「玄関前に置いてください」「はい、玄関前ですね」。
宅配便の受け取りで、たった一往復の会話がうまく通らない。お互いの声が重なると片方が聞こえにくくなり、同じ説明を繰り返すことがあります。
アイホンのJY-11が変えたのは、画面の大きさでも録画件数でもありません。新型は双方が同時に話せるため、会話の重なりを気にせず応対できます。
対するJS-12Eは、来訪者と交互に話す従来方式です。約6,000円安く買えるうえ、別売のモニター付子機を室内へ1台増設できます。
先に結論をまとめます。
- 会話の聞き返しを減らしたいならJY-11がおすすめ
- 親機を付ける壁をすっきり見せたいならJY-11がおすすめ
- 本体価格を抑えたいならJS-12Eがおすすめ
- 2階や別室でも映像を見て応対したいならJS-12Eがおすすめ
- 価格差が6,000円前後で、増設しないならJY-11がおすすめ
3.5型画面、静止画録画、夜間カラー表示など、来訪者を確認する基本性能はよく似ています。選択を分けるのは、玄関応対を「1か所で気持ちよく終えるか」「2か所で受けられるようにするか」です。
※本記事には広告リンクが含まれます。価格は販売店や時期によって変わるため、購入前に各商品ページでご確認ください。
約6,000円で買うのは画質ではなく「会話の順番を譲らなくてよい快適さ」
JY-11とJS-12Eは、どちらも3.5型モニターを備えています。録画は1件につき静止画1枚で最大30件、ズーム表示は約1.5倍です。
新型だけ画面が大きい、録画が動画になった、スマートフォンで応対できる、といった派手な差はありません。
約6,000円差の中心は、双方向同時通話と親機の小型化です。
同時通話が役立つかは、来客数より会話の癖で決まります。高齢の家族が使う、家の前を車がよく通る、宅配員へ置き場所を細かく伝える。声が重なりやすい家庭ほど、JY-11へお金をかけるメリットがあります。
5年間使うと仮定すれば、6,000円差は1日あたり約3.3円です。玄関応対の聞き返しを毎日のように負担に感じるなら、新型を選ぶ費用として納得しやすいでしょう。
反対に、画面で相手を見て「はい」と短く返す程度なら、通話方式の差は出番が限られます。JS-12Eの安さを優先しても、来訪者確認と録画の基本は押さえられます。
JY-11とJS-12Eの違いを比較表で確認
| 比較項目 | JY-11 | JS-12E |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2026年7月 | 2019年6月 |
| 通話方式 | 双方向同時通話 | 拡声自動交互通話 |
| 室内の最大設置台数 | 親機1台 | 親機1台+モニター付子機1台 |
| モニター付子機 | 増設不可 | JS-1H-Tを増設可能 |
| 呼出音増設スピーカー | 非対応 | IER-2に対応 |
| 親機デザイン | 縦寸法を抑えたスクエア形状 | 縦長の形状 |
| 画面 | 3.5型カラー | 3.5型カラー |
| 録画 | 静止画、最大30件 | 静止画、最大30件 |
| 録音 | 非対応 | 非対応 |
| ズーム | 約1.5倍、9か所から選択 | 約1.5倍、9か所から選択 |
| 夜間確認 | LED照明によるカラー表示 | LED照明によるカラー表示 |
| 電源方式 | AC電源直結式 | AC電源直結式 |
| 価格の傾向 | 新型のため高め | 型落ちで安い |
表だけを見るとJY-11が全面的に上位に見えるかもしれません。室内増設ではJS-12Eが勝ります。新型が必ずすべて優れているわけではありません。
JY-11は会話が重なっても片方の声が消えにくい
JY-11は双方向同時通話を採用しました。室内と玄関の双方が、電話に近い感覚で同時に話せます。
JS-12Eの自動交互通話は、音が大きい側を優先し、送話と受話を自動で切り替える方式です。通常の短いやり取りなら困らなくても、両者が同時に話し始めると片方の声が通りにくくなる場合があります。
高齢者世帯では「話すタイミングを覚えなくてよい」
自動交互通話では、相手の話が終わってから返すと会話が通りやすくなります。仕組みを知らない家族へ、毎回「相手が話し終わってから返事して」と頼むのは負担です。
双方向同時通話なら、話す順番を意識する必要がありません。聞き返しが減れば、知らない来訪者との応対を短く終えやすくなります。
ただし、同時通話は周囲の騒音を消す機能ではありません。強風、交通音、玄関子機の前で大声が続く環境では聞き取りにくさが残ります。設置後は音量を調整し、家族全員で一度試してください。
プレストークは両モデルで使える
