iPad miniに、A20 Proチップを搭載した新しいモデルが登場しました。Appleが「史上最大のアップデート」と紹介しているとおり、ディスプレイ、デザイン、チップ、スピーカー、通信のほぼすべてが新しくなっています。
いちばん大きな変化は、ディスプレイがOLED(有機EL)になり、画面が8.5インチに広がったことです。さらに、iPad miniとして初めてIP67等級の耐水性能と防塵性能を備え、本体の薄さは5.4mmまで薄くなりました。
この記事では、Appleの公式ニュースリリースと技術仕様のページをもとに、新しいiPad mini(A20 Pro)と、ひとつ前のiPad mini(A17 Pro)の違いを整理します。実機を使ったレビューではなく、公式情報にもとづく比較です。どちらを選ぶと満足しやすいかを、使い方ごとに見ていきます。

iPad miniって、小さくて持ち歩きやすいのがいいところだよね。新しいのは何が変わったの?

大きさはほとんど同じまま、画面がOLEDになって、薄く軽くなって、水にも強くなったんだ。ひとつずつ見ていこう。
iPad mini(A20 Pro)とiPad mini(A17 Pro)の違いを一覧で比較
まずは、Appleの技術仕様に載っている主な項目を並べます。どちらもWi-Fiモデルの数字です。
| 項目 | iPad mini(A20 Pro) | iPad mini(A17 Pro) |
|---|---|---|
| ディスプレイ | 8.5インチ Super Retina XDR(OLED) | 8.3インチ Liquid Retina(IPS液晶) |
| 解像度 | 2,316×1,512ピクセル、326ppi | 2,266×1,488ピクセル、326ppi |
| 輝度 | SDR最大600ニト、HDRピーク1,200ニト、最小1ニト | 500ニト |
| Nano-textureガラス | 256GB・512GBモデルで選べる | なし |
| チップ | A20 Pro | A17 Pro |
| CPU | 5コア(128GB・256GB)/6コア(512GB) | 6コア |
| GPU | 7コア(各コアにNeural Accelerator) | 5コア |
| Neural Engine | 16コア(512GBはデュアル16コア) | 16コア |
| 耐水・防塵 | IP67等級 | なし |
| サイズ(高さ×幅×厚さ) | 195.3×132.6×5.4mm | 195.4×134.8×6.3mm |
| 重さ(Wi-Fiモデル) | 255g | 293g |
| スピーカー | Acoustic Displayを採用したステレオ | ステレオスピーカー(横向き) |
| フロントカメラ | 12MPセンターフレーム(横向き・長辺)、ƒ/2.0 | 12MPセンターフレーム、ƒ/2.4 |
| Wi-Fi/Bluetooth | Wi-Fi 7、Bluetooth 6、Thread(N1チップ) | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
| バッテリー | 18.9Wh、ビデオ再生最大10時間 | 19.3Wh、ビデオ再生最大10時間 |
| 高速充電 | 約30分で最大50%(35W以上の電源アダプタ) | 仕様表に高速充電の項目なし |
| カラー | ミッドナイト、スターライト | ブルー、パープル、スターライト、スペースグレイ |
| 容量 | 128GB、256GB、512GB | 128GB、256GB、512GB |
表のとおり、容量の選び方、Touch IDのトップボタン、USB-Cコネクタ、Apple Pencil Proとの対応、背面の12MP広角カメラ、ビデオ再生の電池持ちは共通です。一方で、画面の種類と大きさ、明るさ、チップ、耐水・防塵、薄さと重さ、スピーカー、通信の世代が変わっています。
ひとことでまとめると、新しいiPad miniは「手に持つサイズはそのままに、画面と丈夫さを大きく進化させたモデル」です。持ち歩き用のタブレットとして、使える場面が広がったといえます。
ディスプレイの違い|8.5インチのOLEDと明るさ
画面の種類とサイズ
新しいiPad miniは、iPad miniとして初めてOLEDを使ったSuper Retina XDRディスプレイを搭載しました。OLEDはピクセルごとに光を調整できるので、黒をより深く表示できます。コントラスト比は2,000,000:1です。
画面のサイズは8.5インチで、A17 Proモデルの8.3インチより少し大きくなりました。Appleによると、ベゼルを24パーセント細くしたことで、前の世代と同じくらいの本体の大きさのまま画面を広げています。解像度も2,316×1,512ピクセルに上がり、画素の細かさはどちらも326ppiです。
A17 Proモデルは、IPS液晶を使ったLiquid Retinaディスプレイです。広色域(P3)やTrue Tone、反射防止コーティングはどちらにもあり、普段の読書や動画でも十分きれいな画面です。
明るさとNano-texture
明るさは大きく変わりました。新しいiPad miniはSDRで最大600ニト、HDRのコンテンツではピーク1,200ニトまで明るくなります。A17 Proモデルは500ニトです。Appleは、前の世代と比べてピーク輝度が2倍以上になったと説明しています。
さらに、最小輝度は1ニトまで下げられます。寝る前にベッドで電子書籍を読むときなど、暗い部屋で画面のまぶしさを抑えたい人にはうれしい変更です。
256GBと512GBのモデルでは、映り込みを減らすNano-textureディスプレイガラスも選べます。屋外や窓ぎわなど、明るい場所で使うことが多い人に向いた選択肢です。A17 Proモデルには、このオプションはありません。

