値が同じです。重さはBDⅢのほうが15~35g軽く、全長と全高もBDⅢのほうが少し短い値です。見口部分は、シリコン製を採用したと発表しています。50mm口径の2機種が新しく加わり、全7機種です。
中心に比べた2機種の重さは、32-6.5XDがBDⅢ 520g・BDⅡ 535g、42-8XDがBDⅢ 605g・BDⅡ 640gです。




