デロンギの大人気シリーズ「デディカ」から、ついに待望の新型「EC890J(デディカ デュオ)」が登場しました。前モデルである「EC885J(デディカ アルテ)」を検討していた方、あるいはすでに使っている方にとって、「新型と従来型、結局どちらを買うべきか?」は非常に悩ましい問題です。
結論からお伝えすると、この2機種の最大の違いはカタログ上の抽出スペックではありません。「家カフェの遊び方の幅」がどれくらい広がるか、その1点にあります。公式直販価格で比較すると、EC890Jは59,800円(税込)、EC885Jは54,800円(税込)という5,000円の差額があります。しかし、この価格差だけを見て判断すると、購入後にご自身のライフスタイルと合わずに後悔する可能性があります。
この記事では、あなたが「ホットの本格エスプレッソやラテアートを中心に楽しみたい派」なのか、それとも「アイスアレンジやコールドブリューまで一年中家カフェを満喫したい派」なのかという、明確な用途の違いに基づいて、あなたに最適な1台を徹底的に比較・解説します。
(※本記事のデータ出典:デロンギ公式商品ページおよび公式ニュースリリースより)
EC890Jはここが進化した「一年中遊べる家カフェ機」

2026年3月12日にデロンギ直営店等で先行発売された新型「EC890J」は、エスプレッソマシンという枠組みを超え、“冷たい一杯まで含めて遊べる”という新しい価値をデディカシリーズにもたらしました。(全国発売は2026年5月27日予定)
最大の特徴にして、EC885Jから最も大きく進化したのが「コールドブリュー(水出しコーヒー)」抽出機能の搭載です。「コールド エクストラクション テクノロジー」と呼ばれる独自の抽出技術により、エスプレッソのように強い圧力をかけて熱湯を一気に通すのではなく、専用のポンプ制御で常温の水を少しずつコーヒー粉に浸透させます。
通常、水出しコーヒーを自宅で作ろうとすると、粉を水に浸して冷蔵庫で約12時間ほど待つ必要があります。しかし、EC890Jなら、なんとわずか約5分で本格的なコールドブリューが完成します(出典:デロンギ公式商品ページ)。夏の暑い朝、「冷たくてスッキリした、しかも香りの高いコーヒーが今すぐ飲みたい」という欲求を、この1台が完璧に叶えてくれます。
さらに、日々の使い勝手を向上させる細かいアップデートも見逃せません。操作パネルは従来の物理ボタンからカラータッチアイコンに変更され、視認性と操作の軽快さが大きく向上しました。また、抽出時の高さを柔軟に変えられる着脱式カップ受けを採用したことで、背の高いアイス用グラスやタンブラーへの直接抽出も容易になっています。
もちろん、EC885Jで好評だった「My LatteArt(マイラテアート)」対応のミルクフロッサー機能はしっかり引き継いでいます。きめ細やかなフォームミルクを作ってラテアートの練習を楽しめるだけでなく、氷をたっぷり入れたグラスに抽出してアイスラテを作るなど、季節を問わず多彩なアレンジメニューを楽しむことができます。
まさに「自宅を一年中楽しめるカフェにするためのマシン」、それが新型EC890Jの魅力です(参考:PR TIMES デロンギプレスリリース)。
今でも大本命、EC885Jが魅力的な「3つの理由」