画面が大きくなっても、本体の大きさはほとんど同じなんだね。

そうなんだ。高さはほぼ同じで、幅は少しせまくなっているよ。持ちやすさはそのままで、画面だけ広くなった感じだね。
デザインと丈夫さの違い|5.4mmの薄さとIP67
薄さと重さ
新しいiPad miniの厚さは5.4mmで、A17 Proモデルの6.3mmより0.9mm薄くなりました。重さはWi-Fiモデルで255g、A17 Proモデルは293gなので、38g軽くなっています。Wi-Fi + Cellularモデルでも、新しいモデルが263g、A17 Proモデルが297gです。
片手で持って読書をしたり、立ったまま資料を見たりする時間が長い人ほど、この軽さの差を感じやすいでしょう。毎日かばんに入れて持ち歩く人にとっても、うれしい進化です。
IP67等級の耐水・防塵
新しいiPad miniは、IEC規格60529にもとづくIP67等級に適合しています。最大水深1メートルで最大30分間の条件で試験されています。Appleは、雨の日の屋外での作業や、プールサイドでの読書といった使い方を紹介しています。
A17 Proモデルの技術仕様には、耐水・防塵の等級は載っていません。キッチンでレシピを見る、お風呂場の近くで動画を見るなど、水まわりで使う機会がある人には、新しいモデルのほうが安心です。なお、耐水性能は使っているうちに落ちることがあるため、水に濡らす使い方を前提にしすぎないようにしましょう。
カラー
新しいiPad miniのカラーは、ミッドナイトとスターライトの2色です。A17 Proモデルは、ブルー、パープル、スターライト、スペースグレイの4色でした。色を楽しみたい人には、A17 Proモデルのほうが選ぶ幅があります。
性能とAIの違い|A20 ProとA17 Pro
CPUとGPU
新しいiPad miniは、2ナノメートルのプロセスで作られたA20 Proチップを搭載しています。Appleの発表では、前の世代と比べてマルチスレッドの処理が最大60パーセント速く、グラフィックスの性能は最大2.7倍に上がっています。
CPUのコア数は容量によって違い、128GBと256GBのモデルは5コア、512GBのモデルは6コアです。GPUはどちらも7コアで、それぞれのコアにNeural Acceleratorが入っています。A17 Proモデルは、6コアCPUと5コアGPUの構成です。つまり128GBと256GBのモデルでは、CPUのコアがA17 Proモデルより1つ少なくなります。そのぶんチップの世代が新しく、GPUのコアは2つ多い構成です。
ゲームや3Dの表示に使うレイトレーシングにも、ハードウェアで対応しています。重めのゲームを長く遊びたい人や、イラストや動画の編集をする人は、新しいモデルの性能の余裕を感じやすいでしょう。
AIの処理とApple Intelligence
AIの処理では、Neural Acceleratorを組み込んだGPUにより、前の世代と比べて最大4.5倍速いAIのパフォーマンスをうたっています。512GBのモデルは、Neural Engineがデュアル16コアになり、さらにAIの処理に強くなります。
新しいiPad miniは、iPadOS 27と、次の世代のApple Intelligence、Siri AIに対応しています。A17 ProモデルもApple Intelligenceに対応していますが、AIを使う機能をたくさん使いたい人や、長く使い続けたい人には、新しいチップのほうが安心感があります。

