PFUの業務用イメージスキャナー「fiシリーズ」から、A3対応のフラットベッド付きモデル「RICOH fi-8700S」が登場しました。PFUのプレスリリースによると、販売開始は2026年10月6日、出荷開始は10月14日です。
プレスリリースは、fi-8700Sを含むfi-8700シリーズを「10年にわたり多くのお客様に支持されてきたロングセラーモデル「fi-7700シリーズ」の後継機です。」と紹介しています。
この記事では、fi-8700Sと、同じA3のADF片面&フラットベッド付きモデルfi-7700Sを、PFUの仕様表とプレスリリースをもとに比べます。

fi-8700Sとfi-7700S、どこが違うの?

先に言うと、違いは多くないんだ。読取速度も、原稿を載せられる枚数も、大きさも、本体価格も同じだよ。違うのは、有線LAN、USBの規格、操作パネル、それにマルチクロップとタイマースキャンの機能だね。
結論:速度・大きさ・価格は同じで、違いはLANと操作パネルと2つの機能
fi-8700Sとfi-7700Sは、どちらもADF(自動給紙)片面とフラットベッドを備えたA3対応のモデルです。仕様表では、ADFの読取速度、原稿搭載容量、外形寸法、質量、消費電力、本体価格が同じです。
違いは次の4つです。
- 有線LAN:fi-8700Sは10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-Tに対応。fi-7700Sの仕様表に有線LANの欄はなし
- USB:fi-8700SはUSB3.2 Gen1x1、fi-7700SはUSB 3.1 Gen1
- 操作パネル:fi-8700SはカラーLCDを搭載
- 機能:fi-8700Sは「マルチクロップ」と「タイマースキャン」を搭載
USBで1台のPCにつないで使う職場では、有線LANの違いは使い方に関係しません。1台を複数のPCで使いたい職場や、フラットベッドで小さな原稿をまとめて読み取りたい職場では、fi-8700Sの違いが役に立ちます。
fiシリーズでの位置づけ
プレスリリースは、発売の背景について「近年、人手不足の深刻化を背景に、企業や自治体ではAIを活用した業務効率化・自動化の重要性が一層高まっています。」と書いています。
続けて、「こうした課題の背景には、医療機関や金融機関、自治体、BPOなどの業務現場で、申請書や契約書、請求書などの様々な紙文書が、依然として多く扱われていることがあります。」とあります。
同じ日に、ADF両面とフラットベッドを備えたfi-8700、ADF両面モデルのfi-8600、A4対応のSP-2240も販売開始されています。この記事では、そのうちfi-8700Sと、同じADF片面&フラットベッドのfi-7700Sを比べます。
PFUの「発表済み製品の後継製品」のページでは、fi-7700S(RICOHブランド製品)の欄にfi-8700Sが載っています。同じページでは、FUJITSUブランドのfi-7700Sの販売終了日が2024年8月31日です。
PFUは、fi-8700シリーズとSP-2240について「PFUは、こうした異なるニーズに応えるため、高機能・高生産性を追求したfi-8700シリーズと、高い実用性と導入しやすい価格を両立したSP-2240を同時に投入し、現場ごとの実情に即した紙文書の電子化を支援します。」と書いています。
仕様の比較

