新型を買い足せば、手持ちの旧型と2台で鳴らせる。Marshall Embertonの買い替えでは、そんな思い込みが思わぬ落とし穴になります。
旧型のMarshall Emberton IIは、対応するMarshallスピーカーを同期するStack Modeを搭載しています。新型のMarshall Emberton IIIは従来のStack Modeに対応せず、旧型と2台同時に鳴らせません。
初めて1台買うなら、基本的にはMarshall Emberton IIIがおすすめです。小音量でも音の厚みを保つDynamic Loudness、内蔵マイク、最大32時間再生、20分で約6時間使えるクイック充電が加わりました。重さは約30g軽く、最大音圧も87dBから90dBへ上がっています。
ただし、複数台で鳴らしたい人や、Marshall Emberton IIが新型より7,000円以上安い場合は旧型がおすすめです。出力20W、最大30時間再生、IP67、360°へ音を広げるTrue Stereophonicは新型にも引き継がれており、Bluetoothで音楽を流す基本性能は今も充実しています。
本記事では、公式のローマ数字表記「II」「III」を、検索されやすい「2」「3」と同じ意味で扱います。音質、通話、充電、複数台再生、価格差まで比べるので、使い方に合うモデルを選べます。なお、本文には広告リンクが含まれています。
新型で先に確認したいのはStack Modeが使えないこと
Marshall Emberton IIはStack Modeに対応し、2台以上の対応スピーカーを同期して鳴らせます。1台をリビング、もう1台をキッチンへ置き、同じ曲を広い範囲へ届ける使い方が可能です。
Marshall Emberton IIIには、従来のStack Modeがありません。新旧を買い足しても、Marshall Emberton IIとMarshall Emberton IIIをMarshallの機能で同期再生できません。
公式サポートでは、Marshall Emberton IIと一部の第1世代ポータブルスピーカーをStack Mode対応機として案内しています。対応機同士は混在できますが、音のまとまりを優先するなら同じモデル同士がおすすめです。
LE Audio対応予定と「今すぐ複数台再生」は分けて考える
Marshall Emberton IIIはBluetooth 5.3 LEを採用し、LE AudioやAuracastによる音声共有へ備えた設計です。公式FAQでは、対応機器が発売されればLE Audioを利用できるようになると案内されています。
購入時に使える機能は、対応端末、ファームウェア、提供地域によって変わります。「LE Audio対応予定」と「Marshall Emberton IIのStack Modeと同じ操作を購入直後から使える」は別の話です。
複数台再生を購入目的にするなら、将来の更新を前提にせず、販売ページとMarshall Bluetoothアプリで利用できる機能を確認してください。旧型をすでに持っている場合は、Stack Mode対応のMarshall Emberton IIを買い足すほうが確実です。
Emberton IIIは一日の中で何を変えてくれるか
新旧の差は、スペック表より生活場面へ置き換えると見えやすくなります。
朝は音量を抑えたまま、低音が痩せにくいDynamic Loudnessが役立ちます。仕事中に着信があれば、本体のマイクとコントロールノブで応答可能。週末に充電を忘れても、20分の充電で約6時間再生できます。
朝の小音量でも音が薄くなりにくい
スピーカーは音量を下げると、低音と高音が聞こえにくくなりがちです。Marshall Emberton IIIのDynamic Loudnessは、音量に応じて音のバランスを自動調整します。
家族が寝ている朝、集合住宅の夜、作業用BGMなど、大音量を出せない時間帯でも音楽の厚みを保ちやすいのが利点です。海外の実機レビューでも、低音量時に音が細くなりにくい点が評価されています。
Marshall Emberton IIはDynamic Loudnessを搭載していません。旧型もMarshall BluetoothアプリのEQプリセットを選べますが、音量に合わせて自動で整える新型とは仕組みが異なります。
作業中の着信へスピーカーから応答できる
Marshall Emberton IIIはマイクを内蔵し、スピーカーフォンとして通話できます。料理中やオンライン作業中にスマートフォンを手に取らず、コントロールノブで着信への応答、終了、拒否が可能です。
Marshall Emberton IIにはマイクがありません。音楽を聴いている最中に電話へ出るときは、スマートフォン側のマイクとスピーカーへ切り替える必要があります。
内蔵マイクは音声アシスタント用ではありません。新型でもAlexaやGoogleアシスタントを本体だけで呼び出すスマートスピーカーにはならないため、通話機能と音声操作を混同しないようにしましょう。