普段はネットと動画くらいなんだけど、それでも差は感じるのかな?

ネットや動画だけなら、A17 Proでも動きに困ることは少ないと思うよ。差が出やすいのは、ゲームや編集、AIの機能をよく使うときだね。
音・カメラ・通信・バッテリーの違いと選ぶ前のポイント
スピーカー(Acoustic Display)
新しいiPad miniは、Acoustic Displayというしくみのステレオスピーカーを採用しました。ディスプレイを通して連係するウーファーで、より力強い低音と大きな音量を出すと説明されています。高音用のツイーターも新しく設計されています。この密閉された作りは、IP67等級を満たす助けにもなっています。A17 Proモデルは、横向きで使うステレオスピーカーです。
カメラ
フロントカメラは、どちらも12MPのセンターフレームカメラです。新しいモデルは長辺の縁にあり、横向きでのビデオ通話で目線が合いやすい配置です。絞り値もƒ/2.0と明るくなりました。背面はどちらも12MPの広角カメラで、新しいモデルにはアダプティブTrue Toneフラッシュが加わり、書類のスキャンがきれいになったとされています。
Wi-FiとBluetooth、モバイル通信
新しいiPad miniは、Appleが設計したN1チップにより、Wi-Fi 7、Bluetooth 6、Threadに対応しました。A17 ProモデルはWi-Fi 6EとBluetooth 5.3です。Wi-Fi + Cellularモデルでは、新しいC2モデムを搭載し、前の世代と比べて最大50パーセント速いモバイルデータ通信をうたっています。どちらもeSIMのみで、物理的なSIMカードは使えません。
バッテリーと充電
バッテリーは、新しいモデルが18.9Wh、A17 Proモデルが19.3Whです。どちらも、Wi-Fiでのインターネット利用やビデオ再生で最大10時間です。新しいモデルは高速充電に対応し、35W以上の電源アダプタを使うと約30分で最大50%まで充電できます。どちらにも20WのUSB-C電源アダプタが付属します。
USB-Cポートは、どちらもUSB 3(最大10Gb/s)とDisplayPortに対応し、外部ディスプレイに最大4K・60Hzで出力できます。新しいモデルは、iPadOS 27.2で外部ディスプレイの拡張ディスプレイモードに対応すると案内されています。
選ぶ前に見ておきたいポイント
容量でチップの中身が変わる
新しいiPad miniは、容量によってCPUとNeural Engineの構成が変わります。6コアCPUとデュアル16コアNeural Engineを使いたいなら、512GBのモデルを選ぶ必要があります。Nano-textureガラスも256GB以上のモデルだけです。容量を選ぶときは、保存するデータの量だけでなく、この違いも見ておきましょう。
ケースとアクセサリー
本体の大きさと厚さが変わったため、A17 Proモデル用のケースやフィルムは、そのまま使えない可能性が高いです。新しいモデルには、2パネル構造の新しいSmart Folioが用意されています。買いかえるときは、ケースもあわせて新しいモデル用を選びましょう。Apple Pencil ProとApple Pencil(USB-C)は、どちらのモデルでも使えます。
Wi-FiモデルとWi-Fi + Cellularモデル
外出先でもネットにつなぎたい人は、Wi-Fi + Cellularモデルを選ぶと、スマートフォンのテザリングなしで使えます。家の中や、Wi-Fiのある場所で使うことが多いなら、Wi-Fiモデルで十分です。販売店によって取り扱う容量や色が違うことがあるので、購入前にモデル名と容量をよく見比べてください。
iPad mini(A20 Pro)がおすすめな人