| 項目 | fi-8700S | fi-7700S |
|---|---|---|
| 本体価格 | 341,000円(税込) | 341,000円(税込) |
| ADF読取速度(A4横) | 片面75枚/分(200/300dpi) | 片面75枚/分(200/300dpi) |
| ADF読取速度(A4縦) | 片面58枚/分(200/300dpi) | 片面58枚/分(200/300dpi) |
| フラットベッド(A4横) | 片面0.6秒/枚(200/300dpi) | 片面0.6秒/枚(200/300dpi) |
| 原稿搭載容量 | 300枚(A4)、100枚(A3) | 300枚(A4)、100枚(A3) |
| 1日当たりの読取目安 | 〜33,000枚 | 〜33,000枚 |
| イメージセンサー | カラーCCD×2 | カラーCCD×2 |
| 光源 | 白色LED×4 | 白色LED×4 |
| 光学解像度 | 600dpi | 600dpi |
| USB | USB3.2 Gen1x1(タイプB) | USB 3.1 Gen1(タイプB) |
| 有線LAN | 10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T(RJ-45) | 仕様表に欄なし |
| 消費電力 | 55W以下(スリープ時1.7W以下) | 55W以下(スリープ時1.7W以下) |
| 外形寸法(幅×奥行き×高さ) | 706×500×345mm | 706×500×345mm |
| 質量 | 35kg | 35kg |
仕様表の値は、PFUのfi-8700/fi-8700Sの仕様詳細と、fi-7700/fi-7700Sの仕様詳細のページによります。
fi-8700Sとfi-7700Sの4つの違い
違い1:有線LAN
プレスリリースは、有線LANについて「PCの設置場所にとらわれず、離れた場所からの操作や1台のスキャナーを複数台のPCで共有するなど、柔軟な運用を実現しました。」と書いています。
fi-8700Sの仕様表では、有線LANは10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-Tで、コネクタはRJ-45です。fi-7700Sの仕様表のインターフェイスはUSBだけです。
注意点として、fi-8700Sの仕様表の注記には「長尺帳票分割読み取りは、USB接続だけ対応。」とあります。

LANでつなげば、1台のスキャナーを部署のみんなで使えるんだね。

プレスリリースでは、1台のスキャナーを複数台のPCで共有できると書かれているよ。ドライバ・ソフトウェアの欄には、fi-8700SだけにNetwork Setup Tool for fi Seriesが入っているんだ。
違い2:USBの規格
USBのコネクタは、どちらもタイプBです。仕様表の書き方は、fi-8700SがUSB3.2 Gen1x1/USB3.0/USB2.0/USB1.1、fi-7700SがUSB 3.1 Gen1 / USB 3.0 / USB 2.0 / USB 1.1です。
違い3:カラーLCDの操作パネル
操作パネルについて、プレスリリースは「スキャン操作やエラー表示の確認をよりスムーズに行えます。」と書いています。fi-8700Sの操作パネルはカラーLCDです。
違い4:fi-8700Sの2つの機能
マルチクロップ
マルチクロップについては、「フラットベッドのガラス面に並べた複数の原稿を同時に読み取り、自動で個別データとして切り出せる「マルチクロップ」機能」と書かれています。fi-8700Sの機能です。
使う場面としては、「医療現場での検査機器から出力される小型原稿や、BPO現場における一部が糊付けされた原稿など、ADFでの搬送が難しいサイズや形状の原稿をまとめて電子化できるため、原稿の仕分けやセット作業の負担を軽減します。」と紹介されています。
プレスリリースの注記では、マルチクロップを使うときは、カバーを開けておくか、黒あてのオプションが必要とされています。
タイマースキャン
タイマースキャンについては、「あらかじめ設定した時間間隔で連続スキャンができる「タイマースキャン」機能」とあります。fi-8700Sの機能です。
使う場面については、「契約書のような冊子状の原稿やステープル留めされた原稿を複数ページにわたり読み取る際に、カバーを開閉したりスキャンボタンを押したりする必要がなくなり、作業時間の短縮とオペレーション負荷の軽減に貢献します。」と書かれています。
プレスリリースでは、「カバーを開けたまま原稿をスキャンできる「カバーオープンクロップ」機能」も紹介されています。

冊子の原稿を、ページをめくって置くだけで続けて読み取れるってこと?