周囲の音が大きく自動通話では声を届けにくいときは、通話ボタンを押しながら話すプレストークを利用できます。
同時通話だけを理由にJY-11を選ばなくても、JS-12Eには騒音時の補助手段があります。普段は短い応対だけで、必要なときにボタン操作できるなら旧型でも対応できます。
スクエア親機は、廊下を広げるより「壁のごちゃつき」を減らす
JY-11の親機は、従来機より縦寸法を抑えたスクエア形状です。給湯器リモコンや照明スイッチと同じ壁へ並べたとき、機器だけ縦に飛び出して見える状態を避けやすくなりました。
本体が小さくなっても、画面はJS-12Eと同じ3.5型です。映像確認に使う大きさを保ちながら、画面周りの余白を整理した設計と考えると分かりやすいでしょう。
小型化の恩恵は、壁の空きではなく視線に出る
数cm小さくなっても、家具を置ける場所が増えるわけではありません。毎日通る廊下やリビングで、操作パネルが壁から浮いて見えにくい点に価値があります。
インテリアへ関心が薄く、今の親機サイズにも困っていないなら、デザインだけで買い替える必要はありません。約6,000円差は、通話方式と合わせて判断しましょう。
別室でも映像を見たいならJS-12E|ただし増設は有線
JS-12Eは、別売のモニター付子機「JS-1H-T」を1台増設できます。親機をリビング、子機を2階の廊下へ設置すれば、階段を下りずに来訪者の映像を見て応対できます。
JY-11は玄関子機1台、室内親機1台の構成です。別室用モニターをあとから足せません。
JS-1H-Tは持ち歩けるワイヤレス子機ではない
JS-1H-Tは壁へ取り付ける有線のモニター付子機です。寝室、キッチン、書斎へ自由に持ち運ぶ製品ではありません。増設工事と電源の確認も必要です。
親機と増設子機の間で内線通話はできません。2階から1階の家族へ話しかける用途ではなく、来訪者を別の場所でも確認して応対するための子機です。
増設子機の本体代と工事費を加えると、JS-12Eのほうが安いとは限りません。将来増設するつもりなら、ドアホン本体だけでなく、子機と工事を含めた総額で比べてください。
呼出音だけ別室へ届ける方法もある
映像や通話が不要で、2階でもチャイムだけ聞きたいなら、JS-12Eは別売の呼出音増設スピーカー「IER-2」に対応します。
来訪者が来たと分かれば1階へ移動できる家庭なら、モニター付子機より費用を抑えられます。JY-11は呼出音増設スピーカーに対応していないため、別室で呼出音を確実に聞きたい人も旧型が合います。
画面・録画・夜間確認はほぼ同じ|新型でも動画や録音は残らない
来訪者を確認する基本機能は、両モデルで大きく変わりません。
- 3.5型カラーモニター
- 呼出直後の自動録画
- 本体へ最大30件を保存
- 1件につき静止画1枚
- 約1.5倍のワンタッチズーム
- 9か所から拡大位置を選択
- 夜間照明LEDによるカラー確認
- 玄関子機背面で上下・左右・斜めの角度調整
録画30件は防犯カメラの代わりではない
両モデルとも録画できるのは静止画で、音声は残りません。人の動きや会話をあとから追う動画録画、長期間保存するSDカード、外出先から見るスマートフォン連携にも対応していません。
不在時に「誰が押したか」を帰宅後に確かめる用途には足ります。いたずらや敷地内への侵入を常時記録したいなら、テレビドアホンとは別に防犯カメラを検討してください。
1.5倍ズームは画質を増やす機能ではない
ズームは画面の一部を拡大して見る機能です。離れた車のナンバーまで鮮明にする高倍率カメラとは違います。
玄関子機を取り付けたあとに角度を変えるには、本体を外して背面レバーを操作します。門柱の端や低い位置へ付ける場合は、工事時に家族の身長と立ち位置を想定して画角を合わせてもらいましょう。
取り付けで失敗しない|両モデルとも電源直結式
JY-11とJS-12Eは、どちらも壁の中から電源を取るAC電源直結式です。電源コードをコンセントへ挿すだけの製品ではありません。
既存の親機に電源プラグがなく、壁内配線から給電している場合、取り外しと取り付けには電気工事士の資格が必要です。本体を安く買えても、無資格で交換しないでください。
注文前に写真を3枚撮ると見積もりが進みやすい
工事を依頼するときは、次の写真を用意すると状況を伝えやすくなります。
- 室内親機の正面と型番ラベル
- 玄関子機と周囲の門柱・外壁
- 分電盤と親機周辺のコンセント
既設の2芯配線を使える場合もありますが、劣化、断線、特殊な集合住宅設備、電話連動などがあると追加工事が必要です。商品代の差より工事費の差が大きくなる場合があるため、本体を注文する前に確認しましょう。
電源プラグ式を希望する場合は、JY-11と同系統のKQ-66、JS-12Eと同系統のKL-66も候補です。型番末尾だけで注文せず、直結式かプラグ式かを販売ページで確かめてください。