出発前20分の充電で約6時間使える
Marshall Emberton IIIは、20分充電で約6時間再生できます。Marshall Emberton IIは同じ20分で約4時間です。
キャンプへ出る直前や、友人が来る前に電池切れへ気づいたとき、新型なら半日分のBGMを短時間で確保できます。フル充電も旧型の約3時間から約2時間へ短縮されました。
Emberton IIIとEmberton IIの違いを比較
生活場面に続いて、仕様を一覧で確認します。
| 比較項目 | Marshall Emberton III | Marshall Emberton II |
|---|---|---|
| 世代 | 新型・第3世代 | 旧型・第2世代 |
| ドライバー | 2インチ10Wフルレンジ×2 | 2インチ10Wフルレンジ×2 |
| 最大出力音圧 | 90dB SPL @ 1m | 87dB SPL @ 1m |
| 再生周波数帯域 | 65Hz~20kHz | 60Hz~20kHz |
| 音響機能 | True Stereophonic、Dynamic Loudness | True Stereophonic |
| 最大再生時間 | 約32時間 | 約30時間 |
| フル充電 | 約2時間 | 約3時間 |
| クイック充電 | 20分で約6時間再生 | 20分で約4時間再生 |
| マイク | あり・ハンズフリー通話対応 | なし |
| Bluetooth | 5.3 LE | 5.1 |
| マルチポイント | 2台の再生機器へ同時接続 | 対応 |
| スピーカー同士の連携 | 従来のStack Mode非対応 | Stack Mode対応 |
| 防水・防塵 | IP67 | IP67 |
| サイズ | 約160×68×76.9mm | 約160×68×76mm |
| 重量 | 約0.67kg | 約0.70kg |
| USB-Cケーブル | 付属 | 付属 |
| 公式価格の目安 | 29,990円 | カラーにより26,980~28,980円 |
サイズ、出力、防水性能は大きく変わっていません。新型の改良は、音量に応じた音の整え方、充電の速さ、通話、将来のBluetooth規格、修理やバッテリー保護へ集まっています。
販売価格はカラー、販売店、セールによって変わります。旧型は在庫が減るにつれて色ごとの価格差が広がるため、欲しい色同士の実売価格を比べてください。
音質は「低音の再生範囲」だけでは決められない
数字だけを見ると、Marshall Emberton IIの再生周波数帯域は60Hzから、Marshall Emberton IIIは65Hzからです。下限の数値は旧型のほうが5Hz低く、より低い音まで仕様に含まれます。
ところが、Marshall公式は新型について、低音を豊かにし、最大音量付近の音質や音の広がりを改善したと説明しています。海外レビューでも、新型は低音量で低域が痩せにくく、高音の鋭さを抑えた音が評価されています。
再生周波数帯域は、どこまで音を出せるかを見る一つの目安です。低音の量感、歪み、音量ごとのバランスまでは、下限の数字だけで決まりません。60Hzと65Hzだけを比べて「旧型の音が上」と判断するのは早計です。
新型は最大音量付近でも余裕が増えた
両モデルとも2インチ10Wフルレンジドライバーを2基搭載します。新型は最大出力音圧が87dBから90dBへ上がり、同じ距離ならより大きな音を出せる仕様です。
3dB差は数値だけなら小さく見えますが、音響エネルギーでは約2倍に相当します。人の耳に「2倍の大きさ」と聞こえるわけではないものの、屋外や人の話し声がある場所では音量の余裕につながります。
低音の迫力を最優先し、大人数の屋外パーティーで使うなら、Embertonシリーズより大型のスピーカーが向いています。両モデルは、片手で持てるサイズと360°サウンドの両立を重視した製品です。
True Stereophonicは両モデルにある
Marshall独自のTrue Stereophonicは、新型だけの機能ではありません。Marshall Emberton IIIとMarshall Emberton IIの両方が対応します。
本体の前後へ音を広げ、テーブルを囲んだ人がどの方向からでも聴きやすくする仕組みです。正面だけへ音を出すスピーカーより置き場所の自由度が高く、キッチンカウンターやキャンプテーブルの中央へ置く使い方に合います。
ただし、小さな筐体の左右幅は160mmです。左右へ離して置く2本のスピーカーほど大きなステレオ感は得られません。音像の広がりと、本格的な左右分離は分けて考えましょう。
バッテリーは2時間延長より充電1時間短縮が効く
Marshall Emberton IIIは最大約32時間、Marshall Emberton IIは最大約30時間再生できます。連続再生の差は2時間です。
1日2時間使う場合、公称値では新型が約16日、旧型が約15日。電池持ちだけで旧型から買い替えるほどの差ではありません。実際の再生時間は音量、曲、周囲の温度、通話利用で変わります。