プレスリリースの見出しでは「めくって、置くだけ」と書かれているよ。決めた時間の間隔でスキャンが続くから、ボタンを押す手間がなくなるんだ。
同じところ
読取速度と原稿の量
ADFの読取速度は、どちらもA4横で片面75枚/分、A4縦で片面58枚/分です(200/300dpi)。フラットベッドは、A4横で片面0.6秒/枚、A4縦で片面0.9秒/枚です。
原稿搭載容量は、どちらもA4で300枚、A3で100枚で、継ぎ足しができます。1日当たりの読取目安は、どちらも〜33,000枚です。
1日当たりの読取目安について、仕様表の注記には「数値は目安であり、当社想定の使用時間や読取速度から算出したものです。」と書かれています。
fi-8700シリーズの製品ページのアイコンでは、手差し・単送モード、原稿保護機能、斜行補正機構、左右独立可動サイドガイドへの対応が示されています。両面スキャンはfi-8700だけの対応です。
読み取れる原稿
ADFの読取範囲は、どちらも最大304.8mm×431.8mm(12×17in.)です。長尺読み取りは5,588mm、長尺帳票分割読み取りは200mまでです。フラットベッドは最大304.8mm×457.2mmです。
カードは、どちらもADFで厚さ1.4mm以下のカードを縦送りで読み取れます。マルチフィード検出は、どちらも超音波方式です。
大きさと電力
外形寸法はどちらも幅706×奥行き500×高さ345mm、質量は35kgです。消費電力はどちらも55W以下で、スリープ時は1.7W以下です。
ADFの向き
プレスリリースは、「fi-8700 / fi-8700Sは、ADFを180度回転でき、左右どちらからでも原稿のセットができます。」と書いています。
原稿の背景色
原稿背景色は、どちらもADFが白または黒(切り替え可)、フラットベッドが白です。フラットベッドは、オプションの黒色原稿押さえパッドを使うと黒に変えられます。
長い原稿
長尺読み取りについて、fi-8700Sの仕様表の注記には「送り方向にA3サイズより長い原稿を読み取ることができます。」とあります。用紙の長さごとの解像度は、5,588mm以下で200dpi以下、2,700mm以下で600dpi以下です。
導入にかかわる情報
付属品
主な付属品は、どちらもADF給紙シュート、スタッカー、ACケーブル、ACアダプター、USBケーブル、安全上のご注意、保証書です。
違いは説明書類で、fi-8700Sはスタートアップガイド、fi-7700SはSetup DVDとQuick Installation Sheetです。fi-8700Sの仕様表の注記では、ドライバ・ソフトウェアは「fiシリーズ」Webサイトからダウンロードして使うとされています。
価格
本体価格は、fi-8700Sとfi-7700Sのどちらも341,000円(税込)です。PFUの仕様表に載っている価格です。
価格について、プレスリリースは「従来機から価格を据え置きながら、有線LAN接続の対応やカラーLCD搭載の操作パネルにより、設置・運用の柔軟性と操作性が向上しました。」と書いています。
ソフトウェア
fi-8700Sの仕様表では、ドライバ・ソフトウェアとして、PaperStream IP(TWAIN / ISIS™ドライバ)、PaperStream Capture、PaperStream ClickScan、PaperStream Central Admin、Network Setup Tool for fi Seriesが載っています。
プレスリリースは、「「PaperStream Capture」では、書類の電子化やファイル仕分け、バーコード認識など、定型業務におけるスキャンからデータ整理までを効率化します。」と書いています。
有償のソフトウェアについては、「手書き文字を含むAI-OCRに対応した有償版ソフトウェア「PaperStream Capture Pro / Capture Pro Premium」や、クラウド型AI-OCRサービス「PaperStream AI」も利用可能です。」とあります。
プレスリリースの注記では、PaperStream AIを使うには、PaperStream Capture Pro 6.X以降またはPaperStream Capture Pro Premium 6.X以降を入れたPCが必要とされています。
ClickScanについては、「また、「PaperStream ClickScan」では、3ステップの簡単操作で、保存先やファイル名を都度選択しながらスキャンできます。」と書かれています。
PaperStream AIについては、「「PaperStream AI」は、フォーマットがバラバラな原稿でも、事前設定なしで高精度にデータ化します。」とあります。
対応OS
fi-8700Sの仕様表では、スキャナードライバの対応OSは、Windows 10(32bit/64bit)、Windows 11、Windows Server 2016、2019、2022、2025です。注記では、ARMベースのWindows PCは動作環境の対象外とされています。
fi-7700Sの仕様表には、スキャナードライバの対応OSにLinux(fi-7700S)が載っていて、ドライバ・ソフトウェアの欄にもイメージスキャナードライバ for Linuxがあります。fi-8700Sの仕様表の対応OSには、Linuxは載っていません。

