電子レンジの汚れは、ある日突然ひどくなるわけではありません。
昨日のカレー、今朝の冷凍ごはん、週末のグラタン。拭かなかった飛び散りが少しずつ焼き付き、気づいたときには、においまで残ります。
新型のER-60Cと型落ちのER-60Bは、どちらも23Lの角皿式スチームオーブンレンジです。容量、自動メニュー数、あたため出力、オーブン温度、設置寸法、年間消費電力量まで、基本仕様はほとんど変わりません。
新型の主な違いは、庫内の天井・背面・側面へ「とれちゃうコート」を採用した点です。旧型でコーティングされていなかった天井まで、汚れを落としやすい素材になりました。
結論からいうと、庫内の飛び散りをこまめに拭き、焦げ付きやにおいをためたくないならER-60Cがおすすめです。
天井の掃除を苦にせず、同じ23L・71種類の自動メニューを安く使いたいならER-60Bを選びましょう。価格差が約1.8万円ある時期は、旧型のコストパフォーマンスが目立ちます。
本記事では「コーティングあり・なし」で終わらせず、どの面が拭きやすくなり、どの掃除は残るのかまで比べます。
※本記事には広告リンクが含まれます。価格や在庫は変動するため、購入前に各販売ページでご確認ください。
新旧で変わったのは、温めではなく「汚れを翌日に残すか」
新旧の選択を決めるのは、料理の仕上がりより掃除の習慣です。
| 使い方・悩み | おすすめ |
|---|---|
| 温めるたびに庫内をさっと拭く | ER-60C |
| 油はねが多い肉料理やグラタンをよく作る | ER-60C |
| 天井に付いた汚れが焦げるのを防ぎたい | ER-60C |
| オーブン機能は月に数回しか使わない | ER-60B |
| 庫内清掃より購入価格を優先する | ER-60B |
| 新旧の差が5,000円程度まで縮まった | ER-60C |
新型を選んでも、汚れが消えたり、自動で掃除したりはしません。食材が飛び散ったら、庫内が冷めてから拭き取る必要があります。
とれちゃうコートの役割は、掃除をなくすことではなく、汚れがこびり付く前に短いひと拭きで終えやすくすることです。
ER-60CとER-60Bの違いを比較
新旧の仕様を一覧にしました。
| 比較項目 | ER-60C | ER-60B |
|---|---|---|
| 総庫内容量 | 23L | 23L |
| 庫内形状 | ワイド&フラット | ワイド&フラット |
| 庫内コーティング | とれちゃうコート。天井・背面・側面 | 庫内よごれプロテクト。天井・扉・底面を除く |
| 操作・表示 | 縦型パネル、ホワイトバックライト液晶 | 縦型パネル、ホワイトバックライト液晶 |
| 総レシピ数 | 83 | 83 |
| 自動メニュー数 | 71 | 71 |
| レンジ最高出力 | 1000W、最大3分後に600W | 1000W、最大3分後に600W |
| オーブン温度 | 100~250℃ | 100~250℃ |
| グリル出力 | 1400W | 1400W |
| センサー | 温度センサー | 温度センサー |
| スチーム方式 | 角皿式 | 角皿式 |
| トースト2枚 | 約7分40秒、途中で裏返し | 約7分40秒、途中で裏返し |
| 本体サイズ | 幅468×奥行384×高さ338mm | 幅468×奥行384×高さ338mm |
| ハンドル込み奥行き | 約431mm | 約431mm |
| 庫内有効寸法 | 幅374×奥行310×高さ180mm | 幅374×奥行310×高さ180mm |
| 重量 | 約15kg | 約15kg |
| 設置スペース | 左右各3cm、上方10cm、背面ぴったり | 左右各3cm、上方10cm、背面ぴったり |
| 年間消費電力量 | 73.4kWh/年 | 73.4kWh/年 |
| 付属品 | 角皿1枚、取扱説明書・料理集 | 角皿1枚、取扱説明書・料理集 |
| 発売時期 | 2026年9月予定 | 2025年8月 |
| 価格の目安 | 4万7,000円前後 | 2万9,000円前後 |