「新型が出たなら、旧型のEC885Jはもう時代遅れでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、結論から言えば、EC885Jは決して色褪せていません。むしろ、「温かい一杯をシンプルに楽しむ」という点においては、今でも完成度の高い大本命モデルです。
その理由は大きく3つあります。
第一に、「ベースとなるエスプレッソ抽出能力は新型と同等」である点です。抽出時に最適な圧力をかける9気圧(ポンプ圧自体は15気圧)、抽出温度90度、温度設定を3段階から選べる点や、1杯/2杯の定量抽出機能など、デロンギがこだわる「本格的な本場イタリアのエスプレッソ抽出」の基本スペックは、新型のEC890JとEC885Jで実はほぼ変わりません(参考:デロンギ公式商品ページ EC885J)。
第二に、極めてミニマルで「初心者でも迷いにくいシンプルな操作性」です。EC885Jの操作系は、本体上部にある「1杯抽出」「2杯抽出」「スチーム」の3つの物理ボタンのみ。電源を入れて、自分がしたい操作のボタンを1つ押すだけ。この直感的なわかりやすさは、毎朝寝ぼけ眼で機械を触るようなシーンで非常に安心感があります。
第三に、2023年4月に発売されてから積み重なった「豊富なレビューの蓄積と流通の強さ」です。家電レンタルサービスなどでも多くのユーザーが利用しており、「幅15cmという圧倒的なコンパクトさ」や「キッチンに映えるデザインの良さ」が高く評価されています。また、直営店だけでなくAmazonや楽天、全国の家電量販店で広く流通しているため、実機を確認しやすく、セール等を利用して賢く購入しやすい環境が整っている点も大きなメリットです。
徹底比較表「結局スペックは何が違う?」

ここで、両機種のカタログスペックに基づく違いを一覧表で整理しましょう。
| 比較項目 | 新型:EC890J(デディカ デュオ) | 従来型:EC885J(デディカ アルテ) |
|---|---|---|
| 公式直販価格 | 59,800円(税込) | 54,800円(税込) |
| 発売日(時期) | 2026年3月12日(直営先行発売) ※全国販売は5月27日予定 | 2023年4月18日 |
| 本体サイズ | 幅150 × 奥行330 × 高さ305 mm | 幅150 × 奥行330 × 高さ305 mm |
| 消費電力 | 1350W | 1300W |
| 操作パネル | カラータッチアイコン | 3ボタン(物理ボタン) |
| カップ受け | 着脱式(高さ調整が容易) | 固定・分離型設計 |
| 抽出スペック | 抽出時9気圧、温度3段階、定量設定 | 抽出時9気圧、温度3段階、定量設定 |
| コールドブリュー機能 | あり(約5分で抽出) | なし |
| ミルク機能 | My LatteArt(手動・ラテアート対応) | My LatteArt(手動・ラテアート対応) |
| 対応粉・ポッド | コーヒー粉、44mmカフェポッド | コーヒー粉、44mmカフェポッド |
表を見ていただくと分かる通り、驚異的なスリムボディである「幅15cm」の筐体サイズや、本格抽出に関わる内部スペックは共通しています。最も大きな差異は、やはり「コールドブリュー(水出し抽出)機能の有無」と「操作パネル(タッチかボタンか)のUI」です。
直販価格ベースでの差額は5,000円。この差額に「カラーパネルの快適さ+コールドブリュー機能」の価値を見出せるかどうかが、選び方の最大のポイントになります。
(※一部スペックに関する注記:EC890Jの重量は公式のリリース内で「約4.1kg」、商品ページ内で「4.7kg」と表記揺れが見られます。また、EC885Jの水タンク容量に関しても公式の一部や販売店で「1.0L」や「1.1L」と表記が混在している場合がありますが、日常的な使用感に影響するレベルの違いはありません)
購入前の注意点(反論・限界・リスク)

さて、メリットばかりを語っても正しい比較にはなりません。いずれのマシンを選ぶにしても「事前に知っておかないと後悔する」かもしれない注意点・限界を包み隠さずお伝えします。
【注意点1】EC890Jは最新機ゆえの「長期レビュー不足」
EC890Jは2026年3月に先行発売されたばかりの最新モデルです(全国発売は5月予定)。公式の情報や発表会でのファーストインプレッションは充実していますが、EC885Jのように「1年間毎日使い倒した結果の耐久性」や「ユーザー独自の工夫による抽出レシピ」などの集合知、長期レビューがまだネット上に蓄積されていません。
【注意点2】「My LatteArt」は優秀だが「魔法の杖」ではない
EC890J、EC885Jともに「My LatteArt」という、よりきめ細かいフォームミルクを作れる優れたフロッサーを搭載しています。しかし、マシンのスイッチを入れれば勝手に美しいハートやリーフが描けるわけではありません。ミルクの温度管理、空気の含ませ具合(スチーミング技術)、そして最終的な注ぎのコントロールは、すべて人間側の「練習」による習熟が必要です。最初は上手く泡立たず、何度も練習する期間があることは覚悟しておきましょう。
【注意点3】EC885Jの実売価格は変動しやすい
公式直販価格では両者の差額は5,000円です。しかし、EC885Jは発売から時間が経過しており、大手家電量販店やECサイト(Amazon、楽天等)に広く流通しています。そのため、決算セールやポイント還元などを加味すると、実際の購入ベース・実売価格ではEC885Jが想定以上に安くなり、価格差がさらに広がる(あるいは縮む)可能性があります。
あなたに最適なのはどっち?(用途別診断)