口コミの読み方|新型は件数より「通話の重なり」を確認
JY-11は2026年7月発売のため、長期使用した口コミはまだ限られます。販売店の配送評価や「取り付け予定」といった投稿を、通話品質の評価として数えないようにしましょう。
発売後に確認したいのは、次の点です。
- 宅配員と同時に話したときの聞き取りやすさ
- 交通量の多い道路沿いでの通話
- 3.5型画面を斜めから見たときの視認性
- ボタン表示を高齢の家族が迷わず使えるか
- 既存機器から交換したあとの壁跡
JS-12Eには、シンプルな操作、来訪者を確認するには十分な画面、自動静止画録画、価格への評価が蓄積しています。画質の感じ方には差があり、スマートフォンの高精細画面と同じ鮮明さを期待すると不満が出やすい点には注意が必要です。
旧型の口コミは信頼材料になりますが、別売子機の在庫や将来の修理期間まで保証するものではありません。長く使う予定なら、在庫処分価格だけでなく製造時期と販売店保証も確認してください。
JY-11がおすすめな人
JY-11がおすすめなのは、次の人です。
- 会話が重なると聞き返しが増える
- 高齢の家族も玄関応対をする
- 室内親機は1台で足りる
- 壁になじむスクエア形状を選びたい
- 価格差が6,000円前後なら新しいモデルを使いたい
- 増設より通話のしやすさを優先する
とくに、別室モニターを使う予定がない家庭では、新型の弱点が表に出ません。毎回の会話を短く済ませたいならJY-11がおすすめです。
JS-12Eがおすすめな人
JS-12Eがおすすめなのは、次の人です。
- 基本の録画付きテレビドアホンを安く付けたい
- 2階や別室へモニター付子機を増設したい
- 別室で呼出音だけでも聞けるようにしたい
- 来訪者とは短いやり取りが中心
- 長く販売されたモデルの口コミを参考にしたい
- 新型との価格差が大きく広がっている
同時通話を必要とせず、室内増設に魅力を感じるならJS-12Eがおすすめです。型落ち在庫は販売店ごとに製造時期や保証条件が異なるため、購入前に確認してください。
よくある質問
JY-11はJS-12Eの後継機ですか?
JY-11は、JS-12Eと近い3.5型の録画付きテレビドアホンです。ただし、公式上は室内の最大設置台数や対応オプションが異なります。単純にすべてを引き継いだ後継機と考えず、同時通話を備えた新型と、増設できる既存モデルとして比べるのが安全です。
JY-11へモニター付子機を増設できますか?
できません。JY-11は玄関子機1台、室内親機1台の構成です。室内2か所で映像を見たい場合は、JS-1H-Tを増設できるJS-12Eが候補です。
JS-12Eの増設子機はワイヤレスですか?
ワイヤレスではありません。JS-1H-TはAC電源直結式の有線モニター付子機です。設置場所の配線と工事費を確認してください。
増設した子機と親機で内線通話はできますか?
できません。JS-12Eの増設子機は、別室で来訪者を確認して応対するための機器です。家族間の内線通話を使いたい場合は、対応する上位シリーズを選びましょう。
JY-11とJS-12Eはスマートフォンに対応しますか?
どちらもスマートフォン連携には対応していません。外出先から応対したい場合は、アイホンのスマートフォン連動モデルなどを比較してください。
録画に来訪者の声も残りますか?
残りません。両モデルとも本体へ保存するのは静止画で、録音には対応していません。
自分で交換できますか?
両モデルは電源直結式です。壁内の電源配線を扱う交換には電気工事士の資格が必要です。既存機器が電源プラグ式でも、購入する型番の電源方式を確認してください。
まとめ|1階で会話を終えるならJY-11、別室でも応対するならJS-12E
JY-11とJS-12Eは、3.5型画面、最大30件の静止画録画、約1.5倍ズーム、夜間カラー表示を共通して備えています。
大きな違いは二つです。JY-11は双方向同時通話とコンパクトなスクエア親機、JS-12Eはモニター付子機と呼出音スピーカーの増設に対応します。
約6,000円差だけを見て旧型へ決めると、会話の聞き返しが残るかもしれません。新型だけを見て決めると、あとから2階へ子機を足せないと気づくおそれがあります。
室内親機1台で足り、会話のしやすさを優先するならJY-11がおすすめです。本体価格を抑えたい、または別室でも来訪者を確認したいならJS-12Eを選びましょう。
最後に、本体価格と工事費を同じ条件で見積もり、直結式の施工を依頼できるか確認してください。ドアホンは壁へ付けてから簡単に入れ替える家電ではありません。購入前の10分で、何年も続く使いにくさを避けられます。