販売価格の目安は、ER-60Cが47,080円、ER-60Bが2万8,000円台です。差額は約1万8,000円ですが、ポイント還元や旧型の在庫量で変わります。
表を見て分かるとおり、加熱性能や料理数を理由に新型を選ぶ必要はありません。新型への追加費用は、天井を含めた庫内掃除へかけるお金と考えましょう。
とれちゃうコートは、掃除の「面」を一つ減らす改良
庫内の汚れは、底だけに落ちるわけではありません。食品の水分や油は加熱中にはじけ、側面、背面、天井へ飛びます。
ER-60Cは、セラミック素材のとれちゃうコートを天井・背面・側面へ採用しました。表面がなめらかで、汚れが付きにくく、付いた汚れも拭き取りやすい設計です。
ER-60Bの「庫内よごれプロテクト」は、天井、扉、底面を除く範囲です。側面と背面の汚れには配慮されていますが、天井は対象外でした。
新型で増えた価値は、庫内全面が特別な素材になったことではありません。旧型で残っていた天井まで、汚れを落としやすい面に変えたことです。扉と底面は、とれちゃうコートの対象外です。
天井は見落としやすく、あとから焦げやすい
レンジ加熱後は、皿の下や側面へ目が向きます。天井は立ったままでは見えにくく、少し屈まなければ汚れを確認できません。
飛び散った油やソースを残したままオーブンやグリルを使うと、高温で焼き付いて落としにくくなります。次の調理で煙やにおいが出る原因にもなります。
ER-60Cは、天井の付着を防ぐのではなく、早めに拭き取る負担を軽くする機種です。週末にまとめて強くこするより、使用後に30秒だけ確認する使い方と相性がよいでしょう。
新型にも露出した上ヒーターがある
見落とせないのが、天井のガラス管ヒーターです。旧型の口コミでは、ヒーターが邪魔で水滴を拭きにくいという不満が見られます。
ER-60Cも上下ヒーター式で、上部にガラス管ヒーターがあります。とれちゃうコートの範囲が広がっても、天面が完全なフラット構造になるわけではありません。
ヒーターの奥へ布を押し込んだり、強くこすったりする掃除は避けます。取扱説明書に従い、庫内が冷めてから、手が届くコーティング面をやさしく拭いてください。
「天井掃除がなくなる」と期待すると、新型でも不満が残ります。「ヒーターの間に付いた汚れを落としやすくなる」と考えるのが正確です。
汚れをためるほど、新型の差を感じにくくなる
コーティングは、放置した焦げを魔法のようにはがす仕組みではありません。汚れが新しいうちに拭くからこそ、手入れの短さにつながります。
おすすめの流れは次のとおりです。
- 温めには深さのある容器やラップ、ふたを使う
- 調理後に庫内を確認する
- 本体が冷めてから、固く絞った柔らかい布で拭く
- 扉のすき間や底面に落ちた食品くずも取る
- においや煙が出る前に手入れする
新型を買うだけで掃除の頻度を下げるのではなく、汚れが軽いうちに終える。短時間の手入れを続けられる人ほど、とれちゃうコートを活かせます。
反対に、庫内掃除を月に一度しかしない人は、どちらを買っても固着した汚れと向き合うことになります。コーティング差へ約1.8万円をかける前に、ふた付き容器で飛び散りを防ぐほうが効果を得やすい場合もあります。
温め・オーブン・自動メニューは同じ
手入れ以外の主な性能は共通です。
1000Wは最大3分。普段は600Wへ切り替わる
レンジ最高出力は1000Wです。冷凍ごはんやお弁当を短時間で温めたい朝に役立ちます。
1000Wは最大3分の短時間高出力で、その後は600Wへ自動で切り替わります。長時間1000Wで加熱し続けられる仕様ではありません。
センサーは温度センサーです。上位モデルの赤外線センサーのように、食品表面の温度を細かく見分ける方式ではありません。容器、置き方、食品の初期温度によって仕上がりに差が出るため、必要に応じて追加加熱します。
71種類の自動メニューと83レシピも共通
自動メニューは71種類、総レシピは83種類です。
1人分・2人分のあたため、冷凍ごはん、牛乳、コンビニ弁当、揚げ物のカラッとあたため、パンのふっくらあたためなどを使えます。おつまみ1分、3分・5分・7分メニューもあり、一人暮らしや共働き家庭の短時間調理に向きます。