- OLEDの深い黒と明るい画面で、動画や写真をきれいに見たい人
- キッチンや屋外など、水やほこりのある場所でも使いたい人
- 少しでも薄く軽いタブレットを、毎日持ち歩きたい人
- ゲームやイラスト、動画の編集など、重めの作業もしたい人
- Apple IntelligenceやSiri AIを使って、長く使い続けたい人
新しいiPad miniは、持ちやすいサイズを保ったまま、画面、丈夫さ、性能をまとめて新しくしたモデルです。初めてiPad miniを買う人にも、古いiPad miniから買いかえる人にも、満足しやすい1台です。
iPad mini(A17 Pro)がおすすめな人
- 読書やネット、動画が中心で、液晶の画面で十分な人
- ブルーやパープルなど、好きな色を選びたい人
- A17 Proモデル用のケースやフィルムをすでに持っている人
- 水まわりで使う予定がなく、耐水・防塵にこだわらない人
- 新しいモデルとの差を見て、必要な機能だけで選びたい人
A17 Proモデルも、Apple Intelligenceに対応し、Apple Pencil Proも使える実力のあるiPad miniです。画面の明るさや耐水・防塵にこだわらなければ、日常の使い方で困る場面は多くありません。
iPad mini(A20 Pro)とiPad mini(A17 Pro)のよくある質問
新しいiPad miniのチップは何ですか?
Appleの発表と技術仕様では、新しいiPad miniのチップはA20 Proです。128GBと256GBのモデルは5コアCPU、512GBのモデルは6コアCPUで、GPUはどちらも7コアです。
新しいiPad miniは本当にOLEDですか?
はい。Appleの技術仕様に、8.5インチのSuper Retina XDRディスプレイでOLEDと書かれています。iPad miniでOLEDを採用したのは、このモデルが初めてです。
お風呂で使えますか?
新しいiPad miniはIP67等級で、Appleは最大水深1メートル・最大30分間という実験室の条件で試験したと案内しています。お湯や湯気、石けんのついた水はこの条件の外になるため、お風呂で使うことはおすすめしません。A17 Proモデルには耐水・防塵の等級がありません。
Apple Pencilは使えますか?
どちらのモデルも、Apple Pencil ProとApple Pencil(USB-C)に対応しています。どちらもApple Pencilのホバーに対応しています。
ほかのiPadとも比べたいときは?
もう少し大きな画面がほしい人は、iPad AirのM4とM3を比較した記事も参考になります。iPadとほかのタブレットで迷っている人は、FireタブレットとiPadの違いをまとめた記事もあわせて見てみてください。
まとめ|画面と丈夫さならiPad mini(A20 Pro)、色と液晶で十分ならA17 Pro
新しいiPad miniは、A20 Proチップ、8.5インチのOLEDディスプレイ、IP67等級の耐水・防塵、5.4mmの薄さと255gの軽さを備えたモデルです。スピーカーや通信の世代も新しくなり、持ち歩くタブレットとして大きく進化しました。
画面のきれいさや丈夫さ、性能を重視する人は、新しいiPad miniが選びやすいでしょう。読書や動画が中心で液晶の画面で十分な人や、好きな色を選びたい人は、iPad mini(A17 Pro)も候補になります。購入前には、販売ページでモデル名、容量、Wi-FiかWi-Fi + Cellularかを見比べてください。

私は寝る前の読書に使いたいから、暗くできる新しいほうが気になるな。

いいね。1ニトまで暗くできるのは、夜の読書にぴったりだよ。