Linuxで使っている職場は、気をつけたほうがいいんだね。

仕様表を比べると、Linuxの記載があるのはfi-7700Sだけなんだ。Linuxのパソコンでスキャナーを使っている職場は、PFUに問い合わせて、Linuxでの使い方を確かめておくと安心だよ。
口コミと、fi-8700Sが向いている職場
口コミについて
口コミは、2つの場所で探しました。価格.comでは、fi-8700Sのページのレビュー・評価が0件でした。fi-7700Sは、価格.comの検索で製品のページが出てきませんでした。
X では「fi-8700S」または「fi-7700S」で、8月1日以降の投稿を検索し、1件の投稿がありました。PFUの発売の告知で、使った人の感想はありませんでした。
業務用のスキャナーなので、この記事では、PFUの仕様表とプレスリリースをもとに比べています。
どちらを選ぶか
fi-8700Sが向いている職場
- 1台のスキャナーを、有線LANで複数のPCから使いたい
- フラットベッドに並べた小さな原稿を、まとめて個別のデータにしたい
- 冊子やホチキス留めの原稿を、ボタンを押さずに続けて読み取りたい
- 操作パネルで状態やエラーを見やすくしたい
fi-7700Sのままでよい職場
- USBで1台のPCにつないで使っている
- 読取速度や原稿の量に不満がない
- マルチクロップやタイマースキャンを使う原稿がない
読取速度、原稿の量、大きさ、本体価格は同じなので、選ぶときの決め手は、LANでの共有と、マルチクロップ・タイマースキャンを使うかどうかです。
よくある質問
fi-8700Sはfi-7700Sより速いですか?
仕様表では、ADFの読取速度はどちらもA4横で片面75枚/分です。
両面を一度に読み取れますか?
fi-8700Sとfi-7700SのADFは片面の読み取りです。仕様表のイメージセンサーは、表面とフラットベッドの2つです。
外形寸法と質量はいくつですか?
外形寸法はどちらも706×500×345mm、質量は35kgです。
fi-8700Sにfi-7700Sのオプションは使えますか?
プレスリリースのオプションの表には、fi-8700 / fi-8700S用として裏面インプリンタ(FI-760PRB)、黒色原稿押さえパッド、A3キャリアシート、写真キャリアシートなどが載っています。
LANでつないだときに使えない機能はありますか?
fi-8700Sの仕様表の注記では、長尺帳票分割読み取りはUSB接続だけの対応です。
fi-7700SにはFUJITSUブランドの製品もありますか?
PFUの「発表済み製品の後継製品」のページでは、fi-7700SにはRICOHブランド製品とFUJITSUブランド製品があり、FUJITSUブランドのfi-7700Sの販売終了日は2024年8月31日です。この記事の仕様表の値は、PFUのfi-7700/fi-7700Sの仕様詳細のページによります。
ドライバのCDやDVDは付いていますか?
fi-8700Sの付属品の表に、Setup DVDはありません。ドライバ・ソフトウェアは「fiシリーズ」Webサイトからダウンロードします。
fi-8700Sとfi-7700Sのまとめ|LAN共有やマルチクロップを使うかで選ぶ
fi-8700Sは、fi-7700シリーズの後継機として登場した、A3対応のADF片面&フラットベッド付きモデルです。読取速度、原稿搭載容量、寸法、本体価格はfi-7700Sと同じです。
違いは、有線LAN、USBの規格、カラーLCDの操作パネル、マルチクロップとタイマースキャンの4つです。違いは多くないので、LANでの共有やマルチクロップ・タイマースキャンを使う職場かどうかで選ぶのがよいでしょう。どちらも法人向けの業務用スキャナーです。