新型だから作れる料理が増えたわけではありません。料理集の数や自動化を重視するなら、新旧の差額を払う理由は薄くなります。
最高250℃は約5分。その後は200℃になる
オーブン温度は100~250℃、発酵は30・35・40・45℃です。グラタン、お菓子、パン、ノンフライ調理などへ使えます。
250℃運転は約5分で、その後は200℃へ切り替わります。210℃以上に設定した場合も同様です。高温を長時間保つ本格的なパン焼きやピザを重視するなら、上位の石窯ドームも検討してください。
角皿式スチームは、給水タンク式ではない
スチーム調理では、付属の角皿へお湯を注いで水蒸気を発生させます。給水タンクを備えた過熱水蒸気モデルではありません。
構造がシンプルで、給水タンクを洗う手間がない反面、スチームを使うたびに角皿へお湯を用意します。「スチームオーブンレンジ」という名前だけで、上位機と同じ蒸し機能を期待しないようにしましょう。
トーストは途中で裏返す必要がある
6枚切り食パン2枚の焼き上げ時間は約7分40秒で、約5分10秒後に裏返します。冷凍トーストは約9分40秒、約6分50秒後に裏返しが必要です。
新旧とも条件は同じです。朝はパンを入れたまま放置したい人や、短時間で両面を焼きたい人には、専用トースターとの併用が合います。
オーブンレンジ1台へまとめれば設置場所を減らせますが、途中で扉を開けて裏返す手間は残ります。トーストの頻度が高い家庭は、価格だけでなく朝の動きも考えてください。
操作部は新旧とも縦型。慣れるまで番号選択が必要
どちらも扉の右側へ縦型の操作部を配置した「ラクポジStyle」です。白いバックライト液晶が目線に近く、しゃがまず確認しやすい形です。
1人分・2人分のあたためなど、毎日使う操作は分かりやすくまとめられています。自動メニューは番号を選ぶ方式なので、初めは扉内側のメニュー表示や料理集を確認する場面があります。
ER-60Bの口コミには、自動メニューの上下ボタンに慣れが必要という声があります。新型もメニュー数と表示方式が同じため、タッチ画面のように料理写真から直感的に選べる機種ではありません。
一度使う番号が決まれば操作は短くなります。多機能を自由に探すより、ごはん、弁当、牛乳、解凍など決まった用途を繰り返す人に向いています。
設置は本体幅46.8cmではなく、左右を含む52.8cmで測る
本体サイズは幅468×奥行384×高さ338mmです。ハンドルを含む奥行きは約431mmあります。
背面は壁へぴったり置けますが、左右は各3cm以上、上方は10cm以上の空間が必要です。必要な幅は本体46.8cmに左右6cmを足した約52.8cm。高さは本体33.8cmに上方10cmを足し、約43.8cmを確保します。
後方がガラスの場合は、温度差による破損を防ぐため20cm以上離します。熱に弱い家具やコンセントがある場合も、指定より広く空けてください。
庫内は幅374×奥行310×高さ180mmで、間口は38.8cmのワイド設計です。23Lながら大皿を出し入れしやすく、底面がフラットなので、汁をこぼしても拭き取りやすくなっています。
重量は約15kgです。棚の耐荷重を確認し、アースを接続できる場所へ常設しましょう。
年間消費電力量は同じ。電気代で新型を選ぶ必要はない
年間消費電力量は、新旧とも73.4kWh/年です。内訳はレンジ機能59.4kWh、オーブン機能14.0kWh、待機時0.0kWhです。
電力単価31円/kWhで単純計算すると、年間約2,275円になります。
73.4kWh × 31円 = 約2,275円
年間消費電力量は省エネ法の測定条件による目安です。実際の電気代は、温める量、オーブンの使用時間、契約プランで変わります。
省エネ性能に差がないため、電気代で約1.8万円の価格差を回収することはできません。新型を選ぶ判断材料は、掃除時間と製造時期の新しさです。
約1.8万円差を「天井を拭く1分」で考える
新型のコーティングが、1回の掃除を何分短くするかは公表されていません。汚れの種類や拭く頻度でも変わります。
そこで、掃除が1回1分短くなり、週3回使うと仮定します。年間で減る時間は約156分、約2.6時間です。3年間では約7.8時間になります。