使い勝手に響くのは、フル充電が約3時間から約2時間へ短縮された点です。充電を忘れても20分で得られる再生時間が4時間から6時間へ伸びました。頻繁に持ち出す人ほど、待ち時間の短縮を実感しやすいでしょう。
バッテリー保護と交換部品も長期使用の判断材料
Marshall Emberton IIIは、Marshall Bluetoothアプリのバッテリー保護機能に対応します。充電サイクルを管理し、長く使うための配慮が加わりました。
公式サイトでは交換部品や正規修理サービスも案内されています。ただし、修理対象や部品の在庫は地域によって異なります。購入時に、国内のサポート対象と保証内容を確認してください。
30g軽くなっても持ち手は付属しない
Marshall Emberton IIIは約0.67kg、Marshall Emberton IIは約0.70kgです。新型は約30g軽くなりました。幅と高さは同じで、奥行きのみ約0.9mm増えています。
バッグへ入れたときの占有感はほぼ変わりません。500mlペットボトルより横幅があり、手のひらサイズの小型スピーカーより存在感があります。旅行では充電器やケーブルも含めた荷物量を見てください。
Marshall Emberton IIIにはストラップアンカーがありますが、ストラップは付属しません。Marshall Emberton IIも標準の持ち手がないため、本体を手で持つかバッグへ入れて運びます。徒歩で頻繁に移動するなら、別売アクセサリーを含めて考えましょう。
防水性能は同じIP67で買い替え理由になりにくい
両モデルともIP67の防水・防塵性能を備えます。粉じんの侵入を防ぎ、深さ1mの真水へ最大30分沈める試験条件です。雨、砂ぼこり、水しぶきが気になるキャンプやベランダで使えます。
新型になって防水等級が上がったわけではありません。水辺で使うためだけにMarshall Emberton IIからMarshall Emberton IIIへ買い替える必要はないでしょう。
IP67でも流水ですすがない
Marshall Emberton IIIの公式マニュアルでは、洗浄剤へ浸したり、流水ですすいだりしないよう案内されています。シリコンスリーブは取り外して清掃できますが、本体のメッシュや開口部は乾いた柔らかいブラシや綿棒で手入れします。
せっけん、シャンプー、海水、温泉成分は真水での試験条件と異なります。浴室へ常設せず、濡れた場合はUSB-C端子まで完全に乾いてから充電してください。
マルチポイントはスピーカーを2台鳴らす機能ではない
両モデルはBluetoothマルチポイントに対応し、スマートフォンとパソコンなど、2台の再生機器を同時に待機できます。仕事用PCの音楽を止め、スマートフォンから再生するといった切り替えが簡単です。
マルチポイントの「2台」は、スピーカーではなく音源側の機器を指します。2台のMarshall Emberton IIIを同時に鳴らす機能とは別です。
新型は過去に接続した機器を最大8台まで記憶します。ただし、同時に音を混ぜて再生するわけではありません。片方が再生中の場合は、停止してから別の機器で再生します。
価格差はいくらならEmberton IIIがおすすめか
公式価格はMarshall Emberton IIIが29,990円です。Marshall Emberton IIはカラーにより26,980~28,980円で案内される場合があり、通常価格同士の差は約1,000~3,000円です。
3,000円前後の差なら、Marshall Emberton IIIがおすすめです。Dynamic Loudness、マイク、充電時間1時間短縮、クイック充電の強化、30gの軽量化を考えると、新型を選ぶメリットがあります。
旧型はセールや在庫処分で価格が下がる場合があります。実売価格差は次の目安で判断してください。
- 価格差が4,000円以内:初購入ならMarshall Emberton IIIがおすすめ
- 価格差が4,000~7,000円:通話と充電速度を使うならMarshall Emberton III
- Marshall Emberton IIが7,000円以上安い:1台で音楽を聴くなら旧型がおすすめ
- Stack Modeが必要:価格差よりMarshall Emberton IIを優先
見た目を重視する人は、欲しいカラーの在庫も確認してください。Marshallのスピーカーは家具のように目へ入りやすいため、数千円を抑えるために好みではない色を選ぶと、使うたびに不満が残りやすくなります。
Emberton IIIがおすすめな人
Marshall Emberton IIIがおすすめなのは、次のような人です。
- 初めてEmbertonシリーズを買う
- 朝や夜に小音量で聴くことが多い
- スピーカーで通話したい
- 充電時間を3時間から2時間へ短くしたい
- 20分の充電で約6時間使いたい
- 屋外でも音量に余裕が欲しい
- バッテリー保護や修理のしやすさを重視する