ここまでの情報を踏まえ、それぞれのライフスタイルに合わせた「失敗しない選び方・診断」を提示します。価格ではなく「どう使いたいか」で選ぶのが正解です。
🧊 EC890J(新型)がおすすめな人
- アイスコーヒーやコールドブリューが大好きで、夏場もフル活用したい人。
- 「今日はお湯でエスプレッソ、明日は水出しでスッキリ」など、1台で幅広いアレンジを楽しみたい人。
- 最新のタッチパネル操作や、背の高いグラスをそのまま置ける等の操作性を重視する人。
EC890Jは、「エスプレッソマシン=冬に活躍するホット用家電」という概念を壊してくれる一台です。約5分という短時間でコールドブリューが作れる機能は、朝の忙しい時間に冷たいコーヒーを欲する方にとって革命的です。直販価格の差額5,000円は、「コールド専用メーカーを別でもう1台買う」コストや手間を考えれば、十分に回収できる投資だと言えます。
☕ EC885J(従来型)がおすすめな人
- 飲むコーヒーは「温かい本格エスプレッソやカフェラテ」が圧倒的に多い人。
- 物理ボタンでシンプルに、迷わず毎日操作したい人。
- コールドブリューには興味がなく、少しでも初期費用や実売価格を抑えて購入したい人。
「水出しコーヒー機能が付いていても、結局自分はホットしか飲まないだろう」と直感した方は、迷わずEC885Jをおすすめします。根本となる抽出機能、コンパクトなデザイン、ラテアートへの挑戦のしやすさは新型と同等です。EC885Jは「あえて型落ちを選んだ」と後悔するようなモデルではなく、今でも自信を持っておすすめできる完成モデルです。
今日からできる!購入に向けた実行手順

どちらが必要か、なんとなく見えてきたでしょうか?
購入を検討している方は、以下の3つのステップをぜひ今日のうちに実行してみてください。
- 設置場所(幅15cm×奥行33cm)をメジャーで図る。
両機種の最大の魅力はそのスリムさにあります。キッチンのカウンターやデスク周りなど、「ここに置けたらテンションが上がる」と思う場所のサイズをチェックしてください。幅15cmの隙間さえあれば、そこがあなたの専用カフェスペースになります。 - 普段飲んでいるコーヒーが「ホット中心」か「アイス・水出し」を含むかを振り返る。
手帳やスマートフォンのメモ、あるいは普段カフェで何を注文しているかを振り返ってみてください。コールドブリュー機能に投資する意味があるかどうかが、より確信に変わるはずです。 - 最新の実売価格をチェックする。
EC885JはAmazonや量販店のECサイトを、先行発売のEC890Jはデロンギ公式ストアをチェックし、「現在の実質的な価格差」を確認しましょう。
結論
新型「EC890J」は、5分でのコールドブリュー抽出を実現し、「家カフェの遊び方を大きく広げる進化した一台」です。
一方の従来型「EC885J」は、エスプレッソとカフェラテの基本を極め、「迷いなく本格抽出を始められる完成された名機」です。
両者の差は機械としてのグレードの違いではなく、「あなたの朝に、どんなバリエーションの一杯を追加したいか」という選択肢に他なりません。どちらを選んだとしても、横幅わずか15cmというコンパクトなボディから抽出される本格的な1杯は、あなたの毎日のコーヒー体験を間違いなく劇的に向上させてくれるでしょう。あなたのライフスタイルに合わせて、最高の「デディカ」を迎えてみてください。


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