約1.8万円差を3年間で割ると、週3回の掃除1回あたり約38円です。
新型を選ぶかどうかは、38円で掃除が短くなると考えるか、1分なら自分で拭くと考えるかで決まります。
油汚れを放置して毎回こすっている人には、ER-60Cがおすすめです。使用後に水滴を拭くだけで済み、旧型価格が大幅に安いならER-60Bで十分です。
ER-60Cがおすすめな人
ER-60Cがおすすめなのは、オーブンレンジを使ったあと、短時間で庫内をリセットしたい人です。
- 肉料理、グラタン、揚げ物の温め直しをよく使う
- 天井の油汚れや焦げ付きに困っている
- 汚れが軽いうちに、こまめに拭く習慣がある
- 旧型との差が5,000~1万円程度まで縮まっている
- 製造時期が新しいモデルを長く使いたい
加熱性能は旧型と同じでも、天井まで汚れを落としやすい面が広がります。掃除を先延ばしにして焦げ付きを作りたくないなら、ER-60Cを選びましょう。
ER-60Bがおすすめな人
ER-60Bがおすすめなのは、23Lオーブンレンジの基本性能を安く手に入れたい人です。
- 温め、解凍、グラタン、お菓子作りが中心
- 天井の拭き掃除を負担に感じない
- オーブンやグリルを使う頻度が低い
- 新型との価格差が1万円以上ある
- 旧型在庫があるうちに購入したい
23L、71種類の自動メニュー、1000Wレンジ、250℃オーブン、年間消費電力量は新型と同じです。コーティングより購入費を優先するなら、ER-60Bがおすすめです。
型落ち品は、在庫が減ると値上がりしたり、選べる店舗が減ったりします。新型との差が5,000円ほどに縮まったら、天井までコーティングされたER-60Cを優先しましょう。
よくある質問
ER-60Cは庫内全面にとれちゃうコートがありますか?
とれちゃうコートの範囲は天井、背面、側面です。扉部と底面は対象外です。底面はフラットなので拭きやすいものの、コーティング範囲を「庫内全面」と誤解しないようにしましょう。
ER-60Cなら天井を簡単に拭けますか?
天井面は汚れを落としやすくなりましたが、上部にはガラス管ヒーターがあります。完全なフラット天井ではありません。ヒーターを避け、取扱説明書に沿って、冷めた庫内を柔らかい布で手入れします。
ER-60CとER-60Bで自動メニューは違いますか?
どちらも自動メニュー71種類、総レシピ83種類です。新型でメニューが増えたわけではありません。
23Lは何人暮らしに向いていますか?
一人暮らしから2~3人暮らしに使いやすい容量です。大皿や背の高い容器を頻繁に使う家庭、作り置きを大量に温める家庭は、26Lや30Lクラスも比べてください。
トーストは裏返しが必要ですか?
必要です。6枚切り2枚は約7分40秒で、約5分10秒後に裏返します。冷凍トーストも途中で裏返します。
ER-60Cの電気代はいくらですか?
年間消費電力量73.4kWhを電力単価31円/kWhで計算すると、年間約2,275円です。実際の金額は使用頻度や契約単価で変わります。旧型も年間消費電力量は同じです。
まとめ|新型の約1.8万円差は、天井の「汚れの借金」をためないためのお金
ER-60CとER-60Bは、23Lの容量、71種類の自動メニュー、最高1000Wのレンジ、最高250℃のオーブン、外寸、年間消費電力量が共通しています。
新型の違いは、天井・背面・側面へとれちゃうコートを採用したことです。旧型でコーティングされていなかった天井も、汚れを落としやすくなりました。
油やソースが飛ぶ料理をよく作り、使用後のひと拭きを短くしたいならER-60Cがおすすめです。
温め中心で天井掃除を苦にせず、加熱性能が同じなら安いほうを選びたい人にはER-60Bがおすすめです。
新型にも露出した上ヒーターがあり、掃除そのものは残ります。コーティングを「掃除不要機能」ではなく、「汚れが軽いうちに落としやすくする機能」と考えれば、購入後の期待外れを防げます。
旧型は在庫限りです。両モデルの価格差を確認し、1万円以上離れていれば旧型、5,000円ほどまで縮まったら新型を優先しましょう。