- LE Audio対応機器が広がった将来にも備えたい
新型は、音楽を大音量で聴くときだけでなく、音量を下げる時間や通話、充電忘れまで使いやすくしたモデルです。価格差が4,000円以内なら新型を選びましょう。
Emberton IIがおすすめな人
Marshall Emberton IIがおすすめなのは、次のような人です。
- 新型より7,000円以上安く買える
- 通話用マイクを使わない
- 3時間充電でも困らない
- Stack Modeで複数台を同期したい
- Marshall Emberton IIなど、Stack Mode対応機を持っている
- 旧型の音作りやデザインが好み
Marshall Emberton IIは、型落ちでも最大30時間再生、20W出力、IP67、360°サウンドを備えます。1台でBluetooth音楽を聴く用途なら、値下がりした旧型がおすすめです。
Emberton IIからIIIへ買い替えるべきか
現在の音と電池持ちに満足しているなら、買い替えを急がなくても大丈夫です。ドライバー構成、防水等級、サイズはほぼ同じで、最大再生時間も2時間差にとどまります。
買い替えを検討したいのは、次の不満がある人です。
- 小音量で低音が薄く感じる
- スピーカーフォンを使いたい
- 3時間のフル充電を長く感じる
- 屋外でも音量へ余裕が欲しい
- Stack Modeを使っていない
複数当てはまるなら、Marshall Emberton IIIへ買い替えると日常の手間を減らせます。Stack Modeを使っている場合は、新型へ替えると複数台再生を失うため、Marshall Emberton IIを使い続けるのがおすすめです。
よくある質問
Emberton IIIとEmberton IIを2台同時に鳴らせますか?
Marshallの従来機能では同期できません。Marshall Emberton IIはStack Modeに対応しますが、Marshall Emberton IIIは従来のStack Modeに対応しないためです。新型のLE AudioやAuracastは、対応端末や提供機能を購入時に確認してください。
Emberton IIIを2台買えばステレオペアにできますか?
購入時に従来のStack Modeを使って2台を束ねる方法はありません。LE Audio対応予定だけを根拠に、2台ステレオ再生が必ず使えるとは断定できません。複数台再生を目的に2台買う前に、Marshall公式サポートで対応状況を確認してください。
Emberton IIIのマイクで音声アシスタントを使えますか?
Marshall Emberton IIIの内蔵マイクはスピーカーフォン用です。通話への応答や終了はできますが、本体単独でAlexaやGoogleアシスタントを呼び出すスマートスピーカーではありません。Marshall Emberton IIはマイク自体を搭載していません。
AUXケーブルやUSB-Cで有線再生できますか?
どちらも3.5mm AUX入力を備えておらず、USB-C端子は本体の充電用です。Marshall Emberton IIIもMarshall Emberton IIも、基本はBluetoothで音楽を再生します。
充電しながら再生できますか?
USB-C電源につないだ状態でも再生できます。ただし、濡れたまま充電してはいけません。バッテリーを長持ちさせるため、Marshallのマニュアルでは満充電のまま充電し続けることや、完全放電を繰り返すことを避けるよう案内しています。
Emberton IIIとIIはお風呂で使えますか?
両モデルともIP67ですが、せっけんや高温の蒸気は真水での試験条件と異なります。浴室へ置きっぱなしにせず、濡れた場合は水分を拭き取り、完全に乾いてから充電してください。
まとめ
Marshall Emberton IIIとMarshall Emberton IIの違いは、再生時間が30時間から32時間へ延びた点だけではありません。新型はDynamic Loudness、内蔵マイク、2時間のフル充電、20分で約6時間使えるクイック充電、Bluetooth 5.3 LEに対応しました。最大音圧は87dBから90dBへ上がり、重量は約700gから670gへ軽くなっています。
初めて買う人には、Marshall Emberton IIIがおすすめです。価格差が4,000円以内なら、通話と充電速度を含めて新型のほうが長く使いやすいでしょう。
Marshall Emberton IIが7,000円以上安い場合や、Stack Modeを使いたい人には旧型がおすすめです。新型は従来のStack Modeに対応しないため、旧型との買い足しで2台再生したい人は注意してください。
価格だけで決めず、1台で使うのか、複数台で鳴らすのかを先に決めると後悔を避けられます。欲しいカラーの実売価格を比べ、毎日音楽を聴く場所に合うモデルを選んでください。
